いくつもの雫が
髪の毛にぶらさがる
忘れてるのか 思い出せないのか
じれったい重み
麻薬のように
ピッシリと整えられたシーツは
刺激し続ける
ストッキングを脱いで
....
沈む夕日を掴まえた
バックミラーの
その中に
行き過ぎる車
飛び去る風景
僅かな空間の
時の流れの
ほんの一瞬
沈む夕陽を掴まえた
....
形のない
おくりものを探しに
秋の夜長
旅に出よう
月光がかった
道なき道を
うるさいから
どこかへいってほしい
邪魔だから
消えてほしい
でも
そういうものこそ
奥深くに強く
根を張るもので
空を見よう?
星を見よう?
それから
大きな月を見よう?
透明な、瓶の底で
大人しく待っていよう
次の月曜日はきっと
明るく晴れるから
さみしい時、だれかに
傍にいてもらえるだけの
ちからを、
此処に注いで
夜は静かに止む
夜は静か ....
落日 其処に生まれては死んでいく
紅葉 変わりなく続く生の営み
風を受けては流れてく
見上げては堪えたまま
真実は告げぬまま笑う
君の悪い癖
全てを包んで あたしは笑おう
世界が ....
ぱらぱらぱら・・・・・
何気なしにめくったアルバムに一つ
「これからいくつもの壁を乗り越えて・・・」
十年前ながら笑えてきた 苦笑い
きっと今はこんなこと書けなくなってしまったかも ....
疲れた体たたき起こして電車に飛び乗る
行き先はどこ
夢の続きという駅があるなら降りてみたい
この線路の先に
未来があるのか
それとも・・・・
答えはこれか ....
静かな
室内に
響き渡る
君の
甘い寝息
月光に
照らされ
妖艶に輝く
君の
細い首筋
触れる素肌に
微笑みを返す君
まるで――
と
息を呑む感想
白い羽が見 ....
雨雲で曇った空の下
泣いてる子羊見つけたよ
『お前には血がお似合いだ』
孤独を知って
孤独に愛された
『お前は独りの{ルビ血まみれのマリア=ブラッディマリア}』
佇んだマリ ....
ああ・・無常と無上
それは笑顔の
前にみた微笑です
ああ・・無常と無情
それはあなたの涙を
ぬぐったあとの
乾かぬ頬と
みてしまう俺の気持ちです
ああ・ ....
カット!
違うんだな そのコーヒーカップに入ったスプーン
もっとクルクル回して
ユダヤ人ならもっとクルクル回すんだよ
そう 頭の中で目の前の恋人のことも考えるし
干してきた白いシャツが乾 ....
窓のむこうがわに
青い空をならべて
窓のこちらがわに
鼻筋のととのった顔をおく
わたしだけのものではない
その世界がすき
「かたぐるま」
大すきなパパへ
パパがいなくなって
ぼくはさびしい
パパのせなかにのぼってみた
空はとってもちかくて
手がとどきそうだったよ
ママはパパはお空にいっちゃ ....
新しい雨合羽を買うという
同じ色で良いだろうという父に
母はピンクがいいと言った
野良着は 弟のお古でも いい母であった
農作業の汚れは しつこい
捨ててもいいような服を 着ては ....
小雨の降る日
林檎もぎは雨合羽を着る
雨水が肌に流れてくると
体が冷える
袖口と 首を
丁寧にタオルでふさぐ
滴に濡れた林檎は
しんとして曇り
ひとつ ひとつ 手作 ....
とおくへいってはいけません
うん ママ
わかったよ ママ
あしかドン、あそぼう
うん。あしかゴン、なみをとんでね
あしかドンはじょうずだなぁ
あしかゴ ....
みまもっているのは
きょうの あんしんかんなのです
そらは たかくて
あなたは とおくて
しんなりした くもが ゆれています
どこかで つながっていたいのです
この くうきの した ....
何気なく雨が舞う硝子の向こうを見て私は心を奪われた
世界を飲み込むが如く舞う雨の中ただ独りの少女を見たからだ
その少女は寂しげな、それで居て孤高を湛えた表情でただ歩く
私はその少女を ....
孤独が好きな人など、どこにいるのだろう。と思う。
みんなどこかで。小指ひとつの重なりで。
つながっていたいのだ。
自分は今こうやってパソコンの前に座って、ぺたぺたとキーを打っている。
誰か ....
春も夏も秋も、わたしにとっては短かった。あれから一年が過ぎ、長い冬がまたやって来た。失業し、仕事を探している。
(しばらくは会社に行かなくてすむ)
わたしの元へは戻ってこなかったものもあった。 ....
何処にも行かず、
ただ、じっと見る。
じっと見る。
じっと見る。
じっと見る。
オイッ!
神さん、俺はアンタなんか耳クソ程信じねーケド
オイッ!
神さん、どっかでチッポケな人間の言葉を聴くなら
オイッ!
神さん、俺は今からアンタに言葉を投げる
心して聴いていやがれ ....
心は泉
穏やかなときは
湖畔のように
優雅になびいて
嬉しいときや
楽しいときは
泉の水は溢れ出て
他の人にも
しみわたってゆく
悲しいときや
苦しいときは
カラカラ ....
はじめてこころのなかに
さいたたんぽぽのはな
かぜにからだをばらまいて
ぶんしのように
げんしのように
そりゅうしのように
たびにでるたび
かけらひろいあつめるたび
(霧がする ....
転んじゃうんだ
どうしてかな?
転んじゃうんだ
みんなと一緒に遊びたいのに
サッカーだってしたいのに
転んじゃうんだ
ねえ、ママ
どうしてかな?
転んじゃうんだ
....
「世の中の不条理を一掃せよっ!」
脳内 後方部からの指令
「さて、どうしたものか?」
躊躇う 右方部を尻目に
「もう、止まってんな! 走れ!」
脳内 前方部に従う身体
これが僕です。
....
微笑みの匂いがする最後の頁を
めくるかのように
僕が女を忘れたころ
女はいつもと同じ場所で
いつもと同じ歌を
歌っていたそうだ
未明
人も車も動き出さない冷たい駐車場
空を見失 ....
待ち続ける
時も季節もなく
動かず
想わず
通り過ぎる人
季節
時
わたしはここにいる
ここにいる
しかし止めることので ....
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