001: ママが偶数ならパパは奇数 〜Mother Goose&Father Keith〜
ママは卵を二つ割る パパは煙草を一本吸う
ママは窓を六枚拭く パパは欠伸を三度する
ママは文句を十個言う パパは黙って五回頷く
ママはパパよりも倍だけ年をとって
パパはママの半分だけ生活する
ママはなんでも割り切って
パパはいつでも一人で余る
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002: 百鬼園とマッジギルとザザンボ 〜HyakKinGille=Za=MadgeBozan〜
百匹のオニが すむ公園に
うまれた時から 閉じ込められて
新聞紙に包まれ 寝る9歳のザザンボ
スペイン風邪で 猫のノラが死んだ日
大雨に乗じてダッチドールと一緒に
笹舟に乗って下水路から町に出た
山高帽をかぶった 阿呆な汽車の中で
借金取りの亡霊に 馬乗りで千切りにされ
笑って百一匹目の オニになったザザンボ
墓標の日本国旗に 猫のクルツがブルーを足すと
調子に乗った野次馬と記者が押し寄せ
新聞紙の上に乗せ「やすらかに眠る、享年10歳」
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003: ノヨウナ 〜like'A'like〜
犬のような男が
懲役のような仕事から帰り
泥水のようなスープのような雑炊を食べ
死海のような風呂にドナリエラのように浮き
銃のようなバールで撲殺されたような歯ブラシで磨いて虫歯に触れた時の感電したような痛みのような眠りの中で悪い夢のような走馬灯を見た
これも嘘のような日課
ぜんぶ偶然のようなもの
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004: アーントサリーとラバージョニーと冬瓜 〜AuntSally enough AFX237V.7 to Gunknife〜
チビッコのサリーおじさんは地下シェルター
に冷めた夕飯を持って
いくクリスマスソングを歌い
ながら愛する車椅子に乗ったノッポのラバージョニー
は踊る冬瓜の煮物が好物
で三日に一度は食べたがって吼える
犬は知恵の輪
に繋がれて自然数にうなされる
「おはよう」を埋めれば夜に「さよなら」の実が熟す
チビッコのサリーおじさんが褪めた火事場でナイフを使った音楽を教えた後
パノラマ島で冬瓜を育てようとして愛するラバージョニーは二度と帰ってこなかった
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