車のヘッドライトが眩しく目を細めた
もう行かなくては、凍え死んでしまう
冷たい空気を吸いこむと
雪がぱらついてきた
もたれかかった壁も冷たく
空には星もない
待ち人来ず
ゆっくり ....
助けてください
孤独に負けそうな俺を助けてください
助けてください
助けてください
助けてください
助けてください
雨が降った夜だった
寒くて寒くて膝が痛む夜だった
僕は濡れたアスファルトの上をてくてくと歩いて
なんだか空気が清廉だと思って
僕はまだ見ぬ誰かを思った
温かいシルクの毛布にくるまった誰か ....
だって好きなんだもん
どうしようもないんだもん
空が青いのは
私が歌っているから
雨が降るのも
私が歌っているから
セニョリータ♪ マルガリータ♪
一緒にいたいだけなのに
....
自殺するやつはバカだろう
それを見てバカだと思うやつもバカだろう
自殺する奴にも理由はある
バカにするやつにも理由がある
そうやって考えてる俺はもっとバカだろう
そんなこ ....
私の方向音痴を笑いながら
手を引いて
東京タワーはあっち
六本木ヒルズはあっち
あれが皇居
お台場は向こう
新宿はあのあたり
晴れていたらあの辺に富士山が見えることもある
さて
あな ....
店はまばらな客入りで
台から流れる音楽も
街から離れゆきながら
奏でる憂鬱のチンドン屋の調
座る台は
どこでもいいのさ
ランドセルが重い頃
晴れた土曜の昼下がり
見上げた我が家 ....
道端で
ガードレールを呑み込んで
冬の蛇が死んでいた
白く 汚く
冷たく 硬く
すべてに背中を向けていた
ひとりの少女が泣きながら
蛇の頭を撫でていた
私は言っ ....
半身透明のガラス窓の向こうで視界が勝手に傾いて
電気スタンドを次々を倒して
薬瓶の入ったポケットから取り出した丸い地球の
模様を虫眼鏡で確かめていきます
立ち上がった椅子の前でテレビの ....
ずっと捨てられずにいた宝物を
今日捨てに行きます
思い出したくない過去を捨てるのではなく
これから続く道を歩くために
荷物を軽くしなくてはいけないのです
容量の小さな私の鞄には
入りき ....
歩道橋の階段に足をかけたのはもう深夜で
街道をゆきかう車のライトがやけにはやい
ひさしぶりに気分が昂ぶっていてなんで
突然そんなふうになったのか皆目わからない
下半身から力がぬけてよろよろとた ....
ある乳飲み子は
愛ある母の乳を飲み
栄養の意味を知らずとも
子供に育ちゆきゆきて
ある男子は乳を忘れ
愛撫ゆえに乳首を吸い
重ねる日々に乳房を選び
ある日衰えを知ってゆく
ある ....
灰色の空。
澱んだ空気。
なくてはならないものはない。
なくてはいけないものもない。
さぁ、そろそろ行こうぜ?
苦痛の死を、迎えられるように。
夕焼けは赤いばかりではない
夕焼けは時々青く見える
悲しい夕焼け 青い夕焼け
はっきりとでなく ぼんやりと
はるか遠い夢は輝く
悲しい夕焼け 冷たく輝く
流れた涙は過去へと消えていく
....
飛ぶ鳥の 明日香の里に 舞い降りた 春の女神に ならましものを
君の寂しい声に僕は胸を締め付けられた
ごめんね
結局僕は彼女の元へ帰っていってしまう
僕はまだ飛べないよ
羽も十分な強さじゃないし
僕は彼女のクサリで繋がれているから
遠くまで飛んでいけな ....
jelly beansの海の中で
僕は君の死体(したい)を探している
赤や黄色 緑に青のjelly beansが
僕の手のひらに触れる
もう血の気の引ききった青白い君の死体(からだ)が
僕の ....
ワイパーを身体につけたんだよ
ネジでさ、おへその穴に固定してね
勤続十五周年だもの
いろいろな人が去っていったもの
自分へのせめてものご褒美だもの
憧れていたんだ、ワイパーのある ....
アンディ 君の小さな胸に
アンディ つぶれた小鳥を抱いて
アンディ 泣くこともできず
アンディ 乾いた影を連れて
ひとりぽっちのアンディ
口笛も吹けなくて
さいごのコインはなくして ....
芯 が 折れた
芯 は
ピキッ
と ガラス を
こすった
芯 は
なかなか
頭打ち
先のほうで
ピストン
カップを 煽る 渋る
頬 底は透ける
程し ....
せなかあわせじゃ
きになるもので
おなかあわせて
しせんあわせる
なんかしあわせ。
*
せなかとおなかあわせ。
とうさんのおなか、なかなか
あったかい。
うえをむいたら ....
震えるような歌声が
体の中を巡る
両手で耳を抑えて
細く細く研ぎ澄まし
正確なリズムを
その歌の意味を
聞き取る鼓動
きっと
泣かなくてはいけないのだろう
泣きながら生きなく ....
伝えたいこと 山ほどあるのに
言いたかったこと まだあったのに
あなただけを 見ていたのに
何にも言えない 私の心
折りたたんで 折りたたんで
紙ヒコーキ つくりました
真っ白な紙ヒコーキ ....
ひとみに映る
君を
君がケガをしないように
君がケガをしたら一番に駆けつけられるように
見つめ返す
君を
君がお腹を空かしたままでいないように
君が寒さに震えたままでいないよ ....
許される罪なら償えば良い
許されざる罪なら背負えば良い
忘れて良い罪なら忘れてしまえ
忘れてはいけない罪なら永久の眠りについても忘れるな
しかし、忘れたくない罪なら意地でも忘れ ....
私はいつも心が乾く
それはまるで砂漠に居るかのように
どれだけ渇きを潤してもすぐに乾いてしまう
いや・・・乾くというより蒸発してしまうみたいだ
私の中にある暗い炎が手に入れたモ ....
いくつもの傷
いくつもの雲
風をのぼり
空の終わりで出会い
いくつもの海を越えてゆく
光は雨に溶けてゆく
過ぎた日の光も
明くる日の光も
溶けあいながら分かれはば ....
私の心は2つある
汚れ無き純白の心と光を飲み込むほどの漆黒の心が
この2つの心は常に私を飲み込もうとする
純白な心は私を子供へと戻そうとし
漆黒の心は全てに対する憎しみを私に植 ....
あの人の事を考えると胸がざわつく
あの人の姿を目で追い
あの人の言葉に気をとられる
あの人が楽しそうに笑うと私も楽しい気分になり
あの人が悲しそうにしてると私も悲しくなる
....
時という偽りの鎖に縛られ私たちは生きる
しかしその鎖は重さも無く音もない
それゆえ誰もが気づかずに生き、知ろうとする前に死す
その鎖は人が作ったもの
時を限りある資源として見な ....
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