濁りのない
青と薄い白雲
朝だよ
あなたへ
かなしいこと
和らげてあげたい
この景色を贈ります
あなたへ
生きているから
感じる朝だよ
やわいお月様なら
あたしの気持ちわかるよね
言いたくない言葉なんて
言わなくてもわかってね
昼間のあたしいやになって
朝のあたしはわすれた
夜のあたしはいてもいいの?
お月様 こたえ ....
五感がはたらく
浅い水溜りと分厚い雲の間で
体に纏わりつく
甘い匂いと濡れた風の中で
紫陽花を手折る
カタツムリを殺す
隠された傘の中で
....
最後まで ありえなかった 性交も 初恋に似る 28の碑
目の前で
人が血を流すのを見ると
自らの肉体が滅びる
と感じるくせに
ブラウン管の向こうに
押し込められた命の破片を
せんべいを食べながら
眺めることが出来る僕
死ぬか ....
入浴(4)
今日も黙っていたのに
妻は頭と体を洗ってくれた
心の中で歌を歌った
愛の歌を
妻は看護婦をしている
月に40万円以上も儲ける
僕は10万の収入
僕たちはとっても仲 ....
{引用=1986年版}
背骨が痛い
背骨が痛い、背骨がイタイ、セボネがイタイ
コシボネがイタイ
{ルビYou=腰} {ルビtoo=痛}?
犬にも生理痛があるかしら
尾を立てて嗅ぎ回 ....
手さえ握られたことないのに
あれは高校二年生の今頃だったか
「あの子ってやりまんらしいよ」
そんなあらぬ噂を言いふらされたことがある
誰かしら噂になっているなと感づいていたけど
まさ ....
幻
潮風が運んできた
君の幻
もう振り向かない
そう決めた僕だったが
君も背中しか見せようとしない
熱い砂地は
思い出を焦がし
人魚になろうとしている
君がいる
僕は産まれるまえからエロ事師だった 。
その名はクレマシス 。
いまでも覚えている。
テレビの踊り子をじっと見てたとき、思わず口から 「カタクなったぁ!」 と ウィンナーのようなオチ ....
君と口づけを交わすことはもうない
さよならを言うこともできない
夜からは逃げられない
街に降り注ぐ 煙草の吸いガラの雨からも
見上げて立ち止まる人の 夢を汚す
雨からは逃げられない
傘を差してすれ違うときの 憂うつなドラマからも
なぐさめにもな ....
けっこんできなければ
わかれなければならない
それはだれから
おしえてもらうことなのだろう
彼女から?
彼女の友人から?
おれの妻から?
おれのこどもからか? ....
からすは海をわたる新開地で暮らしています
近くに海があっても泳げません
桟橋があっても泳げません
魚は暮らせても泳げません
浮き輪をつけても泳げません
水着にな ....
宇宙はぼくらを試すことがない
あらゆる事象は試練などではない
この愛をつづかせようとすることに
なにかひとつ肯定的なものさえあれば
たとえばそう
風わたる空に揺れる
....
ひみつにしたい約束を
空に隠そう
星と星の間にあずけてゆく
どうしたの ってきかない
あなたの後ろ
黙って歩いて ふふ と笑う
増えるひみつの数だけ
ウタガイをもつものと
決め ....
他人の同情を引く
そんなゆとりがあるのなら
もう大丈夫
輝いてる月の価値
消えそうに潤む月の価値観
僕は潤む月を見ながら自分を重ねていくのだ
儚くも消え行く身と思うならば
いっそ輝いて消えるのか
いつの間にか消えているのかは
今 月 ....
あんたはカスカス
うちはスカスカ
ふたりそろおて、ほな、さいなら
言葉の尿を浴び 割れ目の瞳をこく線
飛び上がりたがるぜ 勘だけ舌の雨
わかるな わからない わかるな わからない
振り乱せ髪 ぴぽぱぽ
衣文掛けがゆらゆら育つ
まわる かまう わか ....
すごく大切で
だけど近づけない
だから大事なもの
いつも手の中にあるわけじゃない
だから大事なもの
考えて色々やってみる
だけど見返りなど全くない
寂しい
....
あんなことこんなこととかあったねと笑いたいけどまだ無理かもね
つい先日わかったことだ板チョコは二人で分けたほうがおいしい
日曜はカレーの日って決まってて玉ねぎ相手に痛み分け ....
優しさの詰まった袋があったら
ひとつでいいから分けてほしい
哀しみの詰まった袋があったら
僕の哀しみも入れてほしい
沢山の傷と
少しだけの笑顔
僕の人生の袋には
何が詰まって ....
それが一日で終わるなら
(一年に忘れ)
一年をともにするなら
(十年は思い出すだろう)
*
捨てたのですね
思い出を
あした詩人が
なん ....
日々の生活に伴うさまざまな枷
精神的労苦から逃れるために
うたをよみ酒を飲む
ずっと ずっと ずっと こうして
暮らしてゆきたくなんて無いけど
互いの鎖を共有しようなんて人には言 ....
ふたりで眠り込んだベッドの窓辺には
二週間まえ満月と金星がいてくれた
急斜面に生えた常緑樹たちの縁どりが
この五年かんおまえに微笑んでくれていたんだね
みどりになりたいよ
....
ハスの花は
決して幸せではありえない
どれ程の穢れと
どれ程の辱と
どれ程の悔しさの中で
生きながらえて
どれ程 他人が怨めしいことか
凍った心は石化して
永遠に解けることはない
死 ....
無精卵の内側から
殻を破ろうとする
判読不能な文字たち
その音だけが
暗く冷たい鶏舎に響く
昨日とは上空の風向きが違うのか
朝から火山灰が
あたり一面に降り積もっている
....
おまえは強くなりたいって言った
強くなったって言った
それにぼくは反発した
宗教のボスなんて
信じていないぼくなんかにしてみれば
なんの実績もない経営コンサルタントに ....
オムニバスの森で
どんぐりを叩き割ろうとしていた 。
少年は陽が沈めば死ななければならない運命だった 。
あきらめかけた少年に
運命のひとつが味方をして
もう少し少年を苦し ....
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