雨上がりの路地裏で
山崎 風雅
細い糸のような雨が上がった
日が変ると同時に止んだ
慌しく過ぎて行く日々に
ひび割れていく心
解こうとすればするほど
拗れていく魂
腐るほど希望の詩を書いたけど
そんなものはイミテーション
本当の心の深いところでは
いつも涙が止まらない
所詮生きても7、80年
何を残そうか
何を残そうか
くだらない日々に
諦めモードの携帯電話
頼むから寝かしてくれ
喧騒の街は苦手だ
やみくもにここまで走ってきたけど
手に入れたのはわずかな常識
モラルの網にかかった俺は
心の旅にも出かけられない
細い糸のような雨は上がった
失うことの怖れを感じて
冒険ができやしない
この生活を守るため
未知の扉を開けられない
暗い路地裏で
天を見上げる
まだ雲に覆われた空
微かでも繋がっている心ならば
希望の詩が聞こえてくるはず
どこまでも続くのが
詩人の言葉ならば
せめてもの救いになる
細い糸のような雨が上がった
少し心が軽くなった