眠って楽になれるかと思ったのに


となりにあなたがいないぶん切なさが大きかった。
となりにあなたがいるぶんさみしさがおおきかった。

今日も天井の灯が部屋を満たします
もうここには来ないで、
キミにそう言いました
声がちゃんと届いていたかは
今となっては判りません
あの日以来
キミはここへ来なくなりました
これで ....
ライト浴び無言劇するダルタニャン お前は子馬 若い冬の木 ほころぶつぼみは
握りこぶしを揺らす
乳飲み子の
すこしひらいた
くちびるのように
まあるい頬のように

まだ寒々とそらが暗く
いよいよ産まれる朝、
あなた
病室にとんで来て
 ....
あなたが
雪を詠う
切ないのは
届かなくなりそうだから
冷たくて
だけど
どこかで
愛している
雪を

今年は
初雪も
降りそうにない 空が
窓から見える 私
 ....
憧れは遠く遠く
置き去りのままの夢を追う

呟いて転がしてばかりで
行動に移さない僕は
全てを他のせいにしては
仕様がないって諦めてるんだ

どうせ、が口癖になって
本 ....
優しさにぶらさがる
重なる星の巡り合わせに
ふたりだけの夜
ドブ板通りの古びたカウンターで
わたしをみつめる
瞳と
Never mind
歯並びの良い口元が闇に浮ぶ
迷路のような船底で ....
郵便受けに
さくらの花びら

淡い水色の
小さな便箋

ゆううつの波に飲まれそうな朝のこと

春はまだ見えない
思えば今年の冬はいつもより少し長い

便箋の封を切ると
中からか ....
夢の中に出てきた白いうさぎ
ゆっくり時間を止めてゆくように
振り向きもせず私の伸ばした腕を
そっと摺り抜けて消えて
追い付けない追い付けない

この脚じゃもう走れないのだと
気付かされて ....
キャッチボールする
子供のときのように
幼馴染と
キャッチボールする

幼馴染の大ちゃんの球は速い
少年野球やってたから
川島イーグルス
俺は 嫌いだった

疲 ....
この硬い道には
菜の花など咲かない
けれど
その種までもないと
ほんとうにここにないと
誰が言えよう


それが
ありきたりに書かれた詩だけのことと
誰が言えよう



 ....
血、が、
腹の上にこぼれてとどまる
暗い おまえの血 月がこぼした おまえの血

おまえは笑っている
自分からこぼれ出た色の美しさに
おまえは目を見張る

血、は、
 ....
    
    書架を巡って十代で命を絶った少女の著作にぶつかる度、
    心の中で「勝った」と思う。
    お前は負けたのだ。
    感性は年を経る毎、磨耗して行く。
    この ....
森を歩く
一人きりで
冬の森を
霧雨の中を

凍える手は
いばらをつかみ
血が流れる
痛みを胸に

胸の痛みは
置いてきたもの
馬鹿から始まり
今は世界
 ....
お父さんが
バイバイ
って
言うから
わらった。

もうさ、いいオジサンなのに
バイバイ
だって。

でもさ
あの子が
バイバイ
って言ったら
バイバイ
って返したくなる ....
夢を見なくなる日
その日にこそ私は死ぬのだろう

泣いたりしないって
消えたりしないって
誓って
今すぐに誓って

このくちびるも
この肌もすべて
誰にも渡しはしないから
足の爪 ....
冬だね
ほんと
もう公園の木
裸だね 
寒そうに
ねえ
踊ろう
でもまだ
カーテン
つけてないんだね
外の人々から
どう見える
だろうね
幸せな
風景か ....
寝苦しさに目を覚ますと
やはりホリデーインの一室に泊まっていた
わたしの隣では
脇臭く寝相の悪いやつが
馴れ馴れしくいびきをかいていた
エーチャンのニューグランドホテルは
わたしのこころの ....
先生、誰も来ない放課後です

理科室は薬品の匂い
閉められた
暗幕の心地良い温度

埃が泳いでいきます
気だるい午後です、先生

魚になるにはどうしたらいいですか

答えの出ない ....
あの船乗って、

どこまで行けるかな。

どこでも良いから、行きたいな。

なぁ。

搭乗チケット、

どこにある?
夜になりきれない
うすむらさきの空

段々模様の
やさしい音色

坂道を
駆け足でころがる夕日

向かいには海
やがて落ちると
明日のために蒸発していく

町外れの工場から沸 ....
息をすって
息をはいて
それを一緒に
森の中で

雨にぬれて
森の中で
息をすって
息をはいて

おまえのこころ
いばらのとげに
息をすって
息をはいて

 ....
静かに熱は冷めて
手足に気だるさを感じたのは
不幸とは違います

軽やかで楽しい日々にも
然るべき力が費やされていて
そのままで走る事なんて君にはできない

高低を全てと思うのは
正 ....
鼓動が流した涙三滴
其の肌をつるりと滑った
コンクリートも濡らせない

君の闇も淋しさも
そっと含んで
どうかもっと強い光で返す

望むだけ時間を食んだらいい

眩くなってまた生ま ....
眠れない夜に
レモネード
窓辺にため息
ひとりとひとりが
薄くかすんで
やがて消えた
雲がかる夜

冬の星座が見れたら素敵だね

ひらけた
草原に寝転んで
空を見上げれば
今 ....
冬は寒すぎて白く曇った硝子越しに
遠くに住む貴方を思います
いつ会えるのか指折り数えては
その数だけ溜息を静かに床に落として

ソファに横たえた身体はまだ貴方を覚えている、
あの日の分の温 ....
わたしは幼女になって
あなたに誘拐されたい
ひらひらと
垢ずんでいく赤いスカート


ひとこともはなさない
あなたは
それに気付くことも
ない


わたしたちは
いつか家 ....
あなたがいつまでも
空の切れ端と手を繋いで眠るものだから

私は枕元でやわらかい髪を撫でるしかない
頬を寄せれば懐かしい夏の匂い

あなたの瞳の色と
私の夜の海のような色はよく似ている
 ....
いつだって君はそうなんだ
本当は塩ラーメンが食べたいくせに
なんでもいいよと答えてみせる
そのくせ
味噌ラーメンを食べたあと
必ずこう言うんだ
塩ラーメンが食べたかったのに


アイ ....
刺繍するように
身体に墨を入れて
今年で三年目になりました

太陽は透けないのでいいです
夏でも長袖で過ごします
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それから北極星
目に見える大 ....
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