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お月様が食べられた
うさぎの餅がおいしそうだったからに違いない

お月様が食べられた
でもお日様は満腹だったに違いない

庭に咲いた風車
水を得て
風を運ぶ
霞む雲をさらって
旅を ....
六月の風
どこかにする
子どもの遊び声
落ちてくる手にあまる垂直な陽射しは、
すべての影を限りなく縮小し 見放し
あるがままの姿を投影してくれない
公園の木陰に一人ぽつねん
ベンチの女が ....
世界中の恋人たちは沈黙した片割れに大丈夫?と訊ねる
そして、世界中の野良犬たちは沈黙を嗅いでまわる。
夜中になると祖母は、お前が死ぬ夢を見たと言って僕を揺り動かすが
仕事でくたくたの僕は死んだよ ....


車は停まり
人は進む

車は停まって
足は歩いて
手はそよいで
目は泳いで
思考は羽根をつける

時計を読み流して
ショーウィンドーを見過ごして
雑踏の中で溺れかけ ....
 泣く女

泣く女は階段の下で
セーターを編んでいる
赤い毛糸と緑の毛糸で

 哀れな女

シンデレラは靴の片方をなくした
シンデレラは靴の片方を探している
シンデレラは義足の片足 ....
逃げ水の中で魚が跳ねて

アスファルトが柔らかい



太陽は無関心な発光体




空はどこまでも遠く



僕は許されている






「だけど」 ....
灰色の向こうから垂れた糸が
わたしのさらけ出した肉体をなぞってくれる
何千もの指が触れていくように
ひとつひとつわたしの感情に絡まって
蜘蛛に食べられてもいい
今はわたしなんか身動き一つ ....
右手の中指 深爪している 朝からなんだかテンション高くて
バレリーナの真似 爪先立ちで 歩いていたら 足首ひねった

無敵と無敗の遺伝子操作で できてる雲雀がピーチクパーチク
鳴けど騒げど ギ ....
仕事に疲れた重い体を 
露天風呂に、沈めていた。 

天使みたいな女の子が 
裸のまんま駆けて来て 
けっつまづいて、膝を押えて 
半べそ、かいた 

若い父さんがやって来て 
逞し ....
なんだろう
似ているきみがいたのに
ぼくはびっくりしている
もしも前世というものがあるのなら
たぶん兄妹だったのかもしれないね

線路ぎわのトタンのバラックがぼくの家でした
毎日が地震の ....
パチパチと産卵する月光が
きめの細かいモルタルを舐める
チョコレートの銀の包みを
一生懸命に剥がしている

見よう見まねで月まで来たけれど
なにも食べるものがなかった
太陽が地球の裏側に ....
無音のたかまり
雨の明るさ
仮の明るさ


とりとめもなく
ふたつに増え
やがて無くなり
やがてひとつ増え


真横をすぎる
雨の遠さ
真上に至る
 ....
 
 
窓を開けて欲しい、と男は言った
壁しかない部屋だった
窓を開けた、とわたしは嘘をついた
男は両手を広げると
嘘の窓から青空へと飛び去った
ひとり残され
部屋を丁寧に折りたたみ
 ....
夕暮れ中央道にのり込んだ
明滅するテールランプが湿度ににじんで美しい
すべての初めては心を激しく呼んでくる
生きている
くるしいし高ぶるし泣きたくて笑いたい

センテンス
台 ....
梅雨が酸っぱかったら困るけれど
梅雨が酸っぱくないのも少し寂しい
酸性雨の話は置いといて

梅雨を「つ・ゆ」と読むけれど
梅干しは「つぼし」と読まないね
酸性雨も「さんせいゆ」だったら温泉 ....
葉は揺らしちゃいけない
そうしないと

保ってはいられない




窓も閉めて
クーラーも切った

揺れてしまってはいけないから


汗でへばりついたシャツを剥がしてもいけ ....
何もない日々の
洞窟に生きる 夜を
何でもなくなって 疲れて 消えた
私の 幸せな私として
誰かの頭に 叫んでいる


私に何も思わない 私は
幸せに満ちた公園で
鳥となり 走り抜け ....
春の田んぼ
ミジンコ百万匹
夏の牧場
たい肥積み上がり
秋の終わり
もみ殻焼く匂い

そして冬
降り込められた
あなたとわたしの時の匂い

いい香りじゃないけど
嫌いじゃない
 ....
プラットフォームだった
わたしの手のひらに
砂だんご、
波にくずれて
なにも告げず抜けだした
廊下の底のあおじろい
やみの奥から
潮の鳴る音
雲のむこうで月が
満ちる ....
つみかさなる
理由なんてない
自分以外の意識と
対峙しただけ

あなたの唇は
とても卑猥だ

漏れる音
吸われる熱
食べられてしまうと
思わせるくらいに
囚われている
茶柱が立とうものならへし折ってやる
サブカルに傾倒したお前らに未来はない
哲学と就職の話題を一時にするのは止せ
今から半年後に俺だけが悲しくなるから
ウイニングイレブンの常識を持ち込めば
そ ....
真っ白だったところに
思い出はときおり順番もなく
まるで誰かの落書きのように在る
それはたしかに自分が経験したことや
自分が学んだものであるはずなのに
忘れてしまいたいことほど鮮明で
忘れ ....
障子すべて開け放った和室に
屏風の衝立

衝立は
六曲一双モネの睡蓮

昼寝時の畳からは
好んで水辺に生える青草の匂い

ひつじ草がぷくりぷくりと開く
どこか遠くの沼の気配

 ....
昼間の長さがピークに至ったので
誰も皆名残を惜しんで西の空を眺める
赤い夕焼けの感動は共有され
触発された誰かが振り返る

そんな流れに気づいて
慌てて家の窓に向かい
雨戸を開くと
空 ....
君のまじめさを
遠くから見て
ぼくは何度も
水の下書きをした

雨の展覧会
氷じゃない光
具現化できない温度
ひとを生むために
まっしろにしていたひとの
あたたかさのようなもの
 ....
どこへいくとおもう?
この空気
この風

ついてゆきたくて両腕を広げた

空は薄曇に
雲は白に

夏になったとおもう?
この気温
この汗

確かめたくて肌をさらした

生 ....
コンタクトレンズを入れる君の傍で
シンクに水を溜める音が響いている

悲しければ、と呟けばそこに
光るものが、あっただろうか
歌え、と促す君の指に 撫でられるようにして浮遊する
 ....
四つ角に生まれた風が
光になって踊っていました
六月の紺碧 空の下
オークの木のどの枝たちも みな夏に呼応して
新緑に色づく

私は、これが最後だと思うのに
あなたは、いつも明日を口にす ....
 
 
誰かのための
湿った窓がある
三本の線を反復できずに歩いて渡る
蟹たち
をわたしは避けて
自分の指の形がいつもより気になったので
どこかに忘れてきた雨傘の代わりに
古道具屋で ....
月を投げる所作で骨を嬲る

あなたよ
速度を落とし日に暮れ呼ばれ遊ぶあなたよ
春が待つようにして 白く落ちた嘆きがあるのだ
知らずして手をやる 水に揺れたのは破片であったか

 ....
橘あまねさんの自由詩おすすめリスト(1707)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かざぐるま- 相羽 柚 ...自由詩1*10-6-27
繕いの午後- 月乃助自由詩17*10-6-27
世界中の恋人たちは沈黙した片割れに大丈夫?と訊ねる- プテラノ ...自由詩2*10-6-26
信号機(歩行者専用)- nonya自由詩21*10-6-26
食傷- salco自由詩22+*10-6-26
七月の揺らぐ景色- 自由詩13*10-6-25
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パライソオレンジ- 香織Blenda自由詩3*10-6-24
湯楽の里にて_- 服部 剛自由詩3+10-6-24
同人- 紅糸自由詩310-6-23
アコースティック・エミッション- 瀬崎 虎 ...自由詩4*10-6-23
ノート(夜くぐる夜)- 木立 悟自由詩410-6-23
交差点- たもつ自由詩2510-6-23
揺れる- たちばな ...自由詩22*10-6-23
置いといたり持ってきたり- ミサイル ...自由詩310-6-23
- 自由詩2+10-6-23
魔法- 番田 自由詩310-6-23
いのちの匂い- 西天 龍自由詩6*10-6-23
蟹と洗濯機- 吉兆夢自由詩410-6-22
歯形- 自由詩210-6-22
ふんぬ- セガール ...自由詩410-6-22
めまい- ベンジャ ...自由詩5*10-6-21
六曲一双モネの睡蓮- 海里自由詩310-6-21
夏至- 伊織自由詩3*10-6-21
水の下書き- 昼寝ヒル ...自由詩410-6-21
過ぎ行くカラダ- 朧月自由詩210-6-21
冷める部屋にて- 水川史生自由詩5*10-6-20
夏の風- 月乃助自由詩17+*10-6-20
湿った窓- たもつ自由詩710-6-19
月と骨- 水川史生自由詩6*10-6-19

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