プレイ
大覚アキラ

カップの中の恐怖が
蒸発しきってしまうまで
西日の当たる窓辺に置いて
忘れた頃に覗いて見ることにする
ガラス越しのプリズムが
灰色の壁にいびつな虹を映す
シーツとタオルケットの隙間から
それを盗み見る
白い裸体が視界を横切るのを
ピストルの形の指で撃つ
西日の当たる窓辺に置いた
カップの中身のことは
もうすっかり忘れてしまった
そしてもう一度
完全に忘れるために
しっかりと目を閉じる


自由詩 プレイ Copyright 大覚アキラ 2007-10-31 16:53:52
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