昼下がりのファミレス
奥まったテーブル席
初老の婦人が
ぽつんと一人
一人 ナポリタンの遅い昼食
ゆっくりと彼女は
飲み放題のコーヒーを
啜る
そして 静かな店内に目をやる
....
僕たちの隙間を埋めるもの
呼吸という反抗
理性という堕落
そしてしなやかな悪意
ほんのちょっとだから
俺の恋人になって下さい
歯糞ぐらいにすこしだけ
ダイヤモンドみたいにめんどうな好意で
ちょっとだけ
ほんの少しでいいから
セックスさせて下さい
カーディガン ....
真夜中
娘の背中をさすりながら
ただ一心に祈る
他に何も要らない
何も要らないから
ただこの子の咳を治して下さい
今この瞬間にも
地球上のどこかで
同じように子を抱きながら
....
今畜生と思いながらも正すひげにゃ
生い立ちを考えずともいまだって野良だにゃあ
魚なんて人間が決めた好物だわさ
本当の猫のゆめをみたいよる
ブロック塀も少なくなって歩きづらいにゃ ....
座るきみの膝に
とうめいな猫がねころんでいて
真っ赤なりんごを撫でている
僕のじっぽんの指は
オルガンの鍵盤に載せられ
ゆるやかにだまりこむ
....
{画像=120904184352.jpg}
豪華である必要は無い
けれども粗末は嫌だね
ほんの少しの手間でね
ほうらこんなにまとも
お金持ちは外で食べな
割りに ....
そのくちびるが
どんな形で動いていくのか
最後まで見届ける勇気が、ない
今にも飛び出しそうな心臓
耳をすまさなくても聞こえる
生きている証
あたしの左肩は
心地良く鉛を背負う
....
椅子の上に
左脳がひとつ置かれていた
色褪せた譜面から
いくつかの音符はこぼれ
床のうえでひょこひょこ跳ね
透き通った窓は、わたしたちと
青 ....
ラタトゥイユ
とはフランス南部プロヴァンス地方、
ニースの野菜煮込み料理である
と知ったのは、
私がずいぶん大人になってからだった
初めて小学生の頃に
ラタトゥイユ
と ....
施設より在宅がいい自由あり
愛ってたちのよい錯覚ならばそれも素敵な贈り物だね
愛にも慈悲にも権威なんて要らないんだとふと思う
愛なんてなかったという君を思い出にする僕のわがまま
彼女はいつも体と心を売り渡し ....
いつもの朝食 いつものテレビ
そして、いつもの一日
いつもの幸せ
山のあなたに辿り着き
人生全部吸い込んで
空に向かって叫んでみたら
先っぽ なぜか膨らんだ
どういう訳か膨らんだ
いつまで経っても捌け口は
見えぬ病のその先に
空に向かって叫んだら
....
いつまでたっても電信柱のようにたっています
恋は百万遍すどうりしてほかの誰かをむすんでます
それでもけっこう嬉しかったりするのですが
もうちょっといい脇役にもなりたかったりして
ギ ....
息の吸いかたも
息の吐きかたも
忘れてしまった
私は愛しき敗残兵
顔の作りかたも
その戻しかたも
忘れてしまった
夏が逝きます
今度こそ
言葉 ....
ハローワークに行ったふりをした帰りに
そうえいばキムからの着信があったなと
スリーエフの交差点で電話したら
おばさんが出て
ミキくん、ブログの作り方を教えてというので
一体あのババアが何をイ ....
{画像=120820013040.jpg}
風の音がとまった
日の光が強く押え付けてくる
ガラス窓のこちら側は醒めた水の中だ
連れ立った女学生が口をパクパク動かしている
子供を連れた ....
エベレスト枕に眠る
そらくんたちと
子供公園であそぶ
気温36.2℃
親たちは木陰に避難し
子供たちだけが
めまいのする夏のさなかの灼熱を
嬉々としてうけとめている
なつをワンダーランドに変える魔法を
いつしか使えな ....
どんなひかりになにを見つめていたのだろう
彼女をさいごこの世で彩ったひかりたちに
なんどもなんども
ありがとう言いながらぼくは震えている
髪の毛の生えていない頭にかぶってい ....
おかあさん
おかあさーん
わたしを産んだ日は
晴れていたと聞きました
満開のサクラ
初夏のような西陽のなかで
汗をかきながら
わたしを産み落としたと。
産院の名前を覚えています ....
あなたの発見を
ぼくは言葉にできる
そうやってふたりは積み重ねてきたんだ
ぼくに言葉にしてもらえなかった発見は
これからふたりで暮らす何十年のうちに
一つ一つかならず ....
夏の日の宇宙の深さ星の数
冷房費払うつもりで夏カジノ
チョコアイスとけきってまだ愛されず
夏館ネコがいっぱい出るテレビ
八月を生きるしかない黒揚羽
炎帝を飲み込みサ ....
帰り道のパン屋で
硝子越しに覗いては
ランプに照らされていた
こんがり丸い窯焼きパンを買い
紙袋に入れてもらう
今日は、給料日。
10回の高級料理と
たった1個の窯焼きパ ....
カップヌードルがのびるまで
あなたのこと考えてた
かなしいけどおなかがすくから
ズルズルと
涙がでちゃって
おなかがいっぱいなってこころがすっかすっかになって
日常はなんとなくすぎ ....
昨日とおなじものは
いらないのに
明日になったらやっぱり
おなじもの?
君はかわっても
ぼくはかわらないのかな
いくつになっても?
うん。
将来のゆめを語るひとでいたい
九十 ....
人それぞれとは言えないメダリストがあらゆる人々に感謝の気持ちを口にする 。
それは
わたしの人生が虫けらのように小さく縮こまってみえるとき 。
僕達は小さな距離のなかでひしめき合っていて
森の木のみえない生き物なのだ
下ばえのひんやりとした塊の世界で緩慢に
じぶんにつまずいてゆく愚か者なのだ
僕たちの祖先は宇宙の果てから流れ着 ....
パサパサに
なってボリューム
増した気が
するだけじゃねえ
のかスカルプケア
横、後ろ
少なくなって
きてるから
ヘルメットでも
被ってるようだ
誰 ....
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