お盆休みも通勤バスに乗り 
車内で騒ぐ 
夏休みの学生達に 
ちょっと眉をしかめて 
掻きわける 

向かいの席に座り 
あくびをするサッカー少年の 
膝には擦り傷があり 

痛そ ....
猿の姿をした雲が 
夏の夜空をゆっくり流れる 
胸の雲間に 
今にも満ちそうな月を 
光らせて 
「幸」という文字を 
鷲づかみしようとしたら 
いつまでたっても 
この手は空を切りました 



全てを手放し 
両手をまあるい皿にしたら 
今までよりも「幸」の文字が 
くっき ....
食事を始めた 
一口目に 
山盛りポテトフライの皿の 
隅っこにのせられた 
パセリを食べる 


噛み切れない小さい葉達が、苦かった。 


今日も世界の
あちらこちらの食卓で ....
50を過ぎた看護婦さんが 
休憩時間も惜しみ 
寝たきり患者の爺さんに 
パンを千切って食べさせる 

勤務を終えた夕方 
棚に書類をしまう
白衣の背中から 
電池が一つ、ぽとんと落ち ....
「オクターブ」という 
ぼくの素敵な詩友の本 

表紙を照らす 
オレンジの陽だまりが 
不思議な熱で 
夏風邪に冷えたぼくを 
温める 


頁を開くと、追悼詩。 


若 ....
色んな事があった
色んな事が起きた
そして泣きたくなった
そして私は赤子の様に喚き散らした

あぁ
私の体の中に流れる血が
あなたから引き継がれる血が

嫌だ嫌だ嫌だ

私に ....
小さな塵が蒸気を集めて
やがて雨になっておちてくるように

僕の小さな悲しみを
あなたが優しくくるんでくれるから

ほら

こんな簡単に泣けるのを
僕は雨のせいにしている
紅茶を飲む
どんどん飲む

あなたは珈琲を飲む
どんどん飲む

これだけ飲んだ分、涙を流して別れたら
みっともないなと思いながら
今日も紅茶を飲んでいます。
続いている
オルゴールの音

好きだけど
どことなく野暮に聴こえたりするから
そっと、こっそり耳に当ててた


今は
化粧台の
片隅にちょこん、と
やるせないとは

どんな気持ちだ

胸の高さまでの柵から

少し乗り出して

空を仰いでいるのか


柵の欄干あたりで

透明度の高い水が

溢れそうに張りつめながら
 ....
こんこんきつね

きみの右手のきつねさん

うすあかりのした

きつねさん

忘れないよ

ううん

忘れられないよ
砂を
体中の空いてる
穴に詰めていく
埋め立てた人工の砂浜の
ほつれたぬいぐるみが
さみしそうに息をしている
「あなたのコドモを産むよ」
と笑い
雨上がりの
草いきれで肺一杯にして
 ....
庭先にすずめたちがいて
すずめのてっぽうが生えていて
猫は砂利の上に寝転がって
ぎい、と蛙の声
ベルギー流の燗つけビールを飲もうか
中国流の人肌ビールを飲もうか
いや今日は
常温の日本酒 ....
無機質な玄関で
蝉が震えていた

柔らかく透明な
命の中心を捕まえて
僕は木の根元で蝉を放した
けれどその木に蝉は止まらず
僕の掌を蹴って飛び立った

まるで七日間の全てを振り絞るよ ....
むっとするような草の匂いをかぎながら
僕は雨を待っているんだ

こんなふうに湿った空気の朝は
何だか楽しくてしょうがない

もういいかい
まあだだよ

ほら向こうで呼んでる声がする
 ....
{画像=080805022047.jpg}

掴まり立ちする息子を支え、
私に振り向く妻の肩先に思い出す情景がある。

思い出すとあの日私は
父親の傲慢な仕打ちに猛然と腹が立ち、
押し入 ....
太陽の光の届かない海底で暮らすのはどんな気分だろう。昼と夜の区別のない世界で暮らすのは。
「おはよう」と、彼女が言う。おはようと僕も答える。彼女がベッドの上で軽く伸びをすると、乾いた音が小さな僕の部 ....
蜂の巣が近いらしい
家の裏山の方へ行くと
飛んでいる蜂と ぶつかりそうになり
私も蜂もあわててよける

洗濯棒の近くの花の中で
仕事中の蜂も時折いるけれど
そっと ぱたぱた 洗濯物をかけ ....
{画像=080802125241.jpg}

梅雨明けは嘘だった
というような空模様だよ


交差点の上には
大きな曇り空があって
今日一日分の雨の塊が
固まって浮かんでいる

 ....
細い金属質の陽射しが
容赦なく肩に、腕に、
きりきりと刺さって
サンダルの真下に濃い影が宿る

忘れかけた思い出は
向日葵の未成熟な種子に包まれ
あの夏
深く青かった空は
年 ....

めざめたら
体中が赤の水玉だらけになっていた
なんだか痒くて仕方がない
そのうえ頭皮にまで広がってるらしく
頭をかきむしらないといられない

体中かきむしっていたら
いつしかわたし ....
花の都
水の都
霧の都
東の都

東京を愛することと、孤独を愛するということは
同一である
という意見に賛同しない
猫を愛することと、孤独を愛するということは
同一である
という意 ....

机を彫刻刀で切り付けて
切れ目をひとつ作って指で開くと
そこに海が広がっているときがある
授業中やお昼休みの間はつま先から飛び込んで
そこでじっとしていた
息ができないという点では ....
わたしの生まれ育った村には
鮮やかな花が咲いていて
広大な田地が広がっている
野良犬がそこらじゅうにべとっと寝ていて
曖昧な微笑みを浮かべる村人と
いないはずの人たちが生きていた

たと ....
{画像=080726153050.jpg}
手帳をいっぱい持っている。
このリングノートも扉のところに3つの住所が書いてある。
入っているカバン毎に、
引き出しから入れた雑多な順番に出て来るメ ....
わたしのバッグは黒色で
いつもぷくっと膨らんで
それで非常に重たいです
いつも利き手で持つ為か
右腕だけがだらりと伸びて
地面に付くほどになりました

バッグを持っていないと均衡が取 ....
カサブランカ
生まれてきたのだから咲きなさい
生み出されてきたのだから

生み出されずに
生まれてきた生命はいない
自分で自分を産むことで生まれる生命なんてない

カサブランカ
生ま ....
ミミという女の子がいて
今もどこかで生きています

彼女は
ゲームセンターのUFOキャッチャーで
お母さんにキャッチされ
取り出し口から生まれてきました

生まれたての彼女は
背 ....

川底いちめんに
青白い子供たちの顔が
隙間なく敷き詰められて
にこにこ笑っている
岸辺で何かを探すように
水底を見回しているのは母親たちだ
自分の息子や娘を探しているのであろう
で ....
プル式さんのおすすめリスト(2394)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
21世紀のサッカー少年達_- 服部 剛自由詩208-8-14
猿の魂_- 服部 剛自由詩708-8-14
幸せの文字_- 服部 剛自由詩508-8-14
パセリ達_- 服部 剛自由詩1708-8-12
「_電池_」_- 服部 剛自由詩408-8-12
ジムノペディ_- 服部 剛自由詩10*08-8-12
引き継がれるもの- 蜜柑自由詩4*08-8-11
「優しい雨」- ベンジャ ...自由詩18*08-8-7
紅茶- くしゃみ自由詩4*08-8-6
アンティーク(仮)- 長谷川智 ...自由詩3*08-8-6
柵と距離- 水町綜助自由詩1208-8-6
きつねさん- こころゆ ...自由詩3*08-8-6
水のための夜- モリマサ ...自由詩3708-8-5
冷やを一献- 佐々宝砂自由詩7*08-8-5
善いものに似ていた- 自由詩5+*08-8-5
かえる- 未有花自由詩19*08-8-5
因循と輪廻と繋がる想い- beebee自由詩18*08-8-5
今夜月明かりに虹を見る_Ⅱ- rabbitfighte ...散文(批評 ...508-8-5
誰でもよかった- 砂木自由詩26*08-8-3
8月1日- beebee自由詩808-8-2
遥かな夏のスケッチ- 銀猫自由詩22*08-7-31
著しい退化- 吉田ぐん ...自由詩10+08-7-31
東京- rabbitfighte ...自由詩31*08-7-29
学校と女子と男子- 吉田ぐん ...自由詩1608-7-28
(また)見えない人の話- 吉田ぐん ...自由詩1708-7-28
ぼくのリングノート- beebee自由詩1908-7-26
バッグの意味- 吉田ぐん ...自由詩1308-7-25
なかったことになにもならない- 小池房枝自由詩2008-7-21
_ミ_ミ_- 吉田ぐん ...自由詩1908-7-21
夏の変なこと或いは、幽霊の始まり- 吉田ぐん ...自由詩808-7-19

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