高い塔がある
空を突き抜け街を{ルビ睥睨=へいげい}するように
その塔はそそり立っている
塔には一人の姫が住んでいた
囚われているのではない
自ら閉じこもっているのだ
目も耳も口も絹糸で縫 ....
虹が遠いね

暗がりのなかからは

遠すぎるね
音は高く
鳥の背にのり
光はにがく
水をつぶやき
道にこぼれる
日々の花房
砂の花 花の乳
うすくくゆる みどりの


建物は泣き
門は目をふせ
かつての幸は
 ....
雨上がりの砂利道を
そろりそろりと踏む石の
聞こえてくる砂音に耳を傾ける
それは優しさ

道の左の林より
枝から枝へと飛ぶ鳥の
聞こえてくる羽音に耳を澄ます
それは温もり

どこか ....
山になった洗濯ものの回りで
君は
春のような
スキップを踏む
  {引用=おうちを買わなければ、よかったね
だって、お金持ちだったんでしょ?
たた、たたん}
ちいさな袖をそろえて
重 ....
カモメは海沿いの線路上を飛んでいる
超低空で
軌道をいささかも外れることなく


線路は間もなく
海を逸れて山間へ入る
線路に添うか
海に添うか
カモメにとっての岐路だ


カ ....
 穏やかな夜に静かに沈もうとする頃
 心亡き者が一石を投ず
 心に{ルビ小波=さざなみ}広がり
 ベッドの上の枕が震える

 執着する人
 努力する人
 無欲な人
 流されるままの人
 ....
背中、くっついちゃうね。
語尾で分かる、彼女は眠りそうなんだと、
顔が見えない。
抱き合って繋がりあって、その先まで考えていたけど、
今はこれがコップの全て、せ(か(い
違う世界を見ていかな ....
きみの首はしろくてほそくて
手折られるのを待ってる野菊の茎
だなんて
心底バカ丸出しな手紙を見つけて
真夜中にひとり
わたしはけらけらわらった
ああそうなのねそうなんだ
だからあのひとは ....
壁のシミを眺め続けている
時間を潰す方法はこれしか知らない
退屈でも見ているしかない
やる事がないこの檻の中では仕方ない

嘗ての王も今は見世物でしかない
本能のままに生きる事も ....
はみ出した所から全てが始まった

海に浮かぶごみの中に紛れ込んだ

君宛の手紙を運ぶビンはもう

壊れきったままのものでしかなかった

それくらいいいんじゃないか

突然 ....
雨の糸の隙間に
夜は満ちて
ストーブの熱が
そこだけ幸福とでも言いたげに
ほんのり春を創っている

きみと並んで傘をたためば
二人の水滴は
余分な約束事のように散らばって
冷えた ....
その昔
まだ名前も与えられなかった頃
僕に
綺麗なモノの綺麗さは届かなかった


1

深い山の奥底で
熊の子供が眠っていた時
その兄は僕が殺したのだった
子供の寝顔に銃声は似合 ....
今日もまた
灰色の空から一日が始まる
青い空は心の中に閉じたまま
銀色の光が大地を支配し
赤い光は記憶の中に収められる

今日もまた
紐でかたく結ばれた一日が始まる
網の中に入れられた ....
ひかりとひかり
あしおとといき
たどりつく波
ひらく手のひら


水に溶けぬ火
沈みつもり
水面に映る
底に棲む泡


ひとりきりで
かがやきを増し
いつか冷え ....
ちょっと遠くまで 一人旅してきます

行き先はブルゴーニュ地方 はじめて行きます

街の真ん中にある ノートルダム聖堂の

ケルト信仰と錬金術に関係があるって噂の 漆黒のマリア像に

 ....
 細い糸のような雨が上がった
 日が変ると同時に止んだ
 
 慌しく過ぎて行く日々に
 ひび割れていく心
 解こうとすればするほど
 拗れていく魂

 腐るほど希望の詩を書いたけど
 ....
先生、あたし気がつくとコンパスの針で手を刺しているの
ぽつんぽつんと赤い点が、やがて一本の線になるまで

先生、あたしその血を舐めると少しだけ安心できるの
一瞬の痛みがはしるたびに、何処かの記憶が ....
            すでに

            半月の爪に
            とまるもの三種、
            触れずに。

            立ち昇り
 ....
甦るのは思い出だけです
断片という名の時の死体です
「昨日は、昨日は、昨日は」と繰り返す事がARTだと囁く幽霊が日常です。
あなた今22歳で ボクは25歳
驚きの年代はもう過ぎた話です ....
悲しみの向うには喜びが待っている

苦しみの向うには楽しみが待っている

嘆きの向うには笑いが待っている



転んだ先には支えがある

傷ついた先には癒しがある

 ....
僕の賞味期限はいつまでだろう?
本当は知らない間に過ぎてしまっていて
もう味も鮮度もすっかり落ちてしまって

いやいやまだまだ青二才で青臭く
まだまだ未熟で食べられなくて
誰からも本当は相 ....
机に置かれた一枚の写真

若い母が嬉しそうに
「 たかいたかい 」と
幼い彼を抱き上げている

年老いた母は安らかな寝顔のままに 
「 たかいところ 」へ昇ったので
彼はひとりぼっちに ....
冬の中に
君の白い息が眩しくて
なぜか視線をそらしてしまう
ぼくがいる

冬の中に
君の凍える姿が悲しくて
なぜか空を見上げてしまう
ぼくがいる

冬の中に
ぼくの凍える姿に手を ....
短く鳴く鳥たちが
午前八時の校庭で遊ぶ

焦げ茶の葉の大木も寝惚け気味の柳も
滑り台の隣でそれを眺めている

薄い墨を何度も引いたような空は
まるで暮れかけているようにも見えて
私はそ ....
都市
その足元は黒に染まる
灼けては、また凍える
現代の 大地とでも呼べるだろう

黒くなった三億の悠久
忘れられて
尊くも足下 誰も
誰も、考えはしないで

あんまり痛くて、裸足 ....
歩き続けることに疲れた旅人 
巨木の木陰に腰を下ろす 

見上げた冬空の青に 
突き刺さろうと伸びる枝々 

北風の唄に散る 
枯葉の舞 

その{ルビ一片=ひとひら}は 
旅人が ....
{引用=
クラヴィ・ヴィエイヤールは小さかった

どのくらい小さいかというと あなたのまぁ 半分くらいで


俗に 小人と呼ばれる 種類の人間だったのかもしれなかった

けれど

 ....
 弱音を吐くのは
 辛いからではなく
 お前に甘えたいから
 優しく
 俺の頭を撫でてくれ
 お前の胸で眠らせておくれ

 大事なものが日々失われていくよ
 不安なんだ

 俺の指 ....
北へ向かえば
沙羅(しゃら)と響く、雪の羽音―――




心地いいほどに
絡まる、しらべ
高みにずれてゆく、音階
いつだって夢から、さめたら
君が立っていた
両の手に
 ....
LEOさんのおすすめリスト(5185)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鳥籠あるいは高い塔- 石瀬琳々自由詩19*06-11-28
分光の距離- たりぽん ...携帯写真+ ...11*06-11-28
ノート(庭)- 木立 悟自由詩506-11-28
雨上がりの砂利道- ぽえむ君自由詩15*06-11-28
はだかんぼう- 佐野権太自由詩45*06-11-28
一羽のカモメ- 杉菜 晃自由詩15*06-11-28
- 山崎 風 ...自由詩10*06-11-28
ハピネス- ピッピ自由詩9*06-11-28
創書日和。白_【ながい首】- 佐々宝砂自由詩12*06-11-27
ライオン- 海月自由詩6*06-11-27
フクロウのエレジー- こめ自由詩1506-11-27
漆黒の髪を愛する- 銀猫自由詩42+*06-11-27
狩人- 士狼(銀)自由詩7*06-11-27
夢と希望の種は冬に宿る- ぽえむ君自由詩11+*06-11-27
夜のまぶしさ- 木立 悟自由詩706-11-27
遺書- もも う ...自由詩44*06-11-27
雨上がりの路地裏で- 山崎 風 ...自由詩13*06-11-27
「自殺志願の子供たち」- ベンジャ ...自由詩9*06-11-27
飛跡- 静山和生自由詩406-11-26
手紙- 藍静自由詩17*06-11-26
逆転の発想- DirectConnec ...自由詩11+*06-11-26
サヨナラばいばいまた来て再来- プル式自由詩7*06-11-26
母のお守り_〜ある母子〜_- 服部 剛自由詩20*06-11-26
冬の中に- ぽえむ君自由詩16*06-11-26
午前八時- 松本 涼自由詩706-11-26
60、アスファルト_【あすふぁると】- 雨宮 之 ...自由詩8*06-11-26
落葉の栞_- 服部 剛自由詩1406-11-26
クラヴィ_ヴィエイヤール- もも う ...自由詩58*06-11-26
間違っていたのは俺- 山崎 風 ...自由詩10*06-11-25
雪とバニラと僕らの関係- Rin K自由詩29*06-11-25

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