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春も夏も秋も冬も
いつからか色をうしなって
ただ繰り返していた日々
遠すぎる空のむこうで
ぼくの声もぼくの体も
いまはもう誰のものでもなくて
誰のものでもないぼくを
まぁるい月が照ら ....
ひらりくるり
かれはおちてきて
ふみつける意志もなく
ふみつける
じゃかり
ひとりで生きているようで
ほんとうはひとりで生きていない
しかしそれは
じぶんの意志とはまったくむかんけいの ....
おやすみ、あなたの黒髪にまだ青い葉をからませ
おやすみ、蔦は赤く、赤く血の色のよう
あなたの血のように赤く 私の血のように赤い
蔦を体に這わせ 木の葉の雨の降りしきるなか
そっと夢みる ....
ことしも
かきのはながさいていた
それいじょうの
けっこんしきはない
ひやかして
かぜがくちぶえ
ふいている
それいじょうの
けっこんしきはない
やがてく ....
マーブルチョコレートが飛んできた
ゆっくり螺旋状に流れるように
光を浴びてきらきら虹色をまとい
こちらに向かって飛んできた
昔、子供の頃本物のサンタの写真を見たとき
昔、校舎の窓から ....
声が重なる教室の中で
重力に負けたコンパスが 滑って手に刺さる
どうしようもない自分の静けさ
急な空洞を埋めるように 自らが流れてきて
小さなかさぶたを作る
わたしのことはもう見 ....
幾千もの電球がその家の周りを照らしていた
そのどれもが小さく弱い光を放ち
それはとても暖かく
そしてよそよそしく個々を消失させ
一つの個をなす静のようだった
緑の芝生は黄 ....
晴れた空が見守る 僕らそれぞれの物語
終りはない ただ紡がれる
柔らかい風に乗って 甘いサザンカのにおいがする
生きることは 感じ取ること
君の傷跡が燃えるとき 雨のアスファルトが泣い ....
無数の夢の中で
ひどく 疲れ
街並みを見ていた
無数の思いの中で
手にできそうな感覚
それは 真実なのだろうか
人のことなどわからない
私は 生きていく
....
ところてんかまわず
すうっと出しちゃったら気持ちが良いよ
細長いわだかまりがいっぺんにどっと出て気持ちが良いよ
つるつるにょろにょろ
つるつるにょろにょろ
のどぼとけがなって和尚さん ....
「もう秋だ」
誰に言うでもなく
ただ、ポツリ、一人呟く
風がだんだん冷たくなり
空気が澄んで空が高くなるのが
誰にも言われずにわかる
スーパーでレジ打ちのバイトをしているが
....
海よりも深い青さで恋をして
夕日よりも赤い情熱で愛した
波間を漂う流木に この身を重ねるのは
今もあなたが 愛しいからでしょうか
かもめが水面近くを飛んでいき
やがて白い月が
東の空か ....
あの娘が出て行って一人取り残された僕
スポンジケーキの星が天井にぶらさがっている
悲しみのレールを音もなくビールの泡が走る
だからといって握り締めた携帯電話には雑草が生い茂るだけで何も歌わない
....
{画像=111010205059.jpg}
【 雪花 】
あ
雪が
頬触れ
ひらひら
ひらひらと
鉛色の空から
舞い落ちる雪花
白い礫が頬をうつ
熱き恋情抱きしめて
吹 ....
旅ってなんだろう
帰るところあっての旅なんだろうけど
住んだこと無いはずなのに
慣れ親しんだ気がしてならない場所へと帰ってゆく
そんな旅路もあるような気がする
※
....
つながり続けるアールイーから
mon 16:52
「きょうはサイダーとサングリアと いろんなラムネ20錠コースです。明日やすみだからもっと盛大にいきたいところだけど、からだが重くな ....
しばらく会えませんが元気ですか
秋が深まりますね
ストーカーは退治しましたか
僕は限りなく透明に拡がって行きます
埼玉古墳群のお店であなたに勾玉を買いました
内勤にな ....
ただ 言葉がないだけで
心の中にはいくつもの思いを抱えながら
砂浜には行けないから
一人 街を歩く
人波の中で
見失ってしまいそうな
人の波の中で
いつか僕にも出会えるだろうか
....
魚影のない河川
子どもの工場見学
秋空にぎんぶち眼鏡のつがい
おとなの暗い話題
人のかたちを真似るビルと
ビルのかたちを真似る人
沈む色紙の太陽
三角座りのキリ ....
古い摩天楼の傾斜した屋根から
飛び降りようとした時
屋根の上に
傷ついて飛べなくなった
白い鳥を見つけた
微風のように柔らかい羽毛が
ところどころ血に染まっている
しだいに弱ってゆく ....
サイダー、
君が
つぶやいたらこぼれた
向こうの街が
透けてみえそうな
蒼だ
ここは
いつまでも夏だ
サイダー、
河が
うねりな ....
たいようは じごくのねつ
くもは みずのわるあがき
ひこうきのまどから
くもの げんかい がみえるの
ねつでけされたくもをよそに いきのこっているものどもの
きれいな き ....
ひかりを浴びていた
海をみていた
ひかりの中で鏡はしろかった
鏡の中で海はしろかった
だれかをおきざりにして
おきざりにされたものがいる
通りすぎてゆく
陽射しが眩しかった ....
星には
たどり着きえぬことを
受け入れたところが
はじまりであるはずの
命です、だれも
おそらく
涙をこぼすな、
とは申しませんが
絶望するような眼差しで
星を見上げることは ....
安っぽい微笑みは、もういらない。
ほんとうは自然な笑みを浮かべる
{ルビ案山子=かかし}になって突っ立っていたいものだが
この世には、隙を伺う者があり
調子に乗ってる奴があり ....
どこですか どこですか
消えかかった月を星空と探す
どこですか どこですか
消えかかった星空を月と探す
太陽の掲示板を尋ねてみても
僕は知らない と文字だけ貼ってあって
ひらひら宇 ....
雲が ぶんぶん飛んで行く
クローゼットに投げる 枕みたいに
川が びゅんびゅん流れていて
魚たちは 光のようなスピードで 海に殺到する
せわしないな
かみさまが 居眠り運転をして
....
集めるものは
二つあればいいと思い
待っていたのだが
一つとしてこなかった
神無月の午後
去ってゆくものと
去っていったものと
去りつ ....
ヨーイ ドン
校長先生のピストルで
みんな死んでしまった
スタートしたのはぼくだけ
急にグラウンドが広くなったみたい
走っても走っても
ゴールのテープが見えない
しかたがないので
....
わたしにたりないもの
てぶらでふろしきをたたむずぶといちえ
わたしにたりないもの
むさくいにほほえまないふせられたかるた
わたしにたりないもの
はきすてたことばを いつ ....
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