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  あおい瓶が 枯葉の水を噛んで
  斜めにさしていく光が さがしている
  あなたの瞳は 樅木の陰にいて
  微笑っている 葡萄のように
  ああ もっと遠くへいきたかった わたした ....
  首すじの まるい砂に
  あまい夢が 今日のしずくを落とす
  夕いろの、せまい、部屋のような瞳を
  ころがしてあなたは とかげの顔で笑う
  いつも 恋は速すぎるし、
  と ....
  吉祥寺駅の
  ロータリーでしゃがんで
  靴ひもをむすぶ
  あちこちに捨てられた
  煙草はどれもしめっていて
  茶色い葉がとびだしてしまっている



  きみと ....
  座るきみの膝に
  とうめいな猫がねころんでいて
  真っ赤なりんごを撫でている



  僕のじっぽんの指は
  オルガンの鍵盤に載せられ
  ゆるやかにだまりこむ
  ....
  椅子の上に
  左脳がひとつ置かれていた



  色褪せた譜面から
  いくつかの音符はこぼれ
  床のうえでひょこひょこ跳ね
  透き通った窓は、わたしたちと
  青 ....
  五月、
  鞄のなかで
  ぼくは死んでいた
  たくさんの緑に包まれ
  豊かに死んでいた
  柔らかな乳房の
  香りだけ憶えていた
  ねえ
  これが、
  産まれたての時間。
  そう言いながら少女が
  綿飴をひとつ、ぼくにくれた



  まぶしい屋台の{ルビ犇=ひし}めき合う
  貧しげな七月の ....
  不思議
  きみがふれた
  いびつな石ころが今朝、
  柔らかいパンへと変わった
  春の陽を白く吸って



  不思議
  きみがくれた幾つかの
  言葉は辞書に ....
  今夜の
  君の手の指は
  ストリップ劇場で
  ストリップ嬢が使う
  あのポールによく似ている



  ブラディ・マリーの朱い滴を
  君が薬指から舐めとるとき
 ....
  僕らがコンビニと呼んでいる
  長細い直方体には
  どんなものでも揃っている
  弁当もポテトチップスも
  洗剤や電池や、ティッシュまで
  だから僕がその日
  その、冬 ....
  闇が歌う
  しんしん歌う
  冷蔵庫のリズム
  うさぎおいし
  かのやま
  君からの
  たっての願いだった
  僕は右手で黒ボールペンを握り
  左手で君の口を開き
  頬の内側の
  赤く柔らかな肉の上に
  文字を刻んでゆく
  インクがつくは ....
  血まみれたチェーンソーを手に
  キラリと笑うきみ
  カワイイね
  絵になるね



  総理大臣の指を断ち
  大統領の首をとばした
  血まみれたチェーンソー
 ....
  猫よ
  おまえは邪魔だから
  どこまでも流れていってしまえ
  そう言うと僕は
  ギャアギャアとあばれる君の飼い猫を
  便器に放りこんで
  「大」のレバーを回したのだ ....
  僕の中に小さな女の子がいる
  無垢な目に鋭さを湛え
  頭には白い花のかんむり
  僕の中に女の子がいる
  僕は彼女に恋をしている
  それは君じゃない



  君 ....
{引用=「葡萄」

  葡萄の皮を
  小さな部屋の
  ドアをひらくように……
  ……
  そのなかには
  何か
  静かな音楽を奏でているひとが
  椅子に座って
 ....
  (嘘つき)



  と
  だれかに言われ
  ぼくは
  眼を醒ました
  八月の
  朝、はやく
  遠くから
  なにか
  まぶしいものの流れが
  こ ....
  僕たちは、
  同情で。



  僕たちは、
  どこまでも
  青く、
  青く、
  終わっているだけな。
  ダンボール詰めの、
  ぎゅうぎゅうの果実みたい ....
  いいよ
  枯れるくらい
  たくさん話したし



  いいよ
  もう、涙が
  こぼれなくなるくらい
  たくさん笑ったし



  疲れたし
  決めら ....
  愛ゆえに
  別れませんか
  あなたは西
  わたしは東へ踏み出し
  ぐるりと旅に出ませんか



  愛ゆえに
  別れませんか
  あなたはチベットで詩を書き
 ....
  さわってもいいけれど
  そこにはないよ
  僕の手にも
  やせた胸にも
  ズボンの下にも
  さわってもいいけれど
  つたえられない



  書いたっていいけ ....
  かあさんのあいしてるは
  おつきさまみたい
  やさしくつつんでくれるから
  こんやもぐっすり



  とうさんのあいしてるは
  とうさんのせなかみたい
  しんぶん ....
  母親が
  朝食を作る途中で氷になっていた
  フライパンと
  目玉焼と
  五十二歳の痩せた体が
  透明なものでひとつに包まれていた



  トイレの戸を開けると ....
  ある日の授業で先生が言った
  宇宙を暗唱してください



  興奮したように
  エントロピーやら引力やら
  べらべらと捲くしたてた委員長は
  廊下に立たされた
 ....
  嫌い、
  それは速い。
  あっという間に届くから
  いつも取りもどせないんだ
  嫌い、
  それはウサギ。
  いじわるなウサギ。



  好き、
  それ ....
  恋に落ちる
  わたしが落ちる
  瞳が
  胸が
  たましいが落ちる



  小石のように
  みずうみに落ちる
  透きとおっている
  水草もゆれる
   ....
  喋ると
  ひとつ減ってしまう
  幸せなものは謙虚に黙っている
  空の青さも
  木々の深みも



  動かすと
  その分だけこぼれてゆく
  私のなかの蝉は
 ....
  

  なにもかもが縺れた朝に
  六月が
  しくしくと雨を浴び
  痛い痛いとさけんでいる



  犯罪者もペテン師も
  愛しきも憎きも
  背に負って
  痛い痛 ....
  きいてね。
  きいたこと、あってもね。
  うるさいだろうけど、ね。
  ねぇ、きいてね。



  きいてね。
  その耳たぶでね。
  もっと奥のほう、
  まごころ ....
  まんまるい
  月の照る夜に
  凍てた川を跨ぎ
  去ってしまった者へ



  まんまるい
  陽の照る朝に
  そこらじゅうの鏡に
  閉ざされた思いへ



 ....
森の猫さんの草野春心さんおすすめリスト(42)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
葡萄- 草野春心自由詩515-2-12
あまいゆめ- 草野春心自由詩814-3-8
ロータリー- 草野春心自由詩8*13-3-3
とうめいな猫- 草野春心自由詩712-9-6
左脳の時間- 草野春心自由詩1112-9-2
乳房- 草野春心自由詩8*12-7-5
綿飴- 草野春心自由詩19*12-5-20
不思議- 草野春心自由詩10+*12-4-14
クレーン・ゲーム- 草野春心自由詩7*11-11-21
堕胎- 草野春心自由詩14*11-11-14
夜の歌- 草野春心自由詩4*11-11-13
聖域- 草野春心自由詩5*11-11-2
チェーンソーガール- 草野春心自由詩3*11-10-6
君の猫- 草野春心自由詩8*11-9-16
箱庭の愛- 草野春心自由詩611-8-29
女へのコラージュ- 草野春心自由詩5*11-8-27
まぶしいものの流れが- 草野春心自由詩5*11-8-23
同情で- 草野春心自由詩611-8-17
いいよ- 草野春心自由詩6*11-8-14
愛ゆえに- 草野春心自由詩2*11-8-10
つたえられない- 草野春心自由詩511-8-3
あいしてる- 草野春心自由詩4*11-8-2
- 草野春心自由詩2*11-7-16
- 草野春心自由詩7*11-6-29
ウサギとカメ- 草野春心自由詩1*11-6-28
みずうみ- 草野春心自由詩411-6-24
喋る- 草野春心自由詩5*11-6-14
六月の背中- 草野春心自由詩511-6-1
ね。- 草野春心自由詩17*11-5-18
まんまる- 草野春心自由詩8*11-5-6

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