水在らあらあ





血、が、
腹の上にこぼれてとどまる
暗い おまえの血 月がこぼした おまえの血

おまえは笑っている
自分からこぼれ出た色の美しさに
おまえは目を見張る

血、は、
電灯のオレンジ色で金色に縁取られる
動くと、こぼれる
たたみに 吸われる

俺の腹の産毛も
金色に輝いて 震える
血、が、落ちる
たたみに 吸われる

蛾、が、
いればいい
でもここはそんなアジアじゃない
東京の
燃えない空の下

燃えない空の下
真っ赤な帽子をかぶって
おまえはスキップで
おまえは飛んで

おまえの後ろを
自転車押して
俺はついて行く
カラカラいう後輪の音が
永遠に
続けばいい

燃えない空の下
おまえは飛んで
オリオンを指差して
吐く息は白くて

永遠に
心中しそうだ
おまえといたら
東京の
燃えない空の下にいたら









自由詩Copyright 水在らあらあ 2007-02-04 06:37:54
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