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伝達
という義務から離れた言葉はいつも
夕闇に泡立ち
朝方に溶けてゆく
闇が私と私を囲う壁と壁を囲う外界を親和している間は
言葉が脳のなかで循環するのではなく
発せられなくても流れ出してい ....
夜中も二時になった
眺めるものがなくなった
冷蔵庫の前に座り込んで
あの音を聞くと
ざわざわする
腰の辺りに
コンセントがないか
確かめる
あるのかもしれない
遠くへ行こうとする ....
私の方向音痴を笑いながら
手を引いて
東京タワーはあっち
六本木ヒルズはあっち
あれが皇居
お台場は向こう
新宿はあのあたり
晴れていたらあの辺に富士山が見えることもある
さて
あな ....