かわいいいあの子は
雨の下
少しあせてる水玉の
傘で雨などなんのその

かわいいあの子は
雨の後
東で澱んだねずみ色
気にせずてくてく歩いてた

かわいいあの子は
霧の中
遠く ....
昨日まで



{ルビ花氷=はなごおり}のように

硬く

わだかまった


かのように

感じても


やわらかく

まるく

溶けていくから

温かく ....
私にキミが敵うはずがない
いくら重たい鉛の鎖で縛ったって
こんなの飾りにさえならない
金属で心まで内側まで縛れるとでも、
小さな窓から差し込む陽射しさえ在れば
私はこんな屈辱など何でもない
 ....
明日 天気になぁれ

私に触れなくなった この冷たいてのひらも
ひかりを浴びたなら
きっとまた息をするから

明日 天気になぁれ
明日 天気になぁれ



(君がはいる箱には金平 ....
わかんなくていいよ
そういってウミスズメは
うなだれて水に入った
ここの漁師たちは野蛮だから
ライフルを持って船に乗る
水面下を飛ぶように泳ぐ君を散弾で撃って
ああ そうさ ....
木漏れ日 胞子
美しい 人

孔雀 ローレル
とまどう 水鳥

暖 かいね
おひさま 涙

この木 何の木
気になる ならない

いいから ほらね
触って ....
こころを動かしたいとき
いちばん大きな目で見つめると
願いを叶えてくれた。
僕らの先生は
車椅子の中で目を覚ますと
もう笑顔になっていた


なにかの手に引かれながら
鼻をつまんで
 ....
素に戻ると
大勢の人の前に立たされた
わたしが
いる
深々と頭を下げて
何を謝っているのだろう

  トナカイのそりに乗り
  飽きることなく
  眺めた
  白夜の物語

あ ....
「彼は悲しい」

これは詩の言葉です

「わたしは悲しい」

これとは違って

「彼は悲しそうです」
「彼は悲しがっています」

「彼は悲しいそうです」
「彼は悲しかった」
 ....
いさかいなんて どこにでも あることで
うつろなんて 小石みたいに ざらだね

かえすがえす なおざりに うらがえる
そうじゃないだろ ほんとうはなんなのかの思い

ただずまいは  ....
稲妻でみんな酔って終われるって言うから此処に来た
だから早くそれを出せばいい
そう言いながら手を傷つけて血を流しながら
貝殻を握りつぶしている友達を笑って見ている
俺たちはライトアップ ....
君には聞こえないだろ

聞こえても理解出来ないだろう

光を切り裂く鋭利な悲鳴が


今も、この先も

僕がどれほど君を按じても

決して届くことはないだろう

ただの恨 ....
もしもキミと出会っていなければ
忘れる事が出来たとしたのなら
今とは違う路を歩んでいたでしょう
時に神は試練を与え
何かを試そうとしているかのように

止まる事を許されない日々に
もうき ....
そして日々は
あっち行って
こっち行って

僕らみんな
あっち向いて
こっち向いて


ほい

ほい

ほいほいほい


しっぺ

でこぴん

 ....
通り過ぎた 風さえも

気付かずにいた

砂が音を立てて動く様を

刻々と形を変えて

時の流れを映し出す


あれは


昔見た

深海の物語
 
 ....
雨の夜に雨宿り

海の底にいた頃を思い出すと
今でも胸がぎゅっとする

引き潮の晩
こっそりと寝床を抜け出して
海岸線で眺める淡い月

明くる晩も明くる晩も
私段々と海から遠ざかっ ....
トランス トランス
理論武装はくだらない

タイムラグは暗い森のなか
赤い糸 赤い空 赤い海

トランス トランス
灰になり消えるグノーシス



君は何処へ行ってしま ....
持っているの?
あなたに尋ねられて
思わず
持っているよ。そんなものと
答えてしまった
だけどね
ほんとはね
バッグのなかを
さんざ探しても見つからなかった
どこかで買えるのかな
 ....
クックー
       クックー

どこかではとがないたね。

クックー
       クックー

おなかがすいたのかしら?

クックー
       クックー

あたしには ....
いつか君の病気が治ったら
どこにでも行こう
そのときまでに俺は
いろんなところを見ておくから

いつか君の病気が治ったら
カンパイしよう
缶ビールでいいよ
もう薬はいらない ....
ふわり



帰宅ラッシュの駅のホームで

不意に香るあの人の匂い

名前もしらないあの香水

忘れもしない

アタシの精神安定剤


でも

もう手に入れることはか ....
あのね

くろっかすの花が咲いたよ^^

あなたからの電話が

あったとき

くろっかすの花が咲いたよ^^

早くあいたいって

くろっかすの花が咲いたよ^^
妖精に満ちた部屋に
姫は住んでいる
王子を待っている
永遠に続く
冬の魔法が解かれるのを

ときどききらめくのは
姫の笑い声で満たされた
妖精たちの柔らかなお腹だ
 ....
この季節になれば
川幅いっぱいに押し寄せる銀鱗
浮ぶ屋形船を押し退け
向う岸まで
命をかけ
届けようとするもの
人生の在り様
私の意思
立会川の岸辺には
あなたへ
手渡そうとした手 ....
いいやもう
いいやもうって
思います
僕の言葉は
風に呑まれる

だってさあ
だってさあって
いうけれど
風が吹いたら
それでさよなら

いいやもう
いい ....
染まる涙色の虚空に
放つは壊れた思いが
キミに届きますようにと願って
誰か受け止めて
優しく受け止めていて
じゃなきゃ僕は砕けてしまう

立ち尽くして見上げれば
底のない ....
いま何処に居るの、と

夢枕
教えてはくれないでしょう

窓の向こう
{ルビ東雲色=しののめいろ}に染まる前に

君に逢えるとは
決して夢にも思いませんが
吐き気がして目が覚める。
目覚めは無論最悪、だ。
身体が熱を持っていて体温計を手探りで探しながら思う。

こんな人間でも生きている。

熱を持っているものなぁ、この肉体が。
体内のなにか ....
ねえ覚えている?
初めてあなたと出会ったのは
裏通りにあった小さなヘアサロン
あなたはまだぎこちなくて
遠慮がちな手つきに
硬く閉ざしたこころの奥で
何かが弾ける音がした
(誰かを好きに ....
背中がまがっているよ
葉巻が落ちたよ
おじいちゃん
手を 貸すよ
おじいちゃん

買い物のビニール袋が
たくさんだよ
おばあちゃん
手を 貸すよ
おばあちゃん
 ....
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