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たなびくそらの彼方から
沈黙する
よるだね
ぼくたち
詩人も
涙を流して
沈黙するよるだね
ねえ
また見えない戦争がはじまるね
やわらかな影が
いくつも射殺されてくね
ぼ ....
若き日の。
透明な食卓。
複雑なしぐさで
翼を折る
きみは
月を嚥下するように
食した。
それは
幻想の代償行為としての
夕餉。
ぼくらは
夕明かりに
真っ赤に ....
{引用=
ちいさな野原。白い宇宙。街角の冬。さざめく星空。静寂。月の光。天文台の記憶。
春の方角。夕陽の轍。ぶどうの風。かすかなピアノ。やさしい目。風邪の熱。水蜜桃のゆめ。
向日葵を持つ ....
夏のたかまりのなかで聴いた
あなたの魂の音は
秋のめざめのように
とても澄んでいた
世界のいちばん深いところで
ゆるされてる
そういう色を
していた
草色のゆめのなかに消えるために ....
わたのある夏の日の
火の粉とともに
野原の蒸気は渦をまく。
ぼくらは真赤です。
麦畑をすぎる
風になまえがあるように
瞬きもまた瞳。
ぼくらは真赤です。
少女は
朝が嫌い
目を覚ますと
いつも
知らない町に
置きざりにされた
気持ちになるから
少女は
朝日が嫌い
朝日は
いつも
こんなにも
世界を歪ま ....
またきたね、匂う夏が、
むせかえる、草叢のにおいのなかで、
ぼくらは、呼吸をする
過剰な、色彩の、
この、感情の、渦に、巻かれ、
色をもたない、ぼくらは、
草色に、染められてく
....
風がおわるよ。
もうすぐ。
ともだちの
髪もなまえも
風の泡になるね。
ちいさなガラスをとおして
見える視野。
いつもの都会のはずなのに。
それは、
....