090820






再導入された
資本主義と
評価を得たが
貧乏暮らしが
良くなるわけではなくて
お金持ちが再評価されて
資本の形成が促 ....
子宮にピストルを撃つ爆弾撤去
産みたくないなら爆弾だ



子宮なら母体は助かるだろう
私は生きたい



愛の無い 愛の無い ああ 愛の無い



「保体で習ったろ?」  ....
夕暮れになるといつも 
彼は施設の外に出て 
離れた更衣室の入口に 
ランプをつける 

施設の外の暗がりに
一日の仕事を終えて 
疲れて戻って来る人を 
(おつかれさま)と 
迎え ....
転がり滑り落ちる悲しみ空蝉
耳鳴りが音階と為って脳を支配する

狭い部屋に鍵を掛けて
目蓋を閉ざす深夜に
飛び交う金色の鱗粉
睫に落ちて悪夢を垂らす
苦い蜜を掬って

 ....
{引用=おまえ
なまえなんていうんだ?

わんわんしかこたえられないんなら
いぬっころでいいか?

べつにばかにしているわけじゃないんだ
ポチとかじゃありふれてるから
いがいせいをねら ....
大きめなバッグにぶら下げた薄桃色のバッジが揺れている
ちょっと誇らしそうで
それでいてたわいもない気恥ずかしさも感じられ

膨らみかげんにチェックをいれてしまう

どれくらいのひとが知って ....
電気を消した暗い部屋で 
月明かりの射す窓に向かって 
扇風機よ 
お前はやけに 
凛とまっすぐ立ってるなぁ 

夜風にふくらむカーテンと 
何かを話しているようだ 
                090710


幸福と叫んだら
幸福になった
そうだ
幸福だ
福だ!
福だ!
幸せを忘れた狸の群れが
子狸を探して旅に出る
物語はそのようにして ....
どうやら苦手なものに好かれてしまうらしい

人前で話すのはいつまでたっても苦手なままなのに
旧友の結婚式でスピーチを頼まれてみたり
不得手解消と中途半端な意気込みで卒業した英文科の呪いなのか
 ....
                    090628





怖い光景が続く
乾涸らびた海の底からは
毎日二三個の死体が上がる
魚が居なくなったので
コンクリートに詰めて捨てるの ....
5歳の僕は風の中にいた。
底の町から吹く風は暖かかったが、
上の町から吹く風は冷たかった。

底の町から吹く風を顔面に受け止めて
膨らんでゆくと
僕は虫になって舞い上がった。

谷の反 ....
苦手ってわけじゃないんだけど
それでもやっぱし
う〜ん
苦手ってことなのかな


毎年この時期に行われるんだよね
以前は建物の裏口に横付けされた検診車のなかで行われていたんだけど
この ....
四十をとうに過ぎてから
韓国語を習い始めた

英語を学んでみても挫折した私が
日本語と少し似ているせいで
韓国語ならできそうな気がしたから

教えてくださる先生は
日本の男性と結 ....
北極星が動かないのは
何故だろうかと考えている頃
地球は静かに回転している

北極星が動かないのは
地軸の延長上にあるからだと気づいた頃
地球はやはり静かに回転している

動いて見える ....
私とはひとつ違いだった
先生の評判を聞きつけて遠方から通ってくる
いわばミーハーな生徒さん同士

どちらからともなく話しかけると
すぐに古くからの友だちみたいに親しくなって
いわゆる「気の ....
               090529


雨が降る日は天気が悪い
悪いはずだよ
天井がないぜ
傘を差しても間に合わない
大雨で
雨が漏るのはお大尽
屋根がないのが
我が国の
 ....
雨の匂いがする
埃っぽい陽射しの名残りを弔って
闇に隠れ
秘密裏に行われる洗礼は
いつしか
もっと内側まで注がれるはず、
そんなことを
どこか信じている
陰音階の音だけ降らせ
目に見 ....
                 090517


お茶碗を落っことす
がちゃんという音
鋭い破片が飛び散って
皮膚を破り
鮮血を散らす
のはずだったのに
を期待で ....
認めなきゃ
じぶんより志しの低いひとに
誹謗中傷されようと
認めなきゃ
ぼくはその毒にやられてしまう
夜も寝れない口惜しい気持ち
そんなものを認めていても
ぼくはその毒にやられてしまうだ ....
 
 
月工場で
おじさんたちが
月を作っている
その日の形にあわせて
金属の板をくりぬき
乾いた布で
丁寧に磨いていく

月ができあがると
ロープでゆっくり引き上げる
くりぬ ....
爪を立てないようお気に入りのレギンスを下ろしながら
一瞬の冷たさに身震いなんかして

いまどき珍しいよね
ウォシュレット付いていないなんてさ

ちろちろと可愛い音させるのも粋よねとは思いつ ....
出会うとは

一瞬のことのようで

奇跡のことのようで

もっともつれたもののようで

すぐに風化してしまいそうで

さくらが銀河のようだ

あちこちにピンクの小宇宙

こ ....
晴れて
水平線のまるみが遠い
海岸通りに迫る波は
テトラポッドに砕かれて
泡ばかりたてている
その水は
まだ冷たかろ
けれど青、
翡翠いろならば
思わず爪先で冒したくなる
散らばっ ....
ゆうと、ひさしぶり。元気にしていますか? 恋人はできましたか? まだあのアパートに住んでいるってことは結婚はしてないんだよね。
 
あたしがゆうとを手ひどく裏切って別れてから、もう十年がたちました ....
               090318


このこここにとつぐといわれて
ときのたつのがやけにはやくかんじられ
ふたつへんじでひきうけてしまった

3分間スピーチは
2分ぐらい ....
よっこらしょ

そんなことばが口癖となった
ひとしきり身の回りの片づけを終えると
臨月の大きなお腹を抱え物干し台兼用のテラスへ這い登る

白いペンキを塗り重ねた木製のデッキチェアに身を委ね ....
欠けた皿や茶碗を
もったいないから、とそのまま使う
いっそまっぷたつに割れてしまえば
いや、こなみじんになってしまえば諦めもつくのだが
普段使いには支障ないから、と、貧乏性
 
荒れた生活 ....
美しさは
人見知りするのだろうか
いつもつつましい
声をかけられるまで
犬小屋でかくれんぼしている

驚きは
宇宙人なのだろうか
いつも未知との遭遇で
出会ったと思えば
突然消えて ....
沈丁花の、
高音域の匂いがした

夜半から降り出した雨に
気づくものはなく
ひたひたと地面に染み
羊水となって桜を産む

  きっと
  そこには寂しい幽霊がいる

咲いてしまっ ....
 
たかのり君
と呼んでしまった
生姜焼き定食のことを

もちろん
たかのり君が
生姜焼き定食であるはずはなく
けれども
一度そう呼んでしまえば
そのようにも思えてきて
こんがり ....
森の猫さんのおすすめリスト(2657)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
イデアの影- あおば自由詩10*09-8-20
色男よ、こめかみを撃て- 山内緋呂 ...俳句609-7-27
夜の明かり_- 服部 剛自由詩309-7-23
自殺願望- AKiHiCo自由詩309-7-17
「いぬっころ」- ベンジャ ...自由詩8*09-7-16
さするひと- 恋月 ぴ ...自由詩16*09-7-13
扇風機_- 服部 剛自由詩509-7-11
幸福島の話- あおば自由詩3*09-7-10
好かれるひと- 恋月 ぴ ...自由詩30*09-7-7
コンクリート詰めの死体- あおば自由詩3*09-6-28
そこの町- ……とあ ...自由詩13*09-6-24
モモなひと- 恋月 ぴ ...自由詩24*09-6-8
人と出会うまでの距離- さち自由詩609-6-8
「北極星は動かないというおはなし」- ベンジャ ...自由詩6*09-6-2
夢しゃしん- 恋月 ぴ ...自由詩20*09-6-1
- あおば自由詩2*09-5-29
雨音- 銀猫自由詩23*09-5-28
ココナツミルク- あおば自由詩9*09-5-19
認めなきゃ- 吉岡ペペ ...自由詩1309-5-14
月工場- たもつ自由詩3809-4-7
ですなひと- 恋月 ぴ ...自由詩17*09-4-7
出会うとは- 吉岡ペペ ...自由詩609-4-7
無情の浜辺- 銀猫自由詩9*09-3-27
初恋の人からの手紙- 白糸雅樹自由詩1*09-3-20
盲目の象- あおば自由詩7*09-3-19
潮騒のひと- 恋月 ぴ ...自由詩30*09-3-17
家出したくなる時- 白糸雅樹自由詩4*09-3-17
祈り- 乱太郎自由詩22*09-3-10
さびしい幽霊- 銀猫自由詩24*09-3-5
とおい水- 小川 葉自由詩15+*09-3-3

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