窓枠から漏れている気持ちを
ガムテープで目張りする
それで安心かというと
そうでもないらしい
困ったな
僕はそれ以上のすべを知らない
進みようのないことを
あれこれと堂堂巡り ....
踏み にじられた
柔らかい 道の草
白線 から 下がらず
垂れた こうべ 晒す
助けて 下さい と
死にたくありません と
誰も 聞きたくないのだ
誰も 幸せに ....
この空のようにひろく
あの山のようにでかく
あの海のようにふかく
あの雲のように混じり気なく
あの星のように輝いて
あの緑のように清々しく
あの波のように猛々しく
あの太陽のよう ....
街に忘れかけられた
公園のベンチに座って
西日の中の滑り台の上では
始まりかけた夏が
くるくると回っている
夜に向かっている
夕暮れの片隅で
ジャングルジムの天辺じゃ
出たがりの金 ....
箱の中身はからっぽだ
いつの間にかからっぽになってた
いつから箱を持っていたのか
四角い形、色、におい、ずっとそばにある箱
何も入っていないこの箱は
箱のまま、ここにあり ....
訪れた言葉の海
隣で寝ている君には秘密で
自分だけの言葉を捜す
君の目が覚める時の、
僕の言葉を愉しみにしていて。
気がつけば
眼があなたの姿を探す
気がつくと
眼があなたの姿を追っている
いつの間にか
startを切っていたこの想いの
諦め方など
知るはずも無く
忘れる術を
知ることも無い
....
右手を挙げると
鏡に映る自分が左手を挙げた
右手を挙げさせるために
僕は左手を挙げる
外の方から小さな鳥のような鳴き声が聞こえる
空はまだ晴れているだろう
午後は爆弾を買いに都会へと行 ....
くらい部屋の中
あなたはいつからいたんですか
ずっとそこにいたんですか
さっき?さっき来たばかり?
そうですか
全然気づきませんでした
すみません
なんだか元気がないですね
お腹がす ....
夜 が 鳴る
切れた 窓辺
背いた 天井
見知らぬ 幸
消えた 願い
夜 が 立つ
誰 を 救う
誰 が 救う
誰 に 救う
外 に 写る
夜 の 髑髏 ....
あたしは台風の風の音すきなんだ
なんかね、あたしにしゃべりかけてきているみたいなの
だからすきなんだ
通りすぎてもう風が小さくなってくるときは
「ばいばい」って悲しそうに言っているように聞 ....
心の中の本棚に
私小説が増えてゆく
主人公は
いつも不器用で
哀しいほど
いつもみっともない
誰が読んでくれるでもなく
ただ
収められてゆく
落胆のため息とともに
それは ....
胸中に走る恐怖心を打ち消して
一口分の甘い水
リアルと理想が一つじゃないから
至福の罠を{ルビ食=は}む
やっと 今居る場所を把握しました
此処は貴方の部屋でしたね
さっさと退散し ....
君の居場所になりたいと思った
君のそばにいたいと思った
だけど
それを願うほど
願うほど
君を想うほど
想うほど
あぁ 崩れて ....
見上げたら
雨が
矢のように 刺さるように
降ってきた
嗚呼..
殺して
本当に
この眼も胸も 射抜いて
たやすく命を投げ出すよ
眼 ....
大きな円を描いて
ゆっくりとゆっくりと
海沿いの風車
丘の上から
当たり前にそこにある日々とか
ここで今に生きてることとか
海に臨んで
やわらかい強風に
回転している
....
青をゆく
はばたきをただ
目で追って
何も持たない
今日を愛そう
君の昔話を聞いた
左の手首を切ったことがあるそうな
君の事が好きだけど君には彼氏がいる
君の左手は彼氏が抱きしめてくれて助けてくれた
僕はなぜか左手の手首が急に痛くなった。
....
音符のように揺れる花は
ビロードの四面ソ歌
色と音とがマチアワセ
白い夢を真っ赤に染めて
花になれなかった
けれど似てしまった
ゆえに{ルビ永遠=とわ}をゆく
四面ソ歌
知らない街で
洗濯物が揺れている
風に洗われて
青空を映しながら
知らない道に
鳥の羽根が落ちている
素通りなど出来なかった
「これは大空の破片なのだ」と
....
たったひとつの貝殻みつけた
淡い桃色の
虹色の透明の
海風が
ぬるい愛を溜息にして
一筋の髪をゆらす
貴方が
桜貝だと言った
私のではない手をとり
微笑みながら
嘘 ....
あと三日、
レポートの提出期限はいつかの午前0時ちょうど。
かちこちかちこち
時計は無機質に、それでも確実に一秒一秒時間を刻んでいく。
レポートのテーマは・・・・ない。
テーマの ....
手足があったらヘビだって
歩いていたに違いない
晴れた日には日傘のひとつでも差してさ
そうだね、父さん
だからまだ
どこかで生きてて
ゆっくりと朝になっていく一日に
決まったかたちの挨拶を投げ掛けて
次第に集まってくる思考を
開きかけの目で確認する
机の上には
いつからか書きかけの手紙があって
便箋は空を薄くした色
....
伸ばした腕の先の
手のひらの先の
中指の先っちょが
触れるか触れないか、
のところまで
夏が。
列車を待つ顔たち
照らす陽射しの角度を
知ってか知らずか
右へ傾く
....
きいちごを
てのひらのまんなかに
そのとき
ぼくは
きいちごのまんなかに
ぼくは
ちのかたまりになって
なみだをなくす
かわきをなくす
ぼくは
きいちご ....
話したことも無いけれど
重なるこころを
感じるのは
こうして
見つめ合っているからですね
どちらかが
目をそらしたら
そこで
終わってしまうかもしれない
もしくは
すれ ....
6月の快晴に出会って
やあ久しぶり なんて手を挙げたりして
からからに乾こうとしてる街を
隙間を見つけながら走り抜けたりする
名前も知らない鳥が
真似できないような声を出してる
それに ....
雲 のチビ は
ちらり すまして
ふんわり おなか
に まるまって
かくれんぼ なの
だれにも 言わないで
抱きしめたら
ここ へ そら
自分では輝けない 卑怯な星
人に頼ってばかりの 弱い星
僕みたいで 嫌だ 嫌だ
あぁ 違う 僕なんかより 優しいなぁ 月は
....
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