朝の車の中で
おばあちゃんは
他のお婆ちゃん達に
七色のあめ玉をくばって
僕にもくれた
「 このあめ玉をなめると
元気百倍ですね 」
というと
おばあち ....
仕事を終えて入った喫茶店の夕食前
紅茶をすするカップを置いてほお杖をつき
今日という日を振り返るひと時
名も無き群の
無数の足音が響く
駅構内の朝
職場の仲間と
腹を抱 ....
今日の空が知りたくて
朝から空を見上げれば
昨日と同じ秋の空
でもどこかが違う
昨日はつぼみだった山ゆりが
白く大きく咲いている
今日の空は少しだけ
昨日の空より白かった
今日 ....
そらにもよ
でっかいそらが まつんだと
まんずだまって みあげてみれ
そっだらここちが するもんだでよ
ふしぎなもんさな
なしてかな
はらっぱはよ うみのすみっこなんだと
うなば ....
★調整中
苦しみの果てに何が見える?
真夏のアスファルトからの熱気に倒れそうだった
僕自身を映した蜃気楼はゆらゆら揺れる
あの日のままの気持ちでいるのに
君はそれを気が付かないふ ....
{引用=
青と蒼のはざまに
すれ違う風
伝言は儚く
雲は 日常を
虚しく過ごすばかり
遙かに空を
跨ぐ人がいるのだが
躰が透けているので
気づく者はほとんど ....
乾きたてのネグリジェーは柔らかく
僅かに生臭いにおいがした
貝のぼたんが付いている
それを
人差し指で
上から順にさわってゆくと
真ん中のぼたんだけ
緑色の丸いぼたんに
付け替えられて ....
しらないものが多すぎて
わたしたちはいつも
上手におぼれる
陽射しとは
なにを探し出すための
あかりだろう
こたえなどわかる筈もなく
求めるわけもなく
わたしたちはいつも
上 ....
めぐり めぐる時と共に
あの花の香薫る 季節
甘く むせる 思い出の色も
今は {ルビ永久=とわ}に
鼻先を 掠めて
通り過ぎていく 季節に
涙は 見せない で
浴室に腰掛けて身体を洗っていると
虫の声が
地面を敷き詰めるように湧きあがって
ワッショイワッショイ
ジーンリージーンリー
私を神輿にかついでいるつもりらしいのだ
それならこちらも ....
めざめては指に生まれし水かきで午後の終わりを泳ぎゆくひと
ゆきずりの他人の家の軒下に丸く在るもの季を唱うもの
届かない遠い川原に届かない指の軌跡の光あおいで
....
りんごは優しく指を濡らし
珈琲は
のどぼとけを笑わせながら
そっとすべりこんでくる
隣のうちのベランダに
タオルケットが干してある
いつから干してあるのだろう
もうずっ ....
夕方。
昼過ぎから降り続いた雨は思い出したように止み
濡れたアスファルトに朝日のような夕日が射すと、
ちょっとくたびれた世界は
透きとおった群青色と鮮やかなオレンジ色の輝きで覆われる。
....
露草がぽつんと畦道に咲いておりました
宇宙まで大きく口を開けていそうな
高く澄み切った空に負けない
素敵な蒼い色
雨にも負けず
風にも負けず
道行く人を
ほっと和ませる可憐なけな ....
ひとりきりで終りはないと真空で泡立つの
そんな風に青く生らないで
わたくしのけじめ
まるい樹木で虚実は木霊している
朝日のもとを{ルビ死霊=しれい}が
破邪をささやき帰還してゆく
....
コップの中
流れを止めた水源
下りの道の続きにある
渇いた喉へ
飛ぶのは 鳥
咲くのは 花
記憶ならないもののほうが多い
逆らえるのか
蕾でしかない このカオスは
海 ....
あなたの涙が溢れたら
サラサラ、サラサラ流れたら
それは小川となって流れます
サラサラ、サラサラ流れます
あ ....
本当の暗闇と出会う
それって
なかなか難しい
ひとつひとつの灯火を消しても
寝付けぬ夜に何処より話し声が漏れて
この街の闇は仄かに明るい
本当の暗闇
それは遠い日の感触
胎内にいたとき ....
1時限目が つぶれた 朝
キャンパスの 帰り道
銀杏並木に
ふたり
きみは
華やぐ 銀杏 舞い散る中
静かに
愛を 告げて くれました。
さっき
あがった ばかりの
....
■ 置き忘れた5つの願い
01.過ぎた日の幸い
あの頃、あたりまえだった会話
なんてことない仕種、見せた表情
日向ぼっこしてるみたいな、
....
茜の風に肩を撫でられ
少し頬染め
薄紅色に髪が笑う
少女の儚い夢のように
秋桜揺れては
深い空に落ちてゆく
花びらが落ちた空には
ほんのり波紋のうろこ雲
今日が ....
光が光をまとうとき
ひかりかげり かげひかり
静かに昇る
譜をめくる指
文字の見えない
明るさの紙に
ひとつをひとつに書きつけて
降りつもる音を見つめている
....
通りゆく
たわわな枝の柿の実は
豊かな秋と心実らす
歩みゆく
連なる虫の声を聞く
奏でる秋と心響かす
鳥が舞い
遠い空へと消えてゆく
秋の広さに心飛び立つ
木の葉揺れ
....
空に想いは寄せる
いつの日もいつの日もみつめた
あの青さだけが私の願いなのだ
{ルビ天鵞絨=ビロード}のような雲の浮かぶ
平和で満ちあふれたあの空へ私の心は向かうけれど
我が蒼穹よ 私は ....
難しいことは考えない
人は考えたくないから本を読む
僕は本を読まない
思春期に読んだ本は数知れないが
相手を攻撃するだけ
自分を守るためだけに本を読んでた
言葉だけは覚え ....
いい匂いの おねーさん
風にゆれる 若木のような
ほほえみを ふりこぼして
うつろいよりも はやく
少年を 朱に染める
親父・母ちゃん婆ちゃんは
姉・婿・孫娘のいる富山に行き
一週間は帰らないので
家はがらんと広くなった
仕事を終えた帰り道
夜空を見上げ
雲から顔を出す十五夜お月さんと話し
....
おはようございます。
(みつとみ)は晴れた日が続かないと元気がなくなるようです。
そこで。
道ばたで(みつとみ)を見かけたら、
鉢にいれて、水をあげて、
晴れの日はテラスやベランダに置い ....
自分というものに
気がつき始めたこの頃は
どこか落ち着かなくて
みんなと同じことをしていても
同じではなさそうで
みんなと違うと思われたくなくて
同じことをしている自分が
自分ではない気 ....
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