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お前はまちがっている
と言われたって
世の中がまちがっているのだから
正しいかもしれないだろう
けっきょく
誰にもわからないのだ
ただ、ここに居ては
いけない気がするだけ ....
灰色の町
「じゃあ、また。」で別れた後は
いつもの現実に帰ってゆく
流れる景色に消えてしまいそう
君がいないこの町は
嘘みたいに音や色が消えて
ただ君の匂いだけが残るの
心の穴が ....
ことばが流れていってしまった
ぼくのくじらは
それを追って
がばーっとのみこむ
ことはできなかった
衰えてしまって
かなしげな
目をしている
つきのくらいぶぶん
すくって
わたしが
かなしみを
わすれたころ
すくわれ
あなたには
すくう
わたしも
かなしみも
あとかたもない
むくわれない
樹皮から分泌される
石英に群がる
葉脈という葉脈
と、忽然とヒト
背骨に埋め込まれた記憶から
逃れることもできない
鉄製の門扉は赤血球に錆び
こんにちは
いつかヒトは幼い代 ....
浜にあげておいた
古い舟は
帰ってくると沖に流されてしまっていた
海を眺めると
海面を文字が跳ねていた
潜ったかと思うと
再び跳ね上がる
いつまでも跳ね続ける
不完全な単語の
文 ....
優しくなってしまいそうな時間
だれのことも恨みたくない
悲しくなってしまいそうな時間
ねえ もうゆるそうよ
口をすべらしてしまいそうな時間
なにげに告白でもしようか
重荷になってしまい ....
砂浜から間抜けた様子で眺めていました
流されないように飲まれれば良いよ
と貴方は仰いましたね
空の上から耳を打たれた人人は
履歴書を埋める作業が大好物で
細細と癖のある字で書き込みま ....
おまえの不在と
おまえのそばにおれの不在
見える世界に傷つけられて
見えない世界で痛みと自失
だから幸福なんてないんだと
だから永遠なんてないんだと
うそぶかな ....
いちょう並木のカフェに自転車で現れた
荷物をおく椅子えらんでいた
どこに座りたい?
ここに決まってるじゃない、
同棲とはまいにち会うということだ
秘密をじゆうに探すということだ
頭 ....
厚く垂れ込めた雲の上に
もうひとつ、血色に染まった鮮やかな雲が
たなびいているのを
私は知らない
知らないままに見えないままに
鍵を開けて
ただいま
散らかった部屋
私と家族で ....
愛しか数えたくないのに
私の変換は
愛でなく 哀とでて
悲しくさせるのです
人差し指が枯れるほど
押しているのにみつかりません
あなたのかいたさよならが
削除されずにそこにある
....
素肌にニッケルを重ねて
二十四時間過ごしてみろよ
アレルギー反応を起こして
素肌がかぶれたやつらには
百八人の経産婦がやさしく
ステロイド製剤を塗ってくれる
三畳一間の小部屋のなかで
ジ ....
どこからか草刈り機の音が聞こえる
生ごみをコンポストに入れる
夕方の風は涼しくて
空には五本
爪で引っ掻いたあとがある
端っこの赤いところから
ゆっくりと解け、崩れていく
なにかもっと真 ....
景色を忘れた心の
そんな電車に乗る
何かが心で
何かに流れる
この私は流れるだろう
私の 見えないものにも 色は
電車はある
電車の上を
色の上に背負って
どこにいく ....
隣のビルが見つめている
夕焼けの頃
熱い視線で
緋色の丸い目玉
上から下に舐めるように
ニヤリと笑うエントランス
時々人を喰っている
宵闇が訪れると
目玉は見えなくなり
....
光に目を凝らすと
色彩が失われ
あらゆるカタチはこわれている
ひとつの塊にしかみえなくなっている
蠢くものの姿がみえない
ほかと選別できないから言葉がうかびあがら ....
夜の散歩に出掛けた際に
無数の小さな光たちは
私を少年時代へと連れていく
できるなら、ここへ来ることは避けたかったのだが
不意に遮っていったかつての残像は
無罪の色をしていた
....
一団の土地から分筆された遊休地に
エンジンのない建設機械が放置されたまま
数十年が経ち
その間にもわたしの弟は
産まれてこなかった
だからまだ名前もないし
椅子に座ったこともな ....
べっとりと体内にこびり付いた物体
これを何と呼ぶべきか私は知らない
だがこの物体は私にとって間違いなくやっかいものだ
完全に取り去る事などはなから考えない方がいい
どうしたらいいのかもう答 ....
愛とは悲しみの離反する結晶
水の中で笑う
幾千の粒に包まれて笑う
フルートが草原に響く
遠くまでたどり着きたいと
馬の腹を蹴りながら先を急ぐ
時間は飛ぶ 鳥のように
時は翼を持ち 鳥 ....
真夜中
帰宅すると
家の前に車が停まっていた
父さんだ
と信じて
走っていくと
みじかくパッシングして
行ってしまった
あれが
父だとは思わない
もういないことは
....
服を脱げば
汗をぬぐえば
そこには
熱い風でもない湿りでもない
夏が
夏というものが現れる
幼子のころを思い出すなつ
幼子はおとなにあこがれた
おとな ....
暗闇のなか
横たわる身体
目を開くそして
閉じることの無意味さよ
何も無く
耳を通る音だけが
時間らしきものの有ることを
暗示する
今
こうやっている
トキがいい
時間は ....
下らない話題についていけなくて席を立った
夜風に当たって不満を込めた煙草を吹かした
山の向こう側 輝く星はあまりにも綺麗で
今日だけは上手く笑える そんな気がしたんだ
夜空には数えきれ ....
私はたそがれたいのだった
熱い紅茶をくちびるを湿らすように飲むと
赤い楓の葉がぼんやりと庭先に佇んでいる
胸がぐっと引き裂かれていくと
むき出しになった夕陽がじゅくじゅくとして ....
指先で蠢く明日の匂い
触れられないから
ぼんやりと
唯々ぼんやりと
眺めるしかできなくて
願ってみたり
祈ってみたり
いつかしたようなことを繰り返す
優しさで世界が溢れ ....
悲しみを悲しみで打ち消すような
私たちの想いは重なりますか
思い違いしすぎて日が暮れて
まだ間に合いますか
方向おんちはなおらずに
あなたの元へたどりつけない
ナビの応答がいつからか
....
天気の良い日だった。空はあくまで青かった。
限りない空間が存在していた、それはわたし
に手を差し伸べようと努力していた。一歩踏
み出す、その毎に、つま先から花が生まれる。
生まれた花は風に飛ば ....
白い塔の表面を
カッターナイフで削ってみると
そこから
赤い血が滲んできたので
包帯を巻いてやった
それが正しいやりかたなのかどうかは
知らない
コンビニのゴミ箱に捨てられていた ....
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