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とどくきみ電話の声にねころんで
正しく蒔いたわたしの母音
はじまりの予感にまみれ匂い立つ
いとおしい小さな過ちよ
今日もやっぱり晴れたよねわたしたち
多摩一番の ....
気がつくといつも指先がただぷちぷちと沈黙をつぶしていた。
はずかしいことばからもじもじと指先から落ちてゆくものだから。
いま眼球に接岸されたなみだがセカイに ....
「あれから」
許してね
あなた以外のとなりにも
居てしまえる私になって
「願い」
その本心
その体温とその肌で
虜にさせて
この未来ごと
缶切りで鯖味噌缶を開封し背中まるめてわぶわぶ食べる
薄荷飴ひとりで舐めてさびしがる君のことなど想ってみつつ
朝刊の明朝体が目に刺さる夜明けどこかで鳥が鳴いてる
晴れた日の午睡が好 ....
後悔を/森の奥へと歴史学のような眼差しで引いていく人
スコップを置き去りにした砂場から カイワレの芽が伸びてきました。
透ける陽のメトロノームを記録して/耳鳴りの止まぬ夜を綴じ込む//
....
・国語
休み時間 机の上に伏せられた教科書はみな鳥のかたちで
「死」という字を習い17年経つが何故か未だにうまく書けない
・算数
「算数は嫌いなんだよ数式の突起みてると痒く ....
制服の胸で何かを育ててる紺の靴下はいた娘ら
文庫本読んでる君の眼の中に寄せては返す海が見える日
昼下がりだらりと畳でねむってるわたしだんだん蛇になってく
そこだけが青 ....
暗闇の中を手探りで進んでいたその手が彼女の乳房に触れて
干からびた星を何度も摩擦する妊娠したら教えてよ
バスフォームを投げ込まれるための浴槽で幾億の泡が生まれて消える
水面を波紋が走 ....
陽炎を踏み越え君は手を振って、あちら側へと行ってしまった
家じゅうを掻きまわしつつ探したが、あの日の記憶が見つかりません
路傍にはいつも死骸が落ちている、人かも知れぬ、見ない振りす ....
平安に
三十一文字の 蒼宇宙
君とつながる 回路をさがす
初回だけフリータイム 500円
ホストお茶出す 良いお手前で
成長期
パパには内緒
濡れる影
闇を照らさず
猥虐に啼く
サーチライト君のまなざし射抜かれて
私の愛も浮かび来る海
夜海の波うち際に刻まれる
星のなまえを覚えてねむる
永遠の星を探してしずむ船
嵐の海に記憶も ....
新しい彼女できたら 目の前に
見せつけにくる
死ねばいいのに
哀愁を
助手席に乗せ Jazzを聴く
将軍塚へ
深夜ドライブ
コーヒーが
恋人代わり
8年目
清水焼のカップ片手に
寝る前に
S.O.Sを
キャッチした
京阪ならば
まだ走ってる
乱痴気で
カッパと騒ぐ大手筋
伏見の酒とキュウリを持って
目を隠し
妖月の下
漏れる声
茶室の中は 蛇の花園
原谷は 蒼い桜も咲くのかな
来年の春 探しませんか?
詠めへんわ
北大路橋 好きすぎて
三十一文字に まとめきれへん
狂うほど 心ねじれる想いごと
京都御苑にサファイアの雨
宝くじ
当てたぐらいじゃ建てれぬか
馬鹿か 浪漫か 夢、青閣寺
立ちつくす
出町デルタの亀の上
右、高野川
左、賀茂川
かなしくはないと云ってよあおい檸檬
軽く齧ったあなたとわたし
黒髪が胸にまつわり痛くって
あなたを睨むそろえ前髪
爪を噛むしぐさを憎むいっそすぐ
指を ....
{ルビ八咫烏=やたがらす} 鞠の神社に引き連れて
{ルビ金糸雀=カナリア}に勝つ想い高める
東風吹いて
「 松や竹より梅が好き 」
上七軒に 水色の華
明日もし
京都が海に沈むなら
鈴虫寺で バルサンを焚く
信号の青が延延続いてて
都大路を駆ける跳ね馬
きみと僕 ゼリーポンチと珈琲と
喫茶ソワレのブルーの中に
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