A型のあなた翼を折りたたみ夢の背中へ落下してゆく


B型のあなた昆虫採集を投げ出し籠の中で寝ている


C型のあなた視界に映る朝こことは違ふ世界の夜明け


O型のあなた肯定し続け ....
花が散ってしまっても
桜土手通りは
桜土手通りだ

なぜかって
それは
秘密さ
好きな男の子が悲しんでいるというのに
わたしは何もしてあげられない
せいぜい裸になってあげるくらい
好きな男の子はわたしが好きなだけで
わたしを好きではないから
あまりうれしくもないだろうけ ....
   広く浅い湖で
   互いの影を揺らしあうふたり
   幼い遊びを繰りかえすふたり



   太陽が一度も出ないまま
   午後がすぎ
   夜の蒼が来て
   ....
  朝の くもり
  4時 15 分

  ほろほろ 酔ふ
  鷺の 跳びをる

  収束し また
  拡散する

  音の ひびきを
  臓に 包んで

  窓か ....
腕から生える腕
腕から生え他の腕に潜る腕
すべて腕
てのひらの無い腕
てのひらだらけの腕
今日の天気は腕ときどき腕
ところによりにわか腕
という天気図を指し示す腕
腕そば一丁、腕大 ....
カツン
病院の夜
廊下に映る非常灯
漂う薬品のにおいに
鈍く刺激される静寂

今夜は無風
女はそういったことを言ったと思う
喫煙所の密室(いまどき室内なんて珍しい)
いつからここにい ....
つくんと

ときおり胸で感じる痛みを
悲しみのせいだとは
思いたくないから、僕らは
うたおうとする

好きな歌を

思い出せないフレーズで
立ち止まってはいけないと
覚えてるとこ ....
恋に目覚めたとき
君は書くだろう
恋に焦がれた
男の詩を

愛に恵まれているなら
君は書くだろう
優しさ満ちた
日々の詩を

性に欲望したとき
君は書くだろう
交尾に狂う
獣 ....
なすときゅうりの馬なんて
のれないよねえ とつぶやいたとき
お兄ちゃんは
ひらたくて少し冷たい手のひらで
あたしの手を
つかんでいた


じいん と鳴る
すずしいかぜに 


 ....
日が落ちて 暗い川に
すう とよぎる物がある
魚のひれに
背の高い草
それから
釣りのおじいさん
長い棒で
水をかき
橋をくぐる

なにがみえるのか
なにがきこえるのか
波紋と ....
僕が
奇妙な果実になったなら
マングローブの木にぶら下がり
絶え間なく聞こえくる
極楽鳥の求愛の詩
蒸し暑いのは
僕達の想い
秘密の遊戯に耽っては
むやみやたらに書き記す
ミナミトビ ....
青い花は青という色が嫌い
光の中の、青と言う光だけ
あっちへ行けと跳ねかえし
私達の目には青に染まった
青い花が映るのです。



私は私が嫌いだと主張しています。
爽やかな日曜日
朝からお洗濯
はりきってお洗濯
お洗濯は大好き
がらんがらん
洗濯機が回るところを
見ているのも好き
暇だから見てるんじゃないよ
暇じゃなくても見ているの!
ごしごし ....
そうやってであいました。

かぜのあとをたどってきたみたいに。


そうやってであいました。

はじめてほっとするように。


そうやってであいました。

ことばがうつくしくな ....
カレンダーが
隙間を 埋める

いちいち 並んだ文字
規則正しく
色までついてる

ななめに さいて
ずらしても

あくる日は 書いてなかったように
きちんと くる

時 ....
ふわり、風

ふわり、髪

いつかの夏の真昼の丘で
風にそよいでいたきみのこと


ふわり、風

ふわり、髪

いつかの夏の真昼の丘で
きみの光が思い出に捕らわれそうで
 ....
焚き火の火を見つめながら
煙草を吸っているから
涙もくしゃみも煙のせいにできる

焚き付けの新聞紙にはテロのニュース
世の中のもめごとみんな燃やしてすっきり
なんてわけにはいかないけど
 ....
生まれた日のことを覚えている
ちらちらと雪が降って
がやがやと人の声が聞こえた
そして何度か暗くなった
明かりは穏やかに灯った
鳥の声が聞こえた
硬貨の匂いがした
笑っていた
抱きしめ ....
七月の窓辺

夏色の羽をはばたかせて
揚羽蝶がひとり
庭に迷い込んできました

羽を持って生まれてきた生き物は
そんなふうに飛ぶのが
当然なのだというように

ゆらりと抱いた風をふ ....
とても寂しそうに立っていたから
声をかけられなかった
檻の中
100センチの
ペンギン

タイミングが全て合ったら
結婚しましょう
氷の上で

夕方の風は冷たくはないの
ぬるいの ....
今僕はサントリーウイスキーを飲みながら
この手紙を書いています

18歳の君たちは
まだ若い盛りで恐れるものは何も無いでしょう
辛い恋と思うものは
実際、たいして辛い恋ではなく
カクテル ....
あなたはわたしの何もかもを知らないし
わたしはあなたの何もかもを知らない
それでいいと思う

それでいいと思ったら
夏の柔らかい部分では
雨の方で都合をつけて
わたしとあなたを
水たま ....
なきうさぎの夢を見る
ある朝

目覚めると
あたりは真っ白な
雪の草原で

私も真っ白な
雪の装いで

私は嬉しくて
ぐるんぐるんと
でんぐりがえり

雪をまとって
走る ....
十二番目で
いつも言葉を間違えてしまう君は
その次の交差点では
左折ばかりを繰り返している
東京
狭い夕暮れで
夢から覚めたばかりの抜け落ちた体を
ついでのような角度でドアの隙間に潜り込 ....
  チョコレート

チョコレートの包みを
あけたのは
退屈なカエルが
土の中から這い出て
鳴いたから


  スカーフ

ほめたら{ルビ白髪=しらが}まじりの
老婆がくれた
 ....
雨ですねぇ
雨ですねぇ

夜中にふる雨は
なぜか
さわがしくてしずか

布団の中で
ほくほくときいているのに
冬の雨は
身にしみて
つめたあい音がす
 る

ぽと ほと と ....
太陽を盗んで、
穴に落ちて、
暗闇で、
空っぽで、
誰もいなくて、
誰もがなくて、
誰も待ってなくて、
遠くで、待って、くれなくて、
悲しくて、
苦しくて、
 ....
前足に触れたら
さっとひいた
白いお前
おびえているのか
さびしいのか
煙草臭いからか
鉄が飛び交うさなか
寝そべったお前は
生温かい塊
押し当てた手に
安心が芽生える
だがお前 ....
想い出は
いいものばかりで

ときどき
あなたの名を呼んでしまうけれど

聞こえたら
ごめん

答えないで

想い出が
更新してしまうから
落合朱美さんのおすすめリスト(2868)
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転調- 本木はじ ...短歌905-7-14
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生まれた日- ヤギ自由詩10*05-7-13
揚羽蝶- ベンジャ ...自由詩10*05-7-13
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リズム- こしごえ自由詩9*05-7-12
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