先生
唇が、
ふるえてしまいます。
電線に
飛行機雲が斜線して
雨上りが地上をうっすらとはいでいきます

あの日
陽炎で生まれました
わたし
浮遊する
夢みるからだで透けていき
 ....
どうぞ、遠くても
椅子など用意しないで
明日と言えない日々のこと
薄くなりそうな約束ばかりで
指切り、唱え続けた数だけ、待ち惚け
長い長い、人の列から落ちる
とりあえずは、笑顔で


 ....
誰かを待って

ソファにもたせかけた
首が
想/重い
口はぱかんと天を向いて

カレンダーはためく
冬の午後
窓は
開け放し

空ろに過ぎる
時の
縦横に

テレビ
 ....
髪をきりおとせ、まず
他に切れるものはないか

君のオフィスルームへと続く階段を
裸足で
そっとそっとかけのぼった
意思など無い関係性だった

欲望を羽のように飾り立て
目をきつく閉 ....
つじつまを合わせようとすればするほど
ずれるのは無理をしているから
そんな私無理をしているつもりはないのだけれど
ため息が出るのがさみしい


自分を偽ることをやめる
それが
磨硝子 ....
三日月を笑う
瞳の奥には
最果ての傷がひそむ

傷つくことをおそれて
前へ進めるのか
団地の裏の
十字路を
青やかな銀河の右旋系
空き地の{ルビ草原=くさはら}に影が伸びる夕景

 ....
夜中、子どもの歌う声で目が覚める
「ほら、きこえるでしょう」
彼も寝床から起き上がったのでそう呟く
彼はしきりに右耳に手を当てて聴こうとしている
「聴こえない」
横になったままの私は
彼の ....
良いお年を
良いお年を
と言って三日が過ぎた

年はただ
明けただけでめでたく
かたちだけでも年賀状では
皆笑顔だから
本気の諍いは
まだまだ
先の話だ

しかし
軒先には
 ....
眠っている、舟の
漕ぎだすその先の朝が、
眠っている


イメージが形になっていく、その
次の瞬間に
雲は切れ、空の裏側にはおそらく
比類なき明日が
ただ 立っている
としても、底 ....
異なる方向をもつ
いくつかの時空の瞳が
時折ふと{ルビ輻輳=ふくそう}する

その焦点に結ばれる
あのひとの像

たまゆら
その眼差しも
仕草も
声も遠く
けれどかつて触れたこ ....
朝早く
{ルビ風呂場=ふろば}にしゃがみ頭を洗っていると
電気に照らされたタイルに小さい光の{ルビ人形=ひとがた}が現れ
こちらへ手を差し出した

思わず光の手を握ると
タイルの裏側へする ....
初春のみずうみに映る景色を
刻々と塗り替えて
青かったり
赤かったりする

目一杯に膨らませた
君の頬を指先で弾けば
凍えた朝の軒先に
透き通った氷柱を見つけ

曖昧な気配の裾を払 ....
栄養不足な冬の青空
振り上げるその腕で


僕の全てを解き放つ


君の空がいつまでも

君の空にいつまでも
昨日の高い 高い空から
ハッカの香りを感じた のです。
それは 甘くなく
気道から凍るような
冷たさだけ残して
昼には そっと
消えてしまったけれど



これから何度と無くやって ....
一月の風が
凍りつく 窓を叩く
眠りに至らぬ 冷たい夜半
明日出て行く この部屋を
片付けても 片付けても
きりがない
少女の玩具は 置いてゆこう
がらくたに 埋もれた
わたしの魂よ  ....
 
私はとても小さいので
海を見れば
海でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
空を見れば
空でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
風を匂えば
風で ....
いつからか夢見ることを遠ざけたのは
それが大人になることだと教えられたからではなく

身近な現実を見つめれば
それが大人になることだったからでした



忘れ去られた銀河ステーション
 ....
蔓薔薇が石塔に深く絡まっていて
霧に浮かびあがり声をもらしている
清らかな

石塔には
老人の深遠な目でこう刻まれていた
?在る{ルビ可=べ}し?

霊園の霧は
空中に充足した空虚な ....
もう何年も前
遠い北国に{ルビ嫁=とつ}いだ姉が
新しい暮らしに疲れ{ルビ果=は}て
実家に帰っていた頃

日の射す窓辺に置かれた
白い植木鉢から緑の芽を出し
やがて赤い花を咲かせたシク ....
{引用=覚えておいて

もしもあなたが渇いた手で
誰かの明日を奪うなら
私はあなたをこの身に打ち付け
奈落の底へ逝くのだから

忘れないで

もしも誰かが狂った手で
あなたの明日を ....
最高地点からの長い直線を下り
左にカーブを揺らすと
そこに短いプラットホームがある

僕らは降り立ったんだ
星の遠めがねと使い古した星座盤
重たくでっかいカメラと赤道儀
遠くばかり見るた ....
久しぶりに三人で手を繋ぐ
いつもより寒い冬
汗をかいた小さな掌は
どことなく妻に似ていた

歳を聞けば指で
三本や五本を出していたのに
今では両手の指すべてを使わなければならない ....
冷たい言葉を背からおろした
砂浜だった、長い一日の直線だった
大切なものと、てのひらにあるものは
遠い日でも暖かい
名前を思い出すよりもはやく
風のように流れていった


ふりかえるよ ....
旅人よ
君は何処へゆくのか

その靴がすり切れるほどに
過ぎ去った悲しみの日々は背後に遠のき
名もない無人の映画館のスクリーンに
モノクロームの情景は映し出される



「ひとりの ....
何も無いところで、
赤い、ランプ 点滅

吸い込まれたのは、
埃被った 夢でした
この部屋で生まれては
捨てられた、夢の一欠けでした

窓辺で囀る雀の夢も、堕ちました
死に遅れた蝉の ....
風は思いのほか近くから来る
雨はほぼ真上から

あなたの街は遠くて
僕は想うより他に知る事が出来ない

いつか
そこに立ったとき
僕は何を感じるのだろう

暑い暑い日差しに
 ....
冷たい北風に煽られ
凍える霙に打たれても
白樫の木は黙して耐え抜く


容赦ない吹雪の最中
総てを失う事の恐ろしさに
怯えてはならない
大地深く張り巡らした根の先より
明日への滋養を ....
ほんの少し見上げる
空をとは言わない
空ではない
そんな長いこと
ここに蓋をしてるもんじゃない
たしかにそれは澄んではいるが
いずれ波打って
曇り掠れ朽ちていくもの
それを
見上げる ....
氷の風が吹く夜は
星の瞬き蒼蒼と
淡く浮かんだ
あなたの表情を
交す言葉の
間に間に見つけ
愁い喜び泣き笑い
腕を伸ばして
頬に指さす

柔肌温み
伏せた睫毛に星あかり
鼓動の ....
かの国

かの地にて

劣化ウラン弾で

破壊された

鋼の戦車の

履帯(キャタピラ)の下

ではダンゴムシが

地面に孤独な詩を書いている

と詩人は歌う

お ....
落合朱美さんのおすすめリスト(2868)
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