地獄の沙汰どころか
こうやって生きているときから

あの人は言った

ひとと獣の違い
それは
困ったときに
頼れるものがあるかないか

思いとか信じるとかのことなの

そう尋 ....
揺れる草の歌を
聴こうというのだろうか
歌おうというのだろうか
草の名も
知らないまま
指先が風を求めている
腕が踊りだして
足取りは流れて
太陽の光に浮かれてしまえば
もう
ここ ....
青い
夜明けのような{ルビ苧環=おだまき}の花を行き交い
小さな蜂が羽を震わせている
光は飴色に輪を広げ
触れるたびに緑の葉は揺れ動く
あいさつのように かすかにそっと


      ....
ファインダー越しに 麗しの笑顔
シャッターを切る 指先は まだ青い

かわいい少女 カメラの中に とりこむ
永遠の一瞬 フィルムに焼き付ける

  あざやかなグラフティ 妖精のストーリー
 ....
少し離れた
海のようなところを
目覚まし時計がひとつ
泳いで行きます
古い色のバス停で
返却期限の過ぎた図書を
二冊抱えたまま見送る
息継ぎだけが
わたしの動作でした
レイン
あのとき足音にかき消され
君の言葉が聞こえなかった

雨が降る
自由が再び吸い込まれていく
星が湿度を復元する
束の間の動作
長旅を終え
地面に歪んでは消える ....
フロントガラスに映る
木漏れ日をなぞって
睡眠体勢をとる
 
外に出てしまうと
少し、汗ばむ陽気だけれど
一つ隔てた世界では
丁度良い感じだから
 
 
上昇気流に乗って
飛ばさ ....
山鳥は、
 語りえない

ゴム、しゃぼん
 せかいは いとも
  かんたんに

 喧嘩する
  きみを ぼくは零す
しゃぼんのせかい しゃ
 ぼんの せかいは 簡単に
 ....
真ん中に
するり、と
 
入り込んで
溶けきった後
 
成長を、開始する
 
 
君のその
心に根付いて
 
愛という
餌を貰って
 
大きく、なっていく
 
 
 ....
目頭が熱くなるほどに
時愛おしく
過ぎていく一秒すらも
繋ぎとめておきたい と 
願わずにいられない
名残惜しいのは何

少年は大人になる
しなやかな指も
小さな顔も
 ....
{ルビ劔箭=つるぎや}神社からの
細い参道の坂道が好きだった
不思議な人体図がかけられた漢方薬局
古ぼけた占いの館
必ず救われる新興宗教の教会
日本で3番目に大きいという大仏
確かめようの ....
重い体をずるずる引きずる
生ぬるい風がどろりと吹き抜けて
自分の中の何かがさらわれた気がした

もう疲れたよ
寂しいんだ
どこかに寄りかかりたい
もう埋もれてしまいたいよ

山積みに ....
曲がり角ごとに鳥はいて
夜を夜をとまたたいている
青紫の窓がふたつ
甘い手管にひらかれてゆく


うすぐもり
なりひびき
皆なにかを
抱きしめるかたち


昇るもの ....
この街の何処かで
ステロイドの人形が
冷えた歌を奏でる時
 
私はきっと
あの、行きつけのカフェで
モカカプチーノを
ゆったりと
啜っている
 
 
帰宅途中の少女が
出かかっ ....
海に還る
手続きはいらない

横たわり
網膜を青で満たしたら
循環する感情を
濾過する

やがて
余分な手足は
抜け落ちて
流線型になる

心配するな
そのころには
陸な ....
「ゆうれい列車」




ホームで下を向いていたので
うっかり
ゆうれい列車に乗り込んでしまった
しまった
向かい合った二列のゆうれいたちが
脚をそろえて腰掛けている
脚は途中か ....
春がじかん切れとなり
贅沢な地下鉄のゆれにまかせて
それぞれ 肩から鳥を逃してゆく
そらにまいあがれ、ちぎれないままで 
そらを

みじゅくな鳥が
春の隅っこを
ゆっくりと ....
取り違えられた

色の壁
名前を聞かれて
「青」
と答えてしまう

投げた
配水管の中に
あいまいな
猫が
右目がつぶれてしまって
横たわっている
弧を描いたらしい
血が ....
帽子の話はひととおり終わり
白い塀が先の方まで続いています
突き当たりの干物工場を右に
道順を教えてくれる指先は節くれだっていて
足元には重いものに潰されたような
カマキリの一部が残っていま ....
いずれにせよ桜は散っていく

まるで、まわりくどい恋文のように
あなたと僕の間を、{ルビ廻=めぐ}っていた感情は
不意に来たあなたの訃報でかたちとなって
ただ、ひたすらに他人でありつづけた奇 ....
ほんとうはね
「ほんとうはね」っていう言葉が嫌いなの
何だか嘘をついてたみたいじゃない

たしかにね
「ほんとうはね」って言う前に言ったこと
やっぱり嘘になっちゃうかもね

でもね ....
蒼穹はさらに深く
眩い雲はほのかに流れ行く
若木の緑をそよがす風は
初夏の薫りを匂わせながら
見晴るかす彼方へ消えて行く
雲のまにまにのぞく{ルビ天色=あまいろ}に
いつか見た白い炎が燃え ....
          2007/05/09


ポイントはありません
小さいご不在連絡票が
黄色い髪の毛を立てて
吠えるように伝える
こだわりを捨てて
気密服を脱いで
カプセルに滑り込 ....
赤い夕日が広がって
誰かの背中が燃えている

ゆっくりとオレンジ
急ぎ人が赤々と

今日の日よ さようなら
夕食の炎と共に
醜い私達 燃えてしまえ

赤い夕日が広がって
誰か ....
街角でポストが見張っている
僕は急いで携帯を隠す
桜の葉が、ぬるい風にざわめく
雨!

雨の予感だ

宛名のインクが溶けぬよう
ビニールのファイルに挟み込む
ビルディングに巻かれ ....
青い空には初夏の風
まぶしい光が地を注ぐ
流れて落ちる水の{ルビ音=ね}に
心潤い何思う

青い空には初夏の風
きらめく光が地を包む
なびいて歌う草の{ルビ音=ね}に
心安らぎ何描く
 ....
小さな馬が一頭草を食んでる
いただきます、も
ごちそうさま、も
一生分言ったのに
まだ何も言い尽くしていない

クイーンズタウンの山の上にある
レストランで食事をした後
近くの牧場で馬 ....
     1

逆光の眼に飛んでくる鳥を、
白い壁のなかに閉じ込めて、
朝食は、きょうも新しい家族を創造した。

晴れた日は、穏やかな口元をしているので、
なみなみと注がれた貯水池を、
 ....
ひとがひとの形をして笑っている
ひとがひとの形をして泣いている
国道を走り
国道は走られ
やがて国道は海へと続き
ほとんどのひとはその手前で右か左に折れ
他の所へと行こうとする
ひとがひ ....
月見て一杯 花見て一杯
六甲卸を耳にし 乾杯

寝起きに一杯 寝る前に一杯
浮世を笑って 一杯二杯

酒代 かさんで 家賃滞納
これが お酒と 生きる道



冬は熱燗 行き見て ....
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