ノート(庭)
木立 悟





音は高く
鳥の背にのり
光はにがく
水をつぶやき
道にこぼれる
日々の花房
砂の花 花の乳
うすくくゆる みどりの


建物は泣き
門は目をふせ
かつての幸は
壁に触れ
ぬれた指で
ゆうるり歩く
光の重さ まばたきに散り
踏み敷かれ踏み敷かれ
かがやく音


ふたつの月
屋根に咲いた
花を手わたす
あおときんいろ
降りつづく
くだけ こぼれ
降りつづく
十一月 十三時
おごそかに
さわがしく
終わりはじまる











自由詩 ノート(庭) Copyright 木立 悟 2006-11-28 14:37:37
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