{引用=山里に出会ふ少女はひたすらに
   坂下り行き{ルビ畠=はた}のトマト赤し}



D展に出す絵のモチーフを探して
山地を旅していた
山里の道を歩いていくと
籠一杯のトマト ....
私は
花びらが一枚足りないの
みんなは五枚なんだ
でもね


  一 

ずっと前、
私は小さな種でした
ほんとに小さくて、軽くて、やわらかかった
あの土と、この風が私を育て ....
雨が降り続く秋の中で
公園のベンチは
誰も腰かけないまま
しっとりと濡れてゆく
何もない無の空間に
わずか一瞬だけ
背もたれにスズメが立ち止まる

雨が降り続く秋の中で
公園のブラン ....
雨の日は車走らせ
竹崎の港近くに
暮らす人に
会いに行きたい

有明の海の色が
変わる岬を教えてくれた人

晴れ渡る野上海岸
目をほそめ沖を見詰めて
夢を 夢を 夢を
語った
 ....
薄曇りの空は
上から私を見つめるが何も語らぬ
道端の花は
小さくひそやかに咲いている
緑は影含み揺れゆるやかな坂へ
おいでおいでする
白いガードレールは
くたびれながら道案内をする

 ....
夕暮れの町をポストに向かって歩いてく
人気ない目抜き通りへの道
工場の白い壁も
道路の白線も
うっすらと しぼったオレンジの色

何でもないのに突然
泣きたくなって
駆けだして
海へ ....
銀色の風が
大地を鳴らしながら
通り過ぎてゆく

その音は
眠っていた自分の何かを
覚まさせ
体内を駆け巡る

灰色の雲が
大空を渡りながら
広がってゆく

その塊は
横た ....
真夜中
雨の音で目覚めた
まだ家にはカーテンがないから 
部屋の中は 
街灯のオレンジ色で

隣に寝ているはずのおまえが
窓際に立って
そとを見ている
おまえのい ....
深く透き通るマリンブルー
淋しいとき 悲しいとき
涙はどこへ行くのでしょうか
海の奥底に沈んでいる
私の心は宝箱の中
涙の泡に包まれて
静かに息をしているのです
毬栗が黄緑色に膨らんで

山の稜線を彩つてゐる

棘の一本一本は張りつめても

刺々しさはなく

光と風と大気に丸く包み込まれて

和んでさへゐる

さうしてなほも ....
 
 街灯ともる裏通りを一人で歩けば
 時折窓越しに明かりが灯る部屋がある
 それぞれの生き様
 それぞれのステージ
 
 未来に向けて蓄える夜の宴
 近づいてはならぬサンクチュアリ
 ....
秒針が/ちくともちくとも何かを刻む/焦燥をこぼす君の眼差し

自死を希う/君の髪からフレッシュベリー/毎晩シャンプーしている癖に

此の世には/奇跡もドラマも無いけれど/幻覚や妄想なら ....
お元気ですか
少し高くなった空が
今日はなんだか優しくて

お元気ですか
ぽっかり浮かんだ雲が
とても愛らしいのです

遠回りしてのんびりと
線路沿いを歩いていると
どこからか夕飯 ....
もうすぐ寒くなるというのに
数人がかりで
髪の毛をぽんぽん抜き取って
大きな車に詰め込んで
あっという間に
丸刈りにされてしまった

みずみずしくふさふさだった
髪の毛がなくなって
 ....
どんなに難しい本を読んでいたとしても
喜怒哀楽
たった4文字に人のこころは捕われて
(それってほんとだよ
いつになったら大人になれるのかな
つまらないことに腹を立て
投げつけたことばの痛み ....
君が糸電話を作っていた
夕暮れまで
まだ時間があるというのに
いったい誰にかけたかったのか
小学校の図工の時間のように
器用な指先で紙コップの底を切り取り
セロハンを貼っている
 ....
なんだか、さ
時々ね、息苦しさ
感じるんだ
生きにくいのかな

何が悪かったかな
この手じゃ、上手く
人に触れられない
差し出した手が、すれ違って

この手は何のためにあるのか?
 ....
雨が来る
雨は去る
屋根は
何も変わらない


陰の色の石があり
誰も通らぬ道があり
雲がひとつもない日にも
常に陰のままでいる


花は風に放られて
雨をつかま ....
子供の頃は
船乗りになりたかった
世界中を旅して
冒険して
人食い人種にとらわれて
奇跡の脱出
漂流して
魚食べて生きて
雨を集めて
さめを殺して
奇跡 ....
服を脱ぎ捨てながら
でもそれはなんだか恥ずかしくて
でも人間だから好きあってるから
服を脱ぎすてながら走る

それはチューリップで
色とりどりのチューリップで
 ....
{ルビ滑稽=こっけい}な自分の姿を{ルビ罵=ののし}られ 
哀しい気持で歩いてた 

帰って来た家の門の 
足元に置かれた 
ハロウィンの{ルビ南瓜=かぼちゃ} 

皮をくりぬいて 
 ....
風が吹いている
この胸をくすぐるように
どこか時の蒼い彼方から
やわらかなレースのカーテンを抜けて
あなたは夜へと駆け出してゆく
裸のつま先で踊るピエレット
夜露に濡れた草を踏みしめて
 ....
三ヶ月で始まりから辞めていく
そんな僕らはどこかが壊れているらしくて
東京の角という角を、折り合わせるようにして
閉じていく
手のひらは合わせるためにある
僕らは壊れているらしい
継ぎ接ぎ ....
紅葉が近づく{ルビ樗谿=おうちだに}は
とうめいなたくさんの蛍が
言葉だけつまった
名前だけの思い出を
夕暮れにかえそうとする

いろだけになってしまう
ぬくもりを失うと
とうめいにな ....
ひとつの星が
ひとつかみの曇を引き連れてゆく
定まらぬ夜の噴水
戻らぬものの行方
はばたきの影


かわいた溝を雨が流れ
羽を持つものはみな飛びたち
持たぬものは淀みに廻 ....
{引用=




花の種を撒くように
あなたはゆっくりと回転する
スカートが揺らめき
微かな銀色が
しなやかな指先から
こぼれる

それが
遥かに
風花のように
わたしに ....
秋風に揺られ 
無数に実りゆく 
夜の小さい太陽達 
 
今にも落ちそうな実に 
枝はしなる 

自分らしく熟れるのを待つ
世界中の人々のように
ぶら下がる無数の実が
枝から離れる ....
苺ジャムから
苺を引いたら
夕日が残った
誰も地下鉄になど
乗ったことの無い町だった
くすんだ陽射しの中
食品工場の隙間では
猫たちがよく逢い引きをしていた
友だちにもみな両親 ....
目の前をみつめると 
十字架は橋となり 
わたしの明日へと架かっていた

振り返ると 
両腕を広げたまま 
横たわる人の体の上を 
気づかぬうちに踏みながら 
産声を上げた日から今日ま ....
 頭が数字でいっぱいになると
 詩が書けなくなる
 
 不満が解消されて
 悩みがなくなると
 詩が書けなくなる

 人に伝えたいことなんてないときには
 詩なんか書かなくていいの ....
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