Y
あなたは樹木
草原に立ち
両手を広げ
Y
あなたはグラス
降り注ぐ声を
すべて
受け止め
Y
あなたは交差点
別々の人生が
いつしか
ひとつに
Y
ひら ....
青い夕方町ぜんたいが霞んでいる
ひとの群れいくつかが近づきながら歩いている
ぼくらはコンビニの袋を揺らしている
ぬるくて冷たい風が髪をなぶっている
スーツの下で素肌が舐められて ....
丑二ツ
闇底の寝屋
戸板の合わせ目の
線なす月影に蒼く透け
枕辺にうずくまるおんな
痩せさらばえ
ざんばらと髷ほどけ
何処から入り来たやら
長い鉤爪震わせて
寝入る頭骨に額つけ
中 ....
死神を副業にする桜守
満開の冷えた桜に沈む船
堕天使も枝垂れ桜で白くなり
漆黒の翼の痕に桜KISS
JOKERが姿を消して花吹雪
夜桜の影で小悪魔服 ....
なああんた。
私を舐めてるだろう。
なんで舐めてるんだ。
怒ってない。
ただ知りたい。
私のどこがきにくわない。
あんたのどこにひっかかった。
私はあんたが知りたいんだ ....
私のDNAの塩基配列に
「ケ・セラ・セラ」という
遺伝子情報が組み込まれている
膨大な螺旋構造の宇宙には
母から降ってきた星屑が潜んでいる
突然の父の入院で
しばらくぶりに会った母 ....
ものに名をつけるのは ひとの営み
ときに名をつけるのは ひとの奢り
ことに名をつけるのは ひとの悲しみ
あなたを写した線や形や色を見つめる
あなたの記憶とぶつかりながら
あなたの名を叫びながら白濁を飛ばす
名を叫んでしまうと
こころたちはまた
苦しんでしまうのではないか ....
病院のベッドに三日間泊まった
聖なる牢獄に三日間も居たんだぜ
すごいことさ
可愛い看護師さんは小首を傾げて言った
何処に居たってあなたの生きる不安は同じでしょ
そう彼女はとても魅力的でセ ....
{画像=120407235731.jpg}
その一本の桜の木は
古い民家の門扉の横にあって
左右に大きな枝を広げていた
ごつごつとして人を寄せ付けず
大地の力を漲らせ
雨風にそ ....
桜よ月よ
僕は孤独だ
桜よ月よ
おまえの前で
素直になれない僕だから
桜よ月よ
誰かと眺めないでくれ
感情は揺れ動きもしないのに
桜よ月よ
おまえの前だけ
僕は素直なのかも知れない ....
死にたての顔は
愛する人にだけ
見せたいと思う
それは最後の贈り物
だから
病院ではなく
家がいい
生まれたての顔だって
昔は
家で見られたのに
ほかほかの湯気をたてた ....
冷たく尖った風とか
蛍光灯みたいにぎらついて凍る日差しとかが
自分をいじめているみたいに感じるのは
あたしもうぢき駄目になる
あたしどんどん老いてゆく
あたしどんどん朽ちてゆく、と思い込 ....
桜が降ってくる
雪が降ってくるように
その時
人は
空を見上げずには
いられない
人は
命の終わりに
気づかないふりなど
出来はしないから
空から降ってくる
ひらひらと
....
{画像=120404231231.jpg }
やっとこ咲いた
桜の前で
人々は
デジカメやケータイの
シャッターを切るのに忙しい
かくして
ひとひらに宿る
いのちの姿は
小さなSDカ ....
さくら散る幻か
わっと降らせよ
さくらの花びら
水いろの影
灰色の青空
もも色の風
さくら散る幻か
わっと降らせよ
さくらの花びら
街道を犬ころになってさ迷いゆく
ぼくはひと懐こ ....
コンパス: 全ての円は固有の中心を持つからちょっとこまるのだなあ
分度器: クリスマスケーキもピザみたいに切れてるとうちは揉めない
クリップ: 今流行りのメッセージクリップ 絵文字は ....
お稲荷さんを歩いてたら
耳の千切れた猫が一匹
やぁやぁ久しぶりおやつをちょうだいなと
お前と会うのは初めてなんだがなぁと
仕方がないからリュックを下に降ろして
開けようとする ....
{画像=120330035310.jpg}
夢が骨折する街で
そこは夢が白く枯れて行く場所
夢は乾燥して白くなっていく
夢はポキポキ鳴りながら乾燥して行く
夢は乾燥す ....
僕のなかには日常とは違った時間が流れている
それを詩の時間とでも名付けようか
遠いところからやってきた亡くした妹の様に
僕の本当の名前をささやいてくれるもの
日常がすべて散文的だとは限らな ....
僕は仕事を変えた
稼ぐ為に
僕は結婚する為に
働きまくった。
寒い朝
彼女は出て行った。
何の為に生きてきたのか
わからなくなった。
酒を飲んだ
不味かった。
タバコを吸っ ....
髪を染めて
ビートルズみたいだね
から
ジョンレノンみたいだね
と言われ
俺が生まれる9年前に
銃殺された彼を
知るはずもないこと
を忘れた
つまり
ジョンレノンは今もここにいる
....
今さらその年で自立もないのではあるが
おやじなりに家族やら仕事やら北政所のご機嫌をとったりの
相互依存の日々を懐かしくおもいだすのであった
自立する以前にまず家族からほっぽり出されて ....
名前を呼ぶくらいじゃダメだ
名前を唱えるくらいじゃなきゃダメだ
そうすれば忘れない
記憶だけがふたりの
帰れる場所になるのだろうから
ぼくがまもっているから
ぼ ....
君と手をつなぎたくて
君と手をつなげなくて
ポケットにいれてたんだ
僕の手冷えないように
なのにどんどん手は冷えて
だれの心も邪魔になって
最後に残った僕の心も凍らせたんだ
そん ....
こと切れる最期の瞬間まで
彼はひとりの少年だった
とっつきにくさは彼の持ち味だったし
時代を憂いても
希望を捨て去ることはなかった
※
そんな彼との接点
あったのかな
....
もう消灯の時間だ
ぼくは個室だけれど消灯は絶対だった
暇だから携帯で詩のサイトばかりのぞいていた
自由だった
あの頃もそうだったか
ぼくは中学生のとき病室に住んでいた
がらんとした冷たい部 ....
傷つけるのが怖くて
傷つけられるのが怖くて
人を信じられなくて
信じたくなくて
そんなこと言っても
結局一番可愛いのは自分
守りたいのは自分ひとり
この国を変えます
....
僕たちは有限な生を生きるのだけれども
異なった価値観の人生をそれぞれの主観で生きるしか無いのです
だから自分で思い込んでる真実なんてたいしたものじやないのですね
僕は人に無駄と指摘されながらも
....
はぐれてしまった宇宙飛行士は
地球を見つめながら死んでゆくのだろうか
ぼくは誰とはぐれてしまったのだろう
かなたに何を見つめながら死んでゆくのだろう
下唇をすこし噛んだら
....
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