うたた寝から目覚めた
午前五時
/熱い湯を注ぎ忘れたカップのなか/コーヒー豆と砂糖が溶けていた‥
‥僕は生きているのでしょうか
それとも
息をしているだけなのでしょうか
朝刊 ....
僕はケータイで
ニルヴァーナの
「十七歳の娘の匂いにむんむんむらむら」
を聴いていた
そうしながら
いつの間にか
旦過市場の異次元に迷い込んでいた
魚屋で一匹の
真っ赤な
鯛が
「 ....
久々に
ラブレターとか
書きました
夕が赤いぜ
月が蒼いぜ
ああどうしよう
うちの母さんの
消したい過去が父さんのこと
ああどうしよう
うちの父さんの
消したい過去が母さんのこと
恋愛に 生活に
人生につまずいたって
そう言わないで
....
あんたぁ ちょっとぉ みかけに よらない 日本一のくるくるぱぁー
ってなぁ
あほぉいうたひとがあほぉなんですぅ、あほぉ
とぎすまされたナイフのように
口元にはいつも
ふっきれたような不敵な笑み
藤木くんはそういうひとだ
二十歳すぎ
鼻と耳にピアス、眉毛なく黄金色の長髪をふりみだす姿はライオンのよう ....
分岐する世界の壁が壊れるとき、わたしはユートピアを求めてまた飛び立つだろう
良い詩が書けないから自殺がしたい
....
忘れられず脳の底に溜る
の声
の指
の頬
の髪
の癖
の仕草
の香り
の夢
無意識に象った
が消えずに
何時までも 何時までも
忘れられず ....
マヨルカ島にふきよせる地中海の青い風をすくいとる
ピアニストの手のひらは白い
葉叢を束ねる小鳥のさえずりに頬ずりをして
月光にきらめく細い爪をみつめていた
風の家にあ ....
今日はいつになく忙しい日で
不器用な自分にもくたびれ果て
痩せた野良犬の姿になって
帰りの夜道をふらついていたが
「おはよう」と「おやすみ」の
メールを毎日のように交わす
....
ストレスと
前立腺肥大のため
頻尿になっていた
一時間に5回は
トイレに行きたかった
冬に桜の咲いたある日
地下街を歩いていると
いつもの尿意を感じ
感じるとともに
すでに我慢で ....
溺れかけたのですか
ありもしない愛
などと/暗く
底のないつぶやきを
ぶくぶくと、泡と海藻だけが纏わりついて
よく見れば
そこに近づいてきたのは海蛇で
あなたは必死に藻掻 ....
あなたを、きみを、好きな甘ったれで、弱くて、かわいいわたし。
大好きなきみを。
きづつけていきてゴメンね。
さゃなら。
ピンクサロンで大祓
フリーでハズレの遊行女婦が付いて
....
さようならは
あまりにもありふれて
どこそこにも行われております
今の時にも
今の風にも
一瞬の星の光りも変われば
さようなら
特別な想いも
流れるような君への想いもまた
....
今ここで
しんでも別に
いいけれど
明日も生きれと
あなたはゆった
デイサービスの送迎車で
君のお父さんを迎えに行き
玄関のドアを開く
お父さんに続いて君が
猫を抱きながら、顔を出した。
「 これ、うちの美人猫 」
お父さんの伸ばし ....
明日はきっと晴れるよね
そう願わずにはいられなくて
ふと手を休め振り返る
自由気ままに暮らしてきた日々
愚痴っぽくなってみたり
ときには人恋しいくせして無口になってみたり
....
月の写った
水をすくう
手のひらの上で ゆるゆる揺れて
やがて消えていく
あなたとの思い出みたいに
暑さの足りない 砂漠みたいに
足のない 水母み ....
言葉を
見つけた
探していた
ジグソーパズルの
最後の1ピースのような
言葉を
言葉を
見つけた
欠けていた
色えんぴつの
代わりの1本のような
言葉を
そっと
近づいて
陽だまりと一緒 ....
素面(しらふ)で詩なんぞ書けるものかね
と赭ら顔の詩人は言った。
カウンターの隣で飲んでいた俺は
思わずバーボンを吹き出した。
そうだよ っと詩人は手が震えていて
表紙の擦り切れ ....
砂と瓦礫の上、子供たちが石のような目をしてそれを投げ合うとき
わたしはぼんやりと胃凭れ気味な朝を迎えます。
やわらかくなめらかな肌にすりつぶして、塩コショウとマヨネーズをかけてそれを食します ....
スプレー
期待してなかったさって 言い訳みたいに唱えるのは
いざ期待が外れても 気持ちが楽で済むから
隠した悲しみの分だけ 強くなったと勘違いした
いつからか 何もかも隠すようになった
....
君の機嫌が良いとき
靴下を買ってきたとき
仕事帰り
今日も駅の中の靴下屋で、カラフルな靴下を、一万円分買ってきた
押入れの中には、君の靴下がいっぱい詰まった箱が2箱ある
「わたし ....
お前のハートの鍵をくれ
....
いじめられたら逃げればいい
自分の好きなところに逃げればいい
いじめられっこだったわたしが
いつも逃げてた場所は図書室
「いじめられてもがんばろう」
と、思える本に出会えたとき
....
小鳥の鳴き声がする
見上げれば二羽の鶺鴒が飛んできて
曇り空に
僕は 桜の枝の葉を柿の木と見間違えた 。
こうして河原をひとり歩いていると
マイケル
きみのうたが胸にしみ ....
祈り捧げる
オリオンの夜に
わたしはあなたの首輪となりましょう
締め付けて
もっときつく
わたしの憂欝は
すでに蛇のようにわたしに絡まり
両手を合わせるのさえ
まるで機 ....
晴れ渡った空の青が濃いのは季節の分かれ目だから
あたしは出かけなければならなかった
剥離は目撃しなければいけないのに
お父さんは寝転がってゴルフばかり見ているし
9月さいごの日曜日だからと言っ ....
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