「もう一歩前へ」という紙が 
壁に貼られていたので 
思わず左右の爪先を前に出し 
便器に少し、近づいた 

振り返れば30余年・・・ 
目の前にぶら下がる 
ふっくらとしたあんぱんを前 ....
人は忘れる生き物だから
私は今 精一杯 貴方を愛すよ

口付けて抱き合って
貴方を想って泣いて泣いて泣いて
貴方に想われて泣いて泣いて泣いて

人が生きてるって尊いって思う
等身大の自 ....
神の妨害がゆるされるのなら

この身を捧げることなんて

鉄と綿を天秤に架けることくらい

結果はわかっていたことだった

地下鉄の階段から見上げた

地上の灯りはとてもましにみえ ....
それなりにしおらしく
包丁でうまいこと裂いてしまった指先
はがすものがなくなって
柔らかな
ぎざぎざとした表皮が波立つばかり
もう覗きこまれない
もう声をかけられない
もう遊べない
つ ....
摩訶不思議な自然にぐるりと包囲されて
板ばさみ
三分の一
いや、二分の三

なんだか無性にガリガリ君が食べたくなってきた、と言って
わたしはわためかな、と返して
あの雲はきっと竜の巣だと ....
ふいに手にした{ルビ銀匙=スプーン}を 
見下ろすと 
逆さの僕が 
こちらを見上げてゐる 

銀匙に映る小さい僕と 
銀匙を持つ大きい僕の 
瞳と瞳の間を 
結ぶ 
透きとほった時 ....
白い壁に掛けられた 
金の額縁には 
名も知らぬ画家の描いた 
淡い水彩画の少女 

朝の光に透けながら 
すきま風に膨らむ
カーテンの窓辺に佇む
黒い瞳の少女 

日々多くの人と ....
通り過ぎる町並み もう君は埋めた

君の意識はずっとずっと深い場所
深くてあたたかくて少し暗い場所

もう、いいんだよ

無理してまで笑わなくていいよ
辛いなら泣いて泣いて泣いて
ぼ ....
旅人は{ルビ叢=くさむら}に埋れて 
横たわり  
いちめんの空に 
浮雲の群を見ていた 

それぞれに{ルビ流離=さすら}う雲は 
違った形の膨らみで 
西から東へ流れゆく 

自 ....
あかい爪から夕焼けにじむ
嗚呼、もう満ちてしまうから

呼吸をひとつ
決して後ろをみないこと
怖いと思えば取り込まれる
気を強く持つこと

廃墟には人ならぬものが住む
見えないから ....
おれは
あなたが好きです

いつだって
あなたがどうであっても
好きです

おれは
太陽みたいな
笑顔が
好きです
輝くヒップが
好きです

どんなに
あなたが
なって ....
こないよ
こないよ
このまま
こないひとになるのかな
って
ぶつぶつ頭蓋骨の中でつぶやきながら
階段を下り
上り電車の風を見送る

制服の女の子が柱によりかかって
携帯を耳にあてる ....
耳を澄まそう
日が翳り
灰色の雲が天蓋を覆う
低く垂れ込めて
最初の一言を

ポツリ



耳を澄まそう
これは
幾千億の雨粒が語る物語
その一粒一粒が ....
帰ろうかな
そう思った
一瞬を幾度か
ちらして!

5月
空は氷を溶かした青で
お花のジェット
バウンド・フォー・トーキョー
千歳の上空から苫小牧
育った家を見下ろした

掘り ....
ほら、
ほろほろと、
ゆれているよ
あかるいね
ほら、
ほろほろと、
もえているよ
あたたかいね
それにしてもきみ、あまりにもしずかじゃないか
あんまりしずかで、あたまのなかのおとが ....
あれがやってくる

あれの足音が聞こえると心が乱される
あれの姿を目にしてしまうと頭が煙る
あれはひどく美しい
あれはひどく醜い

あれはなかなかに有名なようで
あれを有名にさせたあれ ....
き きいていて
み みみをあてて胸の鼓動
の ノイズがかった心拍音
こ こころがドキドキするんだよ
と 遠くに君をみつけるだけで

あ あいまいな今日は
い いつだっておぼろげで
し  ....
パン作りに悪戦苦闘する教室の扉をそぉっと開くと
可愛らしい眼でこちらの様子を窺いだす

仲間外れされているとかの感情より好奇心が勝っているようで
親指を口に含みながらきょろきょろしてる
手足 ....
雨の夜って好きだなぁ
ソルティドッグ片手に呟く夜中の二時
ベランダの手すりには雨粒がいっぱいで
むきだしの足のウラに冷えたコンクリィトが気持ちいい

夜って水の底みたい
キレイに澄んだ水の ....
好きなことをやりなさい

幼いころから言い続けてきた当人は
ちょうど十時間前にツングースカへ
それから五時間
やっぱり心配だからと
いつものように母は後を追いかけて
十分ほど前には
ち ....
北半球の地上の大多数がセンチメンタルにぬかるみ泥に足をとられながら
もうなにも考えてない白目の部分に霧をあびながら歩く
誰かを殴りながら笑う子供たちや大人たちが事実的に母親をレイプしたり父親を殺し ....
太陽という名を持つその花は
光の輪郭を持っていて
「笑って」
と、ほほえみかけてくるのです

大切なものを失って
すべてを噛み殺して
悲しみよりも深くたたずむその人の
かすかな ....
一人の人間の内の 
最も奥深い処に 
遥かな昔 
全ての大事な人が流された 
あの大洪水の悲劇がある 

全てが流れ去った 
広い空の下の荒地に 
たった一人取り遺された 
遠いあの ....
上澄みをそっとすくう
余分なものはなく
柔らかくしなやかで
手のひらからさらさらとこぼれる

太陽の光で酸素を作り
葉は濃緑を強める
表面の細い産毛には
小さな雫が張り付いている

 ....
風の中のミィ

押し潰されそうな
小さな体を
必死に支える
可憐な笑顔

憶えているかな
丸く小さな影
ただ泣いていた
小学校の下駄箱を


風の中のミィ

一瞬でアイド ....
輝く身体を滑らしながら
じゃあ、と
ぜんぜん悪くないじゃん、と
顔の傷痕は唾液で満たされた
腕のそれには
唾を吐きかけ踏みにじるであろうことを想像する

くすんだ紫のパンジーに
行こう ....
仕事から帰ると 
三ヶ月前に世を去った祖母の 
妹のI叔母さんが 
ソファーに腰掛け 
親父とお茶を飲んでいた 

母ちゃんが 
「お茶をもう一杯・・・」 
と言うと 

I叔母さ ....
私の小鳥が死んだ
何度か獣医さんに診てもらったりしたけど
これが胸騒ぎなのだろうか
部屋の錠を開けるのももどかしく逆光に沈む鳥かごへ駆け寄れば
初夏の陽射しのなかで彼は小さな亡骸と化していた
 ....
僕は今、多摩の乞田川沿いにある喫茶店で、 
この手紙を書いています。時計の針はすでに
正午を廻り、歓びの時が近づいているのを感
じます。木目の壁に掛けられた額縁の中の水
彩画は広い草原で、若い ....
誰とも話さず曇りになって
ざんざんと夕暮れが過ぎる日は
きまってしじまがおとずれて
そういう日に
ステレオは死ぬんだ


くちのわるいひとが 正しいこといってる
やさしいひ ....
プル式さんのおすすめリスト(2394)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
便所の貼り紙_- 服部 剛自由詩109-7-21
ねぇはやく灰に成っちゃえばいいのに、- 朽木 裕自由詩509-7-21
人生のオプション- こめ自由詩1409-7-19
生平- FUBAR自由詩8*09-7-14
耳もとの代弁者- FUBAR自由詩7*09-6-25
銀匙の鏡_- 服部 剛自由詩409-6-22
窓辺の少女_- 服部 剛自由詩16*09-6-17
ハロー死神- 朽木 裕自由詩2*09-6-6
ペネタの雲_- 服部 剛自由詩909-6-5
7.廃墟の住人- 朽木 裕散文(批評 ...2+*09-6-4
サーロインステ−キの夜- 草野大悟自由詩309-6-2
半袖二の腕考- たちばな ...自由詩709-6-2
祝婚歌- rabbitfighte ...自由詩10*09-5-27
千歳の空から花々を- たちばな ...自由詩22*09-5-26
ほろほろ- rabbitfighte ...自由詩6*09-5-26
今はだめだけどそのうち仲間にしてあげる- FUBAR自由詩4*09-5-26
きみのこと_あいしているよ。- 朽木 裕自由詩209-5-25
夢あそび- 恋月 ぴ ...自由詩23*09-5-19
雨の夜の底で- 朽木 裕自由詩6*09-5-16
かくも、こうも- FUBAR自由詩6*09-5-13
売春- モリマサ ...自由詩409-5-9
ソレイユ- 夏嶋 真 ...自由詩22*09-5-7
「_遥かな国_」_- 服部 剛自由詩409-5-5
上澄み論- あ。自由詩20*09-5-5
風の中のミィ- 三之森寛 ...自由詩17*09-5-5
低い月- FUBAR自由詩4*09-5-5
「_祖母の部屋_」_- 服部 剛自由詩709-5-4
止まり木のひと- 恋月 ぴ ...自由詩22*09-5-4
結婚する詩友への祝辞_- 服部 剛自由詩709-5-4
prius- あすくれ ...自由詩8*09-5-3

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