口約束で
作り上げられた 甘さは
おたがいに溺れるような
沈んでいくような
そんなすばらしい沼

底なしの許容だけがあり
腐り落ちた水菓子は叱られることもなく
じわり果汁を滴らせている ....
きみの夢は軽いけれどもきみは重い
人間ひとりってたいそうな荷物だ

きみを背負うには僕がかぎりなくかるくなければならない

すべてのものをかかえて吊り橋は容易には渡れないものだろう

僕 ....
{引用=お隣りさんから伸びている皐月の枝に腹を立てて
お父さん、チェーンソーで切ったのよ
根元から


母の愚痴のほぼ全ては父のことで占められているから
電話はいつも父への悪口で終わるの ....
戸棚の奥からでてきた何のものだかわからない古いリモコン
我が家ではときどきあるのだこういうことが
ためしにあちこち押してみる

わずかな振動が空気を震わせて
とつぜん世界が半壊
するわ ....
そんな気持ちになったので
センベロしてみた
千円でベロベロになるほど飲ませてくれる店が下町にあるらしい

「たきおかとカドクラ、ハシゴするけど来る?」
とツレに聞いたら
空腹を我慢でき ....
おはよう



僕のベットの隣に君がいる
肉と皮を蒸発させた君がいる
地上に置いていった骨だけの君がいる

ろうそくの炎が揺らめいている
数本の線香のか細い煙が揺らめいている
僕の ....
君の右側がどんどん物化してゆく

歩くこともままならない
食事することもままならない
まして字を書くことはままならない。
自分の署名すら出来ない。
君は苛々する。

もうだめかも知れな ....
パンが食べたい


結婚して子供をもうけたが
三十過ぎに発覚した病が原因で離婚
その後は親もとで闘病生活の女性を担当している
駅前のマクドナルドで聞いた
きみの近況

脳下垂体の異常 ....
嫌い、っていうと
とうめいなこざかなが
わらわら 集まって
そこに
かすかな波を生じる

なんだろうこんな不安は

好き、っていうと
ちいさなひなげしが
いっせいに帆を上げて
あ ....
心と身体が離れている
その隙間に不安が滑り込む

いちいち手足に呼びかけないと
動作しない人間型ロボットみたいで

いろんなものを詰め込んだ
底の抜けた南京袋

唇から直腸まで
排 ....
××市役所からお知らせです。 本日職員を名乗る者から還付金があるので口座番号を教えてくださいなどと言う電話が市内にかかって来ています。もしそういう電話がかかって来たなら、くれぐれも注意するようにし .... さみしくて不安で通話した後に閉じた瞼の裏の残像

死にたいともう思わないそれなのにどうしようもない悲しみがある

もう今は語るほかない悲しみを語ることすら悲しみになる

不安とか死にたいだ ....
【 流石の沢蟹】


沢蟹は、歩く
沢を 歩く
さわさわとした沢を歩く

沢蟹も 花見をする
タンポポの花が 咲いている
その花弁を
器用に 切り取り
 ....
なにもないよりは少し傷つくほうが生きている気がしたりするのかな 僕の歩速はアンダンテ
歩幅はきみを抱きしめるときの喜び

世界はストーンサークル
星の影を測る物差し

僕の耳はユーフォニューム
B♭で風の音を聴く貝殻

きみは狂った時計が時を刻む ....
雨上がりだから
道がぬかるんでいるだろう
長靴を履いて外に出た
商店街を歩いていると
なんだかクスクス
視線が痛い
美容室のガラスに映してみると
長靴をはいた猫
これは一体
どういう ....
明日も
私をきらいな人が
たくさんいてほしいと願う夜
あなたの詩には
共感なんてできないし
空行で破裂する
思わせぶりな言葉なんて
雑すぎて
丁寧すぎて
何も生まれないし何も死なない ....
何処かに眠っている昨日
さとうきびから生成される明日

個人的に厳しい毎日
会社的に使いやすい存在

安定した自分という誤解
信頼できる友という希望

愛という夢想
性という分離
 ....
硬質なおんなと軟弱なおとこ
大切なものと捨てなければ進めない足枷

サボテンのようにわずかな水分で生きて行く
だれもじぶんを交換できないので
大好きなシャツの袖に腕を通す

生きる意欲は ....
こまかくなったからだに紐をつけてつめたい夜へ引きずります
もうすこし(もうすこし)ときこえる 声も引きずって
耳だったところ、爪だったところ、肝臓だったところ
ところどころにみえている
肌 ....
かつて激しくなにかになりたいと
想ったことがあっただろうか

自分以外のだれかになりたいとはいくども考えたが
それはクラスの席替え程度の安易な願望にすぎなかった

ラモーンズのコピー親父バ ....
一人前 たまご三個は使いたい
これは食べ盛り男子向きなのだ
たまごを割ってボウルに入れ
醤油をたっぷり入れる
過ぎない程度に良く混ぜる
どんぶり飯に乗せて食べるのだから
しょっぱいくらいが ....
母はおもての植物に水をやりにいくのだろう。

母の背中について歩くようなかたちになってぼくは新聞を取りにいった。

ちいさい灰色の母の背中。

ぼくはこの背中から生まれたのだ。

そん ....
昼過ぎに起きて洗濯物を廻す
ベランダに出てみればまるで春みたいにいい天気じゃないか
家にいるのはもったいない

ネットで息子の耳鼻科を検索する
下敷きを無くしたらしいから買いに行ってやらなけ ....
妖怪ウオッチ、ウォッチ?なるものが流行っているのでまあそんな話。
グラミー賞4冠も獲った方が、苦しい体験が僕にいい曲を書かせるんだ、って言ってたからまあそんな話。

久しぶり。
東京。
ネッ ....
子供たちと久しぶりに会うことになった。

金髪を見たらなんと言うだろうか。言わないほうがおかしい。

洗濯されたものだけを身につけた。

出かけるまえ父がじろっとぼくを見た。

晩ごは ....
18歳のリーダー格の少年の
45歳の係長格の父親が
32歳の名前売りたい格の弁護士格の人間を通じて
当たり障りのない格のコメントを発表した

以下コメント

この度は
私の長男格の息子 ....
会社を辞めたのは転勤の話が出たからだった。

もともと地元採用だったのだがぼくの仕事ぶりが無残で本社で無期限の研修を言い渡されたのだった。

たしかに会社には迷惑をかけていた。

でも妻と ....
夢中で追いかける姿が かわいくて

手を振って スピードを上げてしまう

いつのまにか 意地悪をしている 自分がいる

初恋の相手に 意地悪をした記憶がよみがえる

意地悪でしか 愛情 ....
泣き虫で
逃げてばかりでもいい
抜け出せなくても
眠れる日は必ず来る
のらりくらりか、突然か

吐き出せない思いは
ひっそりと胸の中
触れないようにしまいこんで
減らない思い達は
 ....
森の猫さんのおすすめリスト(2657)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
腐った林檎は誰も拾わない- 這 いず ...自由詩815-9-5
半魚人の夜- 梅昆布茶自由詩1615-8-22
チェーンソー- そらの珊 ...自由詩15*15-6-24
リモートコントロール- 梅昆布茶自由詩2015-6-17
センベロ- 鵜飼千代 ...自由詩22+*15-6-15
平成27年5月13日早朝- ……とあ ...自由詩16*15-5-25
物化- ……とあ ...自由詩16*15-5-14
食べる_二編- 乾 加津 ...自由詩22*15-5-14
不完全な、けれど唯一の- umineko自由詩13*15-5-1
地図- 梅昆布茶自由詩1215-4-22
狙われた街- アラガイ ...散文(批評 ...3*15-4-20
ゴミ1- メンヘラ ...短歌115-4-19
流石の沢蟹- るるりら携帯写真+ ...21*15-4-13
なにもないよりは少し傷つくほうが生きている気がしたりするのか ...- 北大路京 ...自由詩915-4-9
アンダンテ- 梅昆布茶自由詩15*15-4-2
長靴をはいて猫- やまうち ...自由詩4*15-4-1
あなたの詩がきらいです- 左屋百色自由詩1815-3-28
和解- 梅昆布茶自由詩1015-3-27
サボテン- 梅昆布茶自由詩1015-3-20
つめたい夜へ- はるな自由詩415-3-10
夜が零れる- 梅昆布茶自由詩15*15-3-4
親父とわたしと息子- ただのみ ...自由詩25*15-3-4
最終回ジグソーみそ汁- 吉岡ペペ ...自由詩415-3-4
春の小旅行- 馬野ミキ自由詩7*15-3-2
過去はただそこにあるだけのことか、書くか。- 山内緋呂 ...散文(批評 ...815-3-1
4ジグソーみそ汁- 吉岡ペペ ...自由詩615-2-28
18歳のリーダー格の少年- 花形新次自由詩115-2-28
3ジグソーみそ汁- 吉岡ペペ ...自由詩515-2-28
猫じゃらし- 佐白光自由詩4*15-2-28
泣き虫- 小日向 ...自由詩215-2-26

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