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いくつもの雫が
髪の毛にぶらさがる
忘れてるのか 思い出せないのか
じれったい重み
麻薬のように
ピッシリと整えられたシーツは
刺激し続ける
ストッキングを脱いで
....
輝くものを見たくなかった
カラスの爪ばかり目について
喉が渇く
霧の羽
霧の懐へと
破れた服ぶらさげて
肉はいらない
がらんどう・・・夜の雫は
朝の湿った空気へと
山から ....
すすけた茜のカーテンにつつまれてゆく君は
自分の瞳の裏側を見るように わたしをみつけ
やる気のないそぶりで わらう
足踏みを繰り返すが去っていかないところに
したしみ
早口でしゃべる 西風 ....
おいかけてゆきたいのです。
包丁でざくりと切ると、すぐ後ろでネギがぱらぱらと広がるように
ざくりの跡をぱらぱらと追いかけてゆきたいのです。
続けたいのです。
にんじんをする ....
きこえる
おはやし
耳もとで
雲に
跳ね返って
と〜ん とん
君の歌う
盆踊りのまねごとの歌が
なつかしくてなつかしくて
は〜よい よい
のこったしこりは
お ....
こぽこぽこぼれる 透明なグラスに
わたしが点滅するというのは
こういうとき なのだろうか
あふれる濃縮還元ジュースは
せつなくて
地下鉄の降り口をまちがえた
まちがったとわかっても
....
輪郭の街が
徐々に織りをなし
時計はだらりと腕をさげ
ほぅい ほぅい と歌う
海にでると
肌がちりちりと
焼ける心地よさが
足跡にたまって
潮に吹かれた
8mmフィルムが
からくり ....
干し竿に捉まったやかんが
風をすいこんで
ふるりゆれ
蓋はいつの頃にも
なかったようす
雲が影って
うつむき
口をぶらぶらしているやかんには
少し水が入っていて
のぞく顔を ....
あそこなら
誰にもみつからない
ツツジの垣根をわき腹で通り抜け
米倉の裏にあるワラの中に
笑いをこらえてうずくまった
しずかに
ばれないように
そーっと
あたりをうかがう
....
顔が埋めこまれるような パック
洗い流して・・・
化粧水 ぱちゃぱちゃ。
「充分、きれいな肌じゃないか。」
そう なげかけた言葉も
乳液ぷちゃぷちゃに つぶされ
「おい、 ....
王麗の木箱から
はみでた毛糸は
そろりと巻くか
するりと着てしまうには
あまりにも遠く
フランソワの無邪気に
毛が纏わり
駆けてく山羊の
背にもう一度
ふれようと
毛糸に手を通す ....
モザイクタイルを張り合わせて
作ったような樹木の下に
ぷっくり膨れ袋に入った
ピーナッツキャンディが
まあるく 敷かれて
あっちの
あっちのほーぅにも
根っこん所に
ま ....
おつきさんのえだが
するするおりて
わたしのかみを
もてあそぶ
おつきさんのこえは
ほつほつしてて
わすれたころに
きこえてくる
おつきさんのはっぱ
やわっこくって
....
凍えるようなフランスパンに
アプリコットジャムの毛布
パチパチと弾ける
ガーリックバターのシャッポ
クリームスープに浸しては 寒さを癒した
季節
家庭教師の家には いつも
ライ麦パン ....
林檎をむいて
皮をむいて
木陰をむいて
こっちをむいて
河をむいて
小波をむいて
さぁ むいて
君は流れてゆくね
むきながら
こぎながら
なきながら
ここで いいのだよ
おもい ....
賭けた
恋のゆくえ
書けた
ため息インクの
メッセージ
欠けた
鉢に水をやり
掛けた
シャツに袖をとおす
翔けた
はだしのまま
駈けた
鼓動が歌う
駆けた ....
あれ、なくなった
確かに21日の次は22日
カレンダーを疑う
今は23日
昨日は21日
あれ、22日がないぞ
コンビニで季節はずれのアイスを
買ったのは昨日21日
長電話を ....
洋なし色に 辺りが包まれ
萩焼のカップには
チャイの印香が漂う中
窓辺からは
いつもと同じ風景
いや 今日は
こんもりと茂る葉の代わりに
樹木には 綿雲の実がなり
成熟したそれは
....
ココアの缶をチロッと舐め
「おいしくない。」 と
首を傾げる君 おめでとう
風船に鼻を押しあて
あらゆる角度からのぞき
「なにも入っていない。」 と
泣き出す君 おめでとう
布団 ....
つららが融け垂れ
するする 降りてくる
屋根に生えた 羅列が
ほろほろ ほころんで
あぁ くっついてしまう
日向土に 落ちては
沁みる 旋律
クロサイが 泣いて
....
すりへった石鹸が
ひら ひら と
拍手の渦に埋もれてゆく
ビニールホースに合わせ
こぼれるシャンソンの音色は
か ぼ そく とぎれとぎれに
五線から はみでる
酔いしれるうちに ....