{引用=落花することに歓びがあるとするならば
目の前に横たわる海鼠状の災禍を受け入れてみたい}

あなたと
わたし
コロシアムと密かに呼び合う
誰ひとり立ち入ることの無い塔屋の片隅で
ふ ....
{引用=



水の中を
月が通り過ぎていく

 旅人は何処へ行くの



水の中を
夜が通り過ぎていく

 旅人は何処へ行くの



水の底を
風が歩んでいる
 ....
今日は静かな雨
君と焚き火をしよう
やさしいぬくもりでは
凍えてしまう夜だから
黒松の薪なら
煙は雲まで届くだろう
そしたら湿り気の凝集で
雨が雲から
絞り出される

だから焚き火 ....
世界とか行方とかについて
疲れてしまったから
無限とゼロの類似性は
数えられないことだと
簡単に片づけてしまう
いつのまにか求め合うことに
せっかちになった二人は

不要になる地平を燃 ....
水曜の午後は
bossa novaの和音に肘を抱えて
白い器の縁をみつめている
くるりと立ちのぼる
緩やかな湯気の香りで
部屋中を染める

耳からこぼれおちる
綿のようなものを
すく ....
朝、ぼくの季節は二十五歳で
ざらざらとした空を
東から西へ
たとえそれが夢だとしても
渡って、どんなにボタンを押しても押しても/押しても
改行できないでいます



ぼくが、ベーコン ....
 
 
まだ夜の明けないころ
街は少し壊れた
機械の匂いがする
昨夜からの断続的に降る雨が
いたるところ電柱にも
あたっている
いくつかの窓の中には
ささやかな抵抗と
使い古された ....
眠りの先にある風景を知らない
手にしたジャックナイフでは
届かない、刃先

夢をおぼえている、というあなたは
きっと眠ってはいない
暗闇の向こう、世界で起こっていること
肌の外の全て ....
胸は
すぐに
いっぱいになります
それゆえわたしは
多くを連れて
行けません


あなたを
はじめて呼んだ日に
こころの底から呼んだ日に
海は向こうになりました

永 ....
過保護な獣は病みやすく
保護なき獣は
{ルビ傷=いた}みやすい

野に{ルビ棲=す}む者よ
たがいの{ルビ荒=すさ}びが
見えないか


涼しさ寒さは紙一重
闇夜も夢も
紙一重
 ....
{ルビ海鳥=うみどり}は
{ルビ淋=さみ}しくないて いますよと
波間のふねを
そよ風が
帰っていって 透きとおり
なき声ひくく羽ばたいて

夕べの斜陽が今朝方に
燃え映ってしゃらしゃ ....
手でも叩こうよ
しあわせであっても
そうじゃなくても

しあわせなら
よりしあわせになるように

そうじゃないのなら
少しでもしあわせに近付けるように

できることなら
あなたの ....
予感する、
みどりの枝葉は
たわわなきんを孕み
ひとときの甘い溜息や戸惑いを
その足元に散りばめる

枇杷色の、
おぼろなる気配は
風の匂いに神無月の宵闇を語り
遠くなった声の記 ....
黒髪を 風にすいては色もなく

岸辺に咲いた 白い花

ひんやりうずく 視線に限られ

カラスアゲハは はねを日に焼き 沈黙を舞い千切る
降り出した季節のはじめのひとしずく 僕は知らずに踏みつける夜


おぼえてるもうわすれてる ふりだしではじめにふったさいころのめは


泣き出した君の最初の一滴を 知って知らずか{ルビ宇宙 ....
ブランコに乗って何度も旅をしたね反抗期の君と僕とで


ジャングルジムの骨組みの向こうに君の悲しい生家が見えてる


シーソーしながら語りあった夢の驚くほどあっけない軽さ


愛 ....
きみの
笑顔の理由を
そっと教えてくれないか

ぼくらはそれを
上手に広げてゆける
知らないうちに
新しくする


ささいな物を
拾い集めてゆくことが
ぼくらを作り
 ....
そこはいつも
清潔な湿度と
せつないじゅうりょくの
香りにみちている

身ごもったおんなたち
髪を横に束ね
しずかにもたれている
雑誌をうつくしく取りだし
うつくしくめくる
とろと ....
無いものねだりをするよりはと
秋の白い雲流れる堤防で
ひとり
清貧ということばの意味に思いを馳せる

それはあまりにも懐かしいことば
仄かなランプの灯かりを頼りに
見果てぬ夢を追い続けら ....
プール前の花壇に
コスモスを見つけて喜んでいた そのくせ
君は、緑色のため池に沈んだ季節を
あまりに切なげに指す
わかってる 
君も、僕と同じ色が好きなんだろう
空のいろ、でもなく ....
十月の、
霧雨に染みて
薄紅いろの細胞膜が、
秋桜、
空に透ける

十月の、
夕暮れの風に惑って
枇杷いろの金木犀、
満ちる、そこらじゅう

それらの
秋という色や匂いに混 ....
 
 
あまりに静かなので
どうしたものか
耳を澄ますと自分が
階段になっていることがわかる
踊り場には
温かい春の光が落ちて
多分そのあたりに
思い出はあるのかもしれない
遠くで ....
湿ったソファーに沈みこんだ
少女の
くちびるからもれる
母音の
やさしいかたちを
泡にして
水槽のふちに
浮かべている

*

贈られた模型を
にこやかに受け取り
持ち帰って ....
瓦礫に腰かけて
悩んでいる天使がいた
天使でも悩むんだ
と僕は云った
天使だから悩むんだろう
と君は云った

そうかもしれない

どうして悩んでるんだろう
と僕
翼が汚れているか ....
あいの里
しのつく秋の{ルビ雑木=ぞうもく}
湯ぎりのしずく
かじかむむねのめぐみよ

髪を結い
知らぬみちをぬけて
はにかむ街へ
いつか人とはぐれて
ふちにたたずむ
銀のあかりあ ....
どんな町にお{ルビ囃子=はやし}が鳴り響いて
どんな町で葬列が連なってんのさ
僕は家へ帰る
青と黄色と黄緑のガラス窓が
なにかしらハンマーで叩き割られて
キリキリ、と
破片が落ちてゆく床に ....
   いさり火の あかく燃えたつ 秋の暮れ



いっぴきの蜘蛛は、
自分の領分をわきまえて
一心に一糸の糸を張りめぐらす。
それはそれは正確で絶妙に

果して、
わたしはどう ....
   1

真っ直ぐな群衆の視線のような泉が、
滾々と湧き出している、
清流を跨いで、
わたしの耳のなかに見える橋は、精悍なひかりの起伏を、
静かなオルゴールのように流れた。
橋はひとつ ....
  曇る窓の先は雨
  バスの湿り気に汗ばむ
  ポケットのハンカチ
  フロントガラスをぬぐうワイパーの往復が
  息苦しさをリズムにのせようとする

雨の降るしくみは
学校で教わった ....
うそは泥棒のはじまり
だったはずなのに
ひとは誰でもうそをつく

愛するが故のうそだからと
あのひとは
目も合さずにつぶやいた

その場しのぎのうそを重ねて

針千本の〜ま〜す
 ....
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