澄み切った
空の青と
頬を切る
冷たい空気
淡い陽が
四角い空間
を緩やか
に照らす季節
残酷な風が
毛羽立つ皮膚
を切りつける季節
(ちょっと、やばい話かも?)
人間という生き物は、本当に醜い。天使は、美しく、優しい。悪魔は、悪に染められ、残酷。
そんなの、決めつけられちゃ、困るなぁ。君たちは、本当に天使や悪魔を見たことがある ....
さて私は最後に
絵に描いた餅をいただくことにした
こんな楽しい宵を締めくくるには
これをおいて他にはない
あなたは何度も諌めるけど
これだけは別腹
いくらでもいただけるもの
結局それ ....
並木道に
誰かの日傘が忘れられているのを見つけ
持ち主の名前がなかったので
失敬することにした
けれど自転車のかごに引っ掛けて
ペダルをこぎだしたそばから
日傘は陽を浴びて匂いたち
....
すりへった石鹸が
ひら ひら と
拍手の渦に埋もれてゆく
ビニールホースに合わせ
こぼれるシャンソンの音色は
か ぼ そく とぎれとぎれに
五線から はみでる
酔いしれるうちに ....
戦、
意味血嫌う、他が
ささくれ、山のは、乱れ桜
すがもの、夢の羽、チリチリ払ふ
意味裂き、好きこのむ
たゆたき、幻、優雅なき日
寒さ故にて、君分かつ
としゅつ、変わるめ ....
僕が
細い管につながれないと
生きていられなくなったなら
家に帰して
生命維持装置なんて
いらないから
最期の時まで
自分の力で
生きられたなら
僕は僕を褒め ....
何故か好きになる。
愛してると言いたくなる。
抱きしめたくなる。
すれ違いばかり繰り返して。
僕らはまた出会うのだろう。
星を見上げるのは
夜とは限らない
僕が
居なくて
....
今日のことを紡いでもいみはないし
先刻のことを騒いだらかどがたつよ
来年はきっと良いことがおこるって
去年もおなじ嘘をしんじていたんだ
昨日のことを探しだすのはつかれた
時間とともに全てきえ ....
死に絶えた 月
沈まない ゆめ
くるむ 波
残像は まぶしい木漏れ日
ゆずる まほろば
流れ 触れる 紡ぎ
背中 を見せる 扇
かえり ゆれる さだめ
海 が ....
ふたりずっと一緒だよ、
それは今もこれからも変わらない
愛言葉だよって
ちょっと照れながら言う君
好きだよ、
これからもずっと一緒だよ。
さよならで固まる
夜が明ける 人が行く
陽が差す 酸性雨に降りしきられる
あの小さな子がこんなに大きくなる
区画整理が始まる
建て替え決議がなされる
....
君のはじける姿は
幼い日の風船のように
希望で膨らむばかりだから
僕は思わず手を放して
遠くに飛ばしてみたくもなる
君のうつむく横顔は
やぶれた日の夕焼けのように
そっと時を抱きしめ ....
水に美しい音楽を与えると
結晶は美しい造形を彩るという
一頻り米に感謝の言葉を繰り返すと
匂やかな発酵をするという
君に君の美しさを称えると
君は聞き飽きた顔をする
....
深く心を犯した意識
溶かしていくのにはどれ程の月日をかけたら良いのだろう
簡単には分解できない
割り切れやしない
心残りな出来事に魘されながら
それでも飄々としてまるで何事もなかったかの ....
生きることに真面目になれない
いい加減ないい気な人生
時間ばかりが流れても治らない痔
慢性的な麻痺が全身にはびこり襲い来る睡魔
こんな筈ではなかったのに糸の切れた凧
うんざりして眺める世 ....
静寂よ
この身に降り注ぐ罪よ
僕はまだ息をしているか
僕はまだ君を掴んでいるか
――静寂よ
死と共に僕を罰せよ
夜中も二時になった
眺めるものがなくなった
冷蔵庫の前に座り込んで
あの音を聞くと
ざわざわする
腰の辺りに
コンセントがないか
確かめる
あるのかもしれない
遠くへ行こうとする ....
風花の
細雪が落ちてきた
七輪の上にのっている
二つきりのホタテにも
降る度に
曇った空を見上げると
雪はいつも
遊びながら落ちてくる
ときどき気まぐれに
°し 。
....
雪の降る中の
街角の公園で
花のつぼみと
恋のつぼみと
少しずつほころびながら
誰かが来るのを待っている
双子の樹がありました
近所の通り道に。
双子の内
通りに面した弟の樹は傷が残っていました
幹から一度、切り倒されそうになって。
姉さん、どうして、ボクだけ
切り倒されそうにな ....
ないないないない
さがしているものはいつもみつからない
ゆびさきにふれる未来のようなものはいつも
すぐにすり抜けてゆく
ないないどこにもみつからない
発作を起こしながら部屋中を駆け回るけ ....
今朝、レモンを産んでしまった
それは、色も形も匂いもレモンそのものだった
もし産んだのが卵だったら対処のしようもあったろうに
なんでレモンなんか産んでしまったんだろう
レモンに耳をあてると ....
セーブするときにしか、行かないものだと思ってたけど、
ボクはあの人と一緒に教会へいきたい
昔、好きな人と嫌いな人がいました。
好きな人はすごくかわいくて、やさしくて、嫌いな人をとても癒してくれました。
嫌いな人はとても意地悪で姑息で、嫉妬深く、好きな人の事が好きでした。
....
やさしい 風 に
月 が ついてくる
まわり道
草原 の じゃり
心 やすらぐ場所 は どこかな
踏み潰した草 の
やわらかい感触に
ひとりで 歩く事さえ
....
別れは「辛い」けれど
ちょっと旅に出るのだと思えばいい
たった「一つ」のことを見つけるために
ちょっと旅に出るのだと思えばいい
一番大好きな人には
一番「幸せ」になってほしいから
私は ....
水仙のラッパ
ファンファーレが聞こえるよ
寒い季節だから聞こえるよ
「出ておいでよ!!」
「一緒に遊ぼうよ!!」
聞こえるよ
北風のピッコロ
水仙のラッパ
コタツのもぐり姫の私に
....
ラブレターが届いた
「好きです」とただ一行
紙切れに書いてあるだけだった
でもどこかほんのりと甘い匂いがした
僕はメモ帳から一枚紙を引き千切って
ペンを走らせる
「僕も好きだよ」
僕 ....
いつも明るく
一歩ずつでも
一生懸命 歩いていこうと
思うのだけど
ふいに
歩くのも 立っていることさえもいやで
煙のように消えてしまえたら
どんなに楽だろうと思う時がある
苦しさ ....
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