キャラメルを、1粒
ちょうだい
ことばなんかよりもずっと
ひかるから
そしたら
手さぐりでも、歩ける
包み紙は、きっと
捨てない
愛してる、って
100万回叫ばれるよ ....
桜草の花一輪
5枚のハートが
恥らうことなく
精一杯心をひらく
小さな花に
凛とした意地を感じて
思わず息をのむ
春まだ浅い日
甘い香りに見上げれば
せつないまでに
まっすぐに
空に心を開く花
その気高い「しろ」の
哀しみに
誰も気づくことはない
永遠の想いを
美しい花びらの中に秘め
....
失いかけた
午後の空白から
歌が聞こえる
「バイバイ」と言っているんだね
とどまらない風が連れて行く
小さな声の始まり
先端が少し冷たい
君のフライングが
....
柔らかい日差しと
冷えた風が
春をつれてきて
悲しく積もった白に
色を重ねてゆく
それはまだ薄く
儚い夢のようで不確かだけど
確実に進んでいる
ずっとずっと
確実に進んでいける
僅 ....
夜のカーテンが閉まる
弔いを知らぬ星は
明るく輝きながら流れて落ちる
ただの 石なのだと
燃え盛る森を見た
君はどうして嘆いた?
涙を零しながら
涙を零しながら
君の大切なものが
....
徹夜明けにバスに揺られながらウトウトして
ふと見ると妙に見覚えのある景色
昔住んでいたマンションのすぐ近く
バスはぼんやりと信号待ちで停まっている
寝坊して何度も走った駅までの道
新作は ....
通り過ぎる
杖つく老人
風船持つ子供
その子と手を繋ぐ女
それを微笑んで見る男
手元を見る
道端の雑草
薄汚れたスニーカー
縁を茶で汚した空き缶
その中に吸い尽した煙草
....
時の流れとともに忘れそうになる思い出を
この春の風が思い出させてくれる
私の遅かりし初恋の中学3年生
あなたはとてもとても遠い人でした
あなたの顔を見るだけで嬉しかった
話が出来れば ....
この花はまだつぼみで
この花は何色なのかわからないから
どうしようかと考えたのだけど
そのままその花の色をわからずじまいで通り過ぎるのが 嫌で
そのままじっと 待つ
白
白だとわか ....
紙に包まれて
つけられた火
焼けてく匂い
こびりつく灰
からまる 雪
うかれた 後
ほどかれぬ香
きらいなのに
あなたの愛した空は
こんなにも汚かっただろうか
此処だって地上と何のかわりもないのだ
人が憎悪を繰り返し 僕らが骸を踏みしめてゆく
ただ それを知らないだけで
あなたは綺麗だと言う
....
昨日までの不運は
さっきポケットの紙屑と一緒に
コンビニのゴミ箱へ捨ててきた
家までの帰り道
すれ違う車の中で
黄色があったら
明日、君に告白しよう
タクシーも走らない時間帯
....
青いリボンが似合ってる
テディベアを抱いて
恋の炎を静かに燃やして
君の顔を見て
静かに告白
月がちりん、と
揺れました。
ショッピング街の人ごみの中で
ふと立止まった歩道の向こう側で
僕は君をみつける
常に君の影を追い求めているから…
僕が君を探すとき
君はどこにでもいる
誰の中にも
どんな場所にも…
....
部屋の隅の埃や
ガスレンジの油なんかを
うまく避け見ないようにしてきた母
そんな母を、
うまく避け見ないようにしてきた父
そんな父母を、
うまく避け見ないようにしてきた弟
そ ....
与えることも出来ないお前が何を欲しがっているんだ?
誰も何もくれないって泣いてんじゃない。
八つ当たりもするな。
そんなことは無知の輩のすることだ。
与えることの出来ない人に誰 ....
きょうはぽかぽか
おひさまのきげんもよく
きょうはぽかぽか
そらのきげんもよい。
こんなひはおもいきって
あたまのふたをぽっかりあけて
ちいさなこぶのひとつふたつ
とりだしてみたくな ....
すっかりと未確認飛行物体となってしまった彼女が
少しだけ湿り気のある青空の中を泳いでいる
僕らはそれを見つけては
もうそんな季節だね
と、確かめ合う
動き出さない車の列を、指先の
....
なにげなく肩に手を置かれて
無理すんなって言われた
たったそれだけのことで
我慢してたはずのことが
ぽろぽろとこぼれはじめる
無理なんかじゃないって
言おうとしたのに
あとからあとからあ ....
「ごめんね」と去る微笑みの明るさに差し込む翳は「何でもないの」
血の故に告げやりがたき想ひあり 都鳥をばともに見上げて
蕾とは最も若き花なれば 散る痛ましさもて在れるものなり
一月前のあの輝きは無い
追い越されてゆく喪失感が襲う部屋で
一人立ち尽くした
目の前に広がる二人の世界に
泣きそうになりながら
貴方の居ない世界に狂いそうで
買ってきた植 ....
私が羊だった頃
彼は羊飼いだった
それはとっくの昔から知っていたことだったので
彼とはいずれ出会う運命だった
彼との出会いは
幼少期
ベロベロと舐め回した乾電池の
不快感を舌先に ....
夢は
叶おうと 叶わないだろうと
いずれ 消える
残るのは
夢を入れていた
銀色に光る
箱だけ。
君が何を考えてるのかワカラナイ
本当に愛してくれているのかワカラナイ
あたしは君のこと愛してるよ
でも 君はどおなの?
今まで「愛してる」って一言も言ってくれないよね
あ ....
泣き出した空が僕を襲う
甘い痺れを伴う其れ
走馬灯のように
流れる歌
思う
世界は何処かで繋がっている
手を伸ばせば君に逢えると
でもその距離は遠く
僕の目に映らないだけだと
....
雪は雨に変わって降っている
みずからの重さを溶かして
まるで自分を打ち消しているかのように
その姿を相殺している
真っ白だった自分が嘘だったのだろうか
....
天に輝く月をみあげて
あれが欲しいとおまえは泣いた
水を両手にすくいためれば
掌に小さな光の幻
それは本当の月じゃないと
おまえは唇をとがらせる
おまえの見ているその月と
今手の中にある ....
2人の時間はやがて蜂蜜のように
とろけるける様に零れていく。
今ではもうどちらが火を点けたのか分からない。
静かだが時間は確実に重みを持っていて、
2人に時間という秘密の証を与 ....
とおい ひとりごと
いつも とおすぎる ひとりごと
まよなかの いすにすわって
どこかへ ひとりごと
すこしうえのくうかんをみながら
ひとりごと
しずかに はばたい ....
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