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柱 文字 からだ
数千年の空の筒
蜘蛛の巣の雨
冷たい青
はらいのけては肌に生え
夜明けを夜明けに呼ぶ鉛
炭の地平に羽と浪を描く
真昼の軍政
砂とささやき
....
少し曲がってしまった空間の
端から端を銀河と呼んでみて
言葉を彩る意味でも掲げれば
誰の一人も傷つくことないし
明日はいたって明日だろうし
パンダは関係なしに笹食うし
 
....
130711
微振動と微笑みながらも
注意深く
居住まいを正す
夾竹桃の花が散ると
涼しくなるのだ
祈るよう ....
ぼく生まれたい
ぼくの中の小さなぼく
はやく生まれたい
さがしても
どこにいるのか
たずねても
だれも知らない
きのうのぼくではない
きょうのぼくでもない
たぶん
あしたの ....
夕暮れどきの町なみは
どこかゆるんでいて
おだやかな顔ばかりが
すれちがってゆく
街灯が点灯し
一番星が顔を見せる頃
どこを歩いているのだろう
灯りの点いた家を探して
通り ....
八月の太陽は僕らの上に張り付いてる薄っぺらな色彩を全て弾き飛ばしてしまうだろう
この部屋に閉じこもってる。美しい言葉は波間で煌めいてるけど
砂を噛もうなんて考えはさらさら浮かばないのさ
馬鹿な少 ....
酸欠状態で喘ぐ金魚が
水面を見上げる角度で仰いだ空は
怖いほど明るい色をしていた
アイスクリームよりも呆気なく
溶けて流れ出したフレーズを
おろおろと掬い上げようとしたら
それは舗 ....
たびたびからだは貫通するが
すこしも風がとおらない
あの背中のうえではなんども裏がえった
裏がえりつづけて
すっかり風そのものになってしまった
あれは何百年まえだったかしら
たどりついた夢は
果てしない野生の花の大地を
かき乱す風の
熱をはらんだかおり
風の激しさが
花に命を満たし
揺れながら変わりゆくのは
大地の愛をはじめて知る花の表情
新しく生 ....
【みずのように】
蛇口を くぃと ひねると 水が拡散し 飛び散る
靴裏が もえる じっとしてると 背が暑い
のびをすると 山間の風は 水の匂いがして
いままで 聞いたことの ....
うしろむきに種を食べていた
あのとき
あなたがわたしを好きだとしっていたら
あんなには幸福じゃなかったろう
鏡とするような接吻ばかりした
そのむこうに
だれかはちゃんといたのに
....
鳥は飛ばない
不在だらけの世界で
決めていた
啼けと言われたら
もう
飛ばないことにしようと
鳥は決めていた
鳥は飛ばない
著作権は著作者の死後五十年を経過するまでの間、存続する。
(著作権法 第五十一条 第二項)
死んでも背負(しょ)って、あるくものだと思ったか
だれ ....
彼は幻なので
だれに気付かれることもなく
子ども料金で改札をくぐれる
彼は幻なので
人目を気にすることもなく
パンツ一丁で町角を歩ける
彼は幻なので
特に悪びれることもなく
....
いつのころからか
ある
風光
わたくしも 人間であった
そう
そうであった
鬼灯に 映る
その遠くない昔
南に安い島があったよ
熟れないマンゴーの実
渡り鳥も気づかない
それは青い人が見捨てた島だよ
きっとさよならを告げたのは波
※ココニ、オイデ、アル、ココニ、 ....
爪先で弾く夏
くちびるに影法師
背中のロンド
ラムネ壜に閉じ込めて
水の匂いのする靴音
いいえ あなたの声色
雲間に擬態する日だまり
いいえ あなたの胸元
飛び跳ねた水の中 ....
海の縞模様が 砂の城に 住んでいます。
幸いなことに 泣き方をしらないのです。
今も絶え間無く砂が この街に注がれ続け
この部屋の容積も 埋められて います。
元居た場所を け ....
つめとゆびは
20ずつあるので
ちょうどよくセットになる
わたしは
とりだせないしいくつあるかわからないので
だれともちょうどよくない
かなしい
たくさんの酸と行き交う夢がぶつかる空で
部屋のなかから仰ぐきれいな曇り空の美しさに疲れ果てた瞳を澄ませる
潤いはじめたと 嬉し泣き 子供の頃の心のなかで 初めて光る毒の味をしる
まっすぐひたすら ....
青い青い
卵のかたちをした夜の背中が
真一文字に割れて
ぼわぼわした薄明かりが溢れてきます
桔梗色の
夏の始まりの天使の鱗粉で
朝は塗られてゆくのです
「おっきくなったね ....
遠い日々の想い出は
端からゆるやかに欠け落ちて
ときめきや痛みばかりが
消え残る
懐かしい山々の稜線は
暗く沈殿していく記憶の底で
鮮やかな結晶となって
溶け残る
彼方を眺 ....
君にふらふらしているといわれたんで
白くなろうとおもい カルピス のんだけど
肌は ひやけ したまんまで
黒くなろうとおもい コーラ のんだけど
白めは もう しろくて
....
いたみ。
それがひとつ、
水たまりにうかんでる。
とろとろの月といっしょに
サンダルをひっかけて
コーヒーを買いにでたり、
すこしだけひらい ....
汽車にのって
なまぬるい水筒にぼくは口をつけた
鞄からとりだしたおむすびは少し
いびつな形にへこんでしまった
ほおばりながら見まわしてみるけれど、
このなかに ....
水底につづく階段
溶け残るつらら
午後を咬むつらら
羽のしぐさ
空のひらき方
指をのばして
そっと試して
ひとつだけだよ
裏通りの声
違う人の 同じ言 ....
まくらを抱えてすみっこへ
あざだらけの脳みそを抱きこんで
痛む歯を舌で舐めている
でもあたしは愛されている
覚えていないくらいむかし
あたしはだれかにキスされたから
歯が全部溶けて ....
果たされない約束が遠のいてゆく
博愛は封印されて
初夏の風鈴のように ときに
さやかに りん、と在るを語るでもない
ゆく道は涯てを知られず
帰り道はすでになく
芥子の花のうなだれて
....
あい色ごしに赤をみて、
まばたきごとに星が降った
あんなにとおい星どうしが
かちかちと鳴りあうのも聞こえたよ
草は草なりに濡れ
砂はひと粒ごとに熟れて
笑いあうのが世界だね
....
黄昏の街を駆けて行く影法師
眩暈にも似た既視感に
いつまでも立ち竦んでいた
きっと夜はまだ遠い
*
退屈な雨の午後
迷宮のような街を眺めていた
陰鬱な気持ちを弄ぶように
霧雨が ....
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