つんと鼻を刺激する
空気の冷たさに驚いた朝

慌てて出したコートには
お気に入りのマフラーが巻かれていて
それは大袈裟かもしれないと
くるりほどけば
ひらり舞い落ちた
枯葉が一枚

 ....
夜闇の波に揺れて
わたしの海は広さをなくす


いったい何が不安なのかと
ひとつひとつ問いかけてくる波に
ひとつも答えることもなく


わたしはひとり揺れている


「あ」から ....
足先の温みが一つ消える こんな夜は

君が 遠い目をするものだから 


私は 少し寂しくて

シャリ シャリ シャリと 梨を剥く


窓辺にもたれて 膿む月を

仰いで君は  ....
たとえば
あなた宛てにメールを出して
それが
行方不明にならない
しあわせ

届ける
ことはできるんだ

つながってはいなくても
 

時折
いたずらな風 ....
こっちは雨だよ
と、すこし憂欝そうな声
じゃあ明日はこっちも雨ね
と、窓から空を見上げる

それくらいの距離

おやすみ
と、ささやく声を
耳をくす ....
長い長い坂道を
あなたと手をつないで歩く

冬が終わりかけて
ぼんやりとした太陽が
あたしたちの後ろをついて来る

あたしはもう、終わりだと思ったし
あなたはまだ、何も始まってないと言 ....
溶けない絵の具で描くように
毎日が色を重ねていく

とうに恥じらいをほどいた僕には
全ては取り乱す間も無く
宙の中に起きているようだ


それでも毎日は
すれ違い ....
ちぐはぐなまま
外より
ガラスばかりみて

自分の眼すら
写ってないんだ

だらしないと
陰で言われるよりも

だらり としている
時間が いらつく
なのに 

しかけに  ....
何時ものように口ずさんだ歌は
受けとめてくれるはずの
君の笑顔をすり抜け
秋の日の溜め息となる


少し言い過ぎたのかな
でも一度口にした言葉は
もう取り消せなくて
気まずい思いを残 ....
わたしの空より
青い青いその先に
あなたの見ている空がある


夏から二ヵ月毎のカレンダーを剥がして
こころの奥まで秋が染みた日


それぞれの手に触れる温もりは
少し哀しい距離感 ....
お前との間には
いつも渇いた隔たりがあり
少し上向きの
幼い口びるに舌を寄せても
私の熱はひんやりと
遮られる

お前の泣き顔が好きだ
ほうけた赤い目と
くずれてしまった化粧が好きだ ....
橙色の風が吹き
壁をめぐり
木々を螺旋に上下する
ふいに無数の猫になり
屋根の高さの季節を乱す


吐息が導く双つの手のひら
合うようで合わないはざまから
遠く見知ら ....
 秋のこがねに
 ざざめく山の

 ざんざと落ちる
 もみじ葉に

 分けいりたくもないわと
 言うに

 うでを掴みし
 指の強きに

 あゆみ とふとふ
 ついて ま ....
「      」

昨夜のあいさつは、耳からこぼれる雨のよう
に切なく潤い熟し、さららと色を空を映す欠
けては満ちる月の鏡。

お早う
もうこんな時間
そろそろ失礼します

耳に残 ....
薄暗い軒先で
植えてもいないのに咲いている
高貴とは程遠い
紫の嫌な匂いを放つ花を
じっと 見ていた



「毒に彩られた花やね。」と教えてくれた
少女の丸くかがんだ背中から
 ....
歩き疲れた素振りを見せず
意固地なくらい背筋を伸ばして
灯りの少ない舗道を歩けば
月の兎と靴音だけがついてくる


無感情に道程を辿り
行く手を遮る列車を見送ると
何故かしら
乗りそ ....
生足は季節のアンテナで
感じる微かな蠢きを捕らえては
白い小箱に忍ばせる

真夜中のブランコ
揺れる君のくるぶしは
季節はずれのアンクレット
楽しかったはずの映画も
楽しみだったはずの ....
貴方の瞳があまりにも
澄んだ色をしているから 
向かいあうと俯いてしまって
貴方の爪先ばかりを見ている

眩しいと感じるものが苦手で
目を逸らしてしまうのは
自分の穢 ....
真っ青な空が広がる秋晴れの日
息絶えた老婆は白い{ルビ棺桶=かんおけ}に{ルビ蓋=ふた}をされ
喪服の男達の手で黒い車の中へ運ばれた

人生の終止符を告げるクラクションが低く鳴り響き
親族と ....
曇のなかで
ねじれる光
灰に 銀に
尽きることのない色に
池を隠す雪の上
蒼い熱が散ってゆくさま
その繰り返されるうたを聴く



けだものはけだもの
世界を狩る ....
影を切り絵にする
凍てつく月夜


わたしの秘めた暗闇を
湿った地面に縫い付ける


月をみたか


わたしには

眩しすぎる
視線をゆきます。

ひっそりとした
鋭角な色のない
告白にも似た存在の道

とぎすまされた意志の果てには重く輝く種子が宿る

涙で
洗われた深い瞳
そこに秘密を映す

答のない ....
まるで代わりのように、降る
悼むように
かき乱さぬように
しずかな泣き声の、雨

追われていく時間
ぎりぎりのところで
感情の発露をせき止めている

こころの中に
墓標に傘を差しか ....
コンクリートジャングルを
見下ろす
蒼い空に
真っ白な
ぽわぽわ羊が
たゆたっている

壊れてしまった
レコード盤のような
日常に
膿んで
見上げる空は
高い

鋼 ....
九月
暗闇
繰り返す
その色痛い曼珠沙華
あちら側から手を振るあなた
私の空洞から風が吹く

愛して
愛して
愛してやれなかった
愛して
愛して
もっと愛して

暗闇
抜 ....
涙は
流れることを許されず
瞳にとどまっていた

雨が
かわりに泣いてくれたので
辛うじてプライドを保っている

物語は
最終章を目の前にして
頁を閉じられた

栞を
 ....
まるであなたの
唇のような色でした


10月
神様のいない月に
願い事は増える一方で困ります


去年きれいに咲いた
シクラメン


冬に灯りをともすようにして
春先まで ....
木がねむると
木のなかに
ほんとうの木がうまれて
風にふれようとする

風がねむると
風のなかに
ほんとうの風がうまれて
空にとどこうとする

空がねむると
空のなかに
ほんと ....
薄暗い廊下の突き当たり
古い鍵を回せば
きらきらと埃が舞うだけの部屋

東のカーテンは色褪せ
ピアノの音色は床に転がって
ソナチネの楽譜も気付かぬふり

窓の外には
金木犀がほろろ零 ....
手のひらに感じる暖かさがあれば
他には何も要らない


日々思い出を積み上げても
それは単なる一里塚
それは儚い夢幻
振り返れば跡形もなく
積んだ記憶さえ残ってはいない


手の ....
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