心から上空にひざまづき
僕は僕の意味にねじれて
弦のようにのびた僕の影は
ひょろひょろと地表を這い
さびれたビルのなかを
真っ黒な煙突の中を
のぼってゆく
....
はるか
遠くから落ちてくる
手袋の記憶を
あなたが
持っていたとしても
それは
あなたの
責任では
ありません
あなたが
ベルギー産の
山羊の肉をとてもとても
好きだっ ....
わたしが歌っていても
お魚に私の歌は聞こえない
お魚は水の中で泳ぐだけ
ただひたすら泳ぐだけ
止まらずに
わたしは歌い続けることはできない
踊り続けることも
楽しいことは
長く ....
燃え上がる舌を晒し
触れるものすべてに火をつけてゆく
光の鎖骨に 首筋に
街と街を結ぶ橋の手足に
遠去かる星
斜めに傾く黒の山から
突き出された光の棘が
天の耳へと ....
錆びた鉄柱が立っている
裂けめは花に覆われている
雲ひとつない空
掴むところのない空
川沿いの砂利道は
小刻みな縦揺れ
見向きもしない水鳥
呼ぶ声に顔を上げ ....
朝、
日をもらおうと
下ら
光合成
きっとしません
二本足の私
の下
白猫が
まわったら
南天の裏
五時間
黒点を盗めるだろう ....
いつものことだけれど
早々に月がやってきたので
まだ授業は始まらないわよ、と
太陽に聞こえないように
こっそり耳うちした
けれど
待つのは嫌いじゃないから、と
頭をぽりぽりかきなが ....
スポットライトの下
フィールドの上
走る君の姿が愛しくてたまらないなんて
声を出した
君の名を呼んでいた
必死に叫んでみた
君の名を呼んでいた
知らぬ間に
知らぬ間に…
暗闇 ....
二月の光
鳥たちの
沈黙が凍結
して
透明な
風だけが
鋭い水面を
冷たく
鳴らす
ダイエットしなきゃ、が口癖の姉
断食して水だけ飲む生活をやってみたり
耐え切れなくなって、
林檎や人参ジュースに切り替えてみたり
その結果、
ほんの数?落ちてたりすると
それだけで、すぐに ....
届いたのは
明日の朝刊だった
あわてて死亡欄をチェックし
自分の名がないことに安堵する
そのあとゆっくり
予定を手帳に埋めてゆく
きみにとって
なんでもないことが
あたしにとって
すごくおおきなしあわせになるの
きみの笑顔が
きみの声が
きみの存在が
あたしにきらきら
しあわせをはこんでくれるの
ねぇ ....
苦しみは甘い飴玉
背後にうつる光の影に
緋色の苦しみあげよか
今このときこそが
幸せだとは気づかぬ豚に
肥えよ
肥えよと
飴玉やろか
....
イタリアンレストランでとりあえず出された
コップ一杯の水
その中の四つの氷が
カランと鳴った
その音は
僕が心の入り口にはっているフィルターを通らずに
そして
入り口でさえない場所か ....
駄々ィズム ダダ ダダ
たたいて太鼓 ダダ ダダダ
只 只 無量億銭満の苦
苦しみは 遺すこと 持っては行けない大金庫
冥土の土産は何にしよう
持たざれば 憂いなし 肩の荷もなし 歩く ....
あなたが好きで、歌ってくれた
よく歌ってくれた。
録音して、僕に
歌わせようとまでした
その歌を、今聴いている
僕の体のなかで
あなたが、腕を広げるよ
その歌を聴くと
あな ....
何してるかと
気になる君にe-メール
だけど押せず拒む送信ボタン
ねえ、雨
+
音
+
遠い
+
いつも
+
記憶
+
遠い
+
ねえ、雨
+
崩れる?
+
崩れない ....
【透明人間の憂鬱】
透明人間の悩みは
最近、髪の毛が薄くなってきたこと
これでも若いころは
リーゼント、ヨロシクきめて
ハマのあたりでバリバリに透明だったぜ、ってなもんで
今ではバ ....
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