アスファルトを割って
小さな花は咲きました
私は花の名前を知りません
花も私の名前を知りません
花は花の名前を知りませんし
スナック「花」のママを知りません
そうして花は咲きました ....
そよぐかぜに
おおあくび
くうきに
まじった
きもちよい
かぜ
このまま
ごろん、って
よこに
なって
まぶたに
うつった
あたたかな
おひさま
ほかほか
....
立ち尽くす
波のしずくは
指からこぼれて
あの人の命
永い別れを
私に告げる
見えなかった
思い出
聞こえなかった
風
けれど消えない
指先の感覚
窓の外
首をかしげ ....
いつか見た
たんぽぽ色の
風船は
今も空 漂って
映していた
たんぽぽ
君に似ていた
君は今も咲いていますか
誰のために咲いていますか
お{ルビ陽=ひ}さま色のdandelion
来る気配のない
否
来ようとしているのかも
わからない
待ち人を待つ
ただ、苦しいと。
世の果てで 愛する君の 笑顔を探す
逢えなくて 狂い死にする 我が人生
世の中に 君の代わりは 存在しない
張り裂けそうなこの心を
必死に抱えて歩き続けた
誰もが安息の地を求めているのに
どこにも止まることを許されはしない
地下鉄の風に吹き上げられて
薄っぺらい仮面など剥がされた
ただ立ち尽 ....
泣いている
空があんまり綺麗だと言って
悔しいと一言吐き出して
絞り出された血がこの土に染み渡る
噛み砕いた錆色の土は毒の味
染み渡る毒が身の内を刺す
それでも声を上げるこ ....
私が泣いているのではありません
私の中の
どこかが泣いているんです
涙でも泣き声でもありません
私のどこかの
傷みです
とんがり帽子を私はかぶって
今日も街に乗り込んでいく
とがった先端は威嚇のためで守るためで
つんと伸びたその向こうでは
空が青に光っている
どうにも街は壁だらけで
いろんなとこにぶ ....
ぼくたちが住む
この星の
実態を知るべく
ならば
地球を割ってみよう、と思いついた
ぼくがやらないにしても
いづれ壊れるみたいだよ
と
誰かが言ってたし
それなら いいよね
....
広さ8帖の部屋の隅にある
広さ2帖のクローゼットの中に
ボクは丸まった
何も考えずに
ただ
せまっ苦しい
真っ暗闇の中で
ボクは丸まった
誰にも見つからない場所
誰も探さない場所
....
消えてしまったあなたの跡は
何もかも真っ白で
置き去りを認めたくない
何かが あわてている
置いて行ったあなたは
さぞかし
気持ちいいでしょう
今夜は
....
さいきんなぁんもかんもわすれていきよるち
おかあちゃんがいいよった
なーなー、おかあちゃん
ぼくんことも
いつかはわすれてしまうん?
こーえん
ゆうやけこやけのあかとんぼ
うしろのし ....
-偽りの心・人形-
相手の想うままに
心を変え想いを変え人格を変え
そこに存在していく
そんな心を持った人形
自分の心・慾はここに在る
しっかり ....
さぁ 期待半分不安半分
僕は僕の道を歩いていこうか
其処が荒野でも砂漠でも知ったこっちゃない
さぁ 希望半分失望半分
僕は僕がなりたいものになろうか
其処が湖でも海でも知ったこっちゃない ....
あの頃は
言葉が無くても
ちゃんと伝わってた
ちゃんと感じてた
態度が
仕草が
ボクのこと
大事にしてるって
大切にしてるって
分かったのに
今では
何を考えているのか
....
キミが嘘をついた
キミが嘘をついた
キミがまた嘘をついた
ボクはキミが嫌いだ
ボクはもうキミを嫌いになったから
何度もキミを捨て去ろうとした
なのに どうしてキミは
....
さわってはいけないよ
君は寂しげに笑っていった
手を怪我してしまう
さわってはいけないよ
君の優しさ は
わたしにはいらないの
痛くてもへいきよ
ひとりでわれたこころを拾 ....
ああ今日も夜がふけていくよ
風がびょうびょう吹いて
トタン屋根に映る雲がごうごう流れて
乗りそこなった月の船は地平線の向こうです
星のない空は
なんだかとっても寂しくって
電信柱を伝わ ....
涙のあとを
ごしごしこすって
君は
顔をしかめた
涙のあとが
消えていくのを見て
僕は
笑ったんだ
君が知ることはないのだけれど
耳が聞こえなくたって、君の声はちゃんと僕に届いているよ
だから、心配しないで
心の声ってほんとにあるからね
嘘じゃないよ
君と僕はいつも心の声で会話してるんだよ
あなたが自分のこ ....
ジャスミンティーって、おいしい。
おいしい、と思って
いっぱい飲んだら おなかがいっぱい
おなかいっぱいで もういらない
もういらない、と思って
捨てちゃった ....
新聞の文字列と文字列の間を地下鉄は走る
つり革につかまる僕の視界の一番隅で
ラララ、ライカは宇宙の展開図を描くことに夢中
僕たちの声は届くべきところに届いているか
ラララ、ライカ、誰か ....
やわらかい 夕暮れの月
となりに隠れるようにひかる 星がひとつ
「あ、星が見える」
「月しか見えないよー」
星はわたしだね
月は君だよ
わたしはあの時
君の後ろに隠れるように ....
その人がやってくるのは
ほんの少し
光のかけらをわけてくれた
下弦の月の白い顔が
空に溶け込んでいく時刻です
おやすみなさい
お月様
インクびんのふたを閉めて
閉じ込めたのは月 ....
愛とは
此の世に起こりうる、何が起きても動じないこと。
そしてもっと難しいのは、
この先何一つ変わらなくても、心が変わらないという確信。
人間の心を超えて
人間の心に守られる、絶対的な力。
手にした笑顔の数より、涙は多いかもしれないけど、
それでも、僕たちは、生きなきゃいけない。
もし、どうしても泣きたい時は、僕の腕の中で泣けばいい。
....
澄んだ青空を飛び交う鳥達が
どこまでも続く永遠に 涙すると
風に乗る桜の花びらがゆっくりと
地面に落ちてピンク色を 敷き詰める
夏 緑は生い茂り濃い空気の層が
霧となって 大地に降り ....
いつか いつか
笑えたらね
そんな頃に会いましょう
穏やかに 穏やかに
春は何度でも巡ってくるから
いつかゆっくり背伸びができたら
乗り越えるものが大きいので 今は
続いてる ....
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