果てしなく続く乾いた砂地が
太陽の熱で温められ
そこに幻の水が出現するように

終わりなく続く乾いた心が
生きたいという気持で温められ
そこに幻の言葉が出現する

私の詩とは
そんな ....
ぼくがまだ見つけない 明日の
呼吸の波は、かぎりなく無音で
おしよせては、
皮膚のあいだに刻まれた旋律を
からめとりながら
引いていく


奥深い場所で対流する
なまぬるい記憶、ある ....
昨日の月は

尖った 細い 月爪だったので

夜を枕でくるみこんで

空を引掻いてしまわないように

唄を歌って

ふかい、ふかい 息を吐いたら

枯れた冬 ....
寝過ごす街に喝を入れるのは
ピンヒールの靴音

一年中食べ過ぎたり、飲み過ぎたりする街が
眠り姫の物語する季節は春

ぽっかり微笑む陽射しに
散歩中の乳母車の赤ちゃんも
営業中の働 ....
空の、あまりの青さが
出逢った日と同じ色をしていたから
なんだか違和感を覚えてしまって
それを誤魔化すように
むきになって笑ってみた

ここは夜景もいいけれど
飾り気のない素顔の街が見え ....
 最果で
 今年最後のさくらが咲いている


あの日、工場の辺りにはやっぱり同じような工場がたくさんあってね、その中ひとつの敷地に桜の大木が並んである。
バスも届かないくらい、おおきな桜だ。 ....
  


なんも取り柄のないあたしと
ぜんぜん特別のないあんたが出会って
余りある 寂しさと
どこまでも続いていた 手持ち無沙汰に
いつしか
一つ屋根の下 暮らし始めた

特別 で ....
君は
君の家に入らない

雨が降っているというのに
軒下の風を嗅いで前足を舐めている

私の上には屋根があるので
髪に降るよりも
雨は、
硬質な響きで
音の羅列を渉っていく

 ....
山奥の一軒の家のために
立てられた電柱は
その家に誰も住まなくなってからも
一人で立っていた
電線はつながっていたが
電気が流れることはもう期待できない

電柱は昔を思い出した
まだそ ....
むずかしい顔をしていても
だれかに名前を
許すとき

見えない風に
腕だけ乗せる、ような
わたしはひとつの窓になる


だれかの背中のさびしさに
おもわず声を
かけるとき

 ....
わたしのなかのうたが
青い蝶になって
空の彼方へ飛んで行った

鳴り止まないオルゴール
うたのないまま時は過ぎて

今頃おまえは
どこを飛んでいるのだろう
どこでうたを歌っているの
 ....
こくどうぞいの
みんかの
せまい
げんかんさきに
すいそうが
ほうちされている
あまみずがたまり
みずは
じょうおんのまま
やはり
ほうちされている
かつて
そのなかには
ち ....
 僕は夜遅く ドラマチックレコードを聴く
 布団の中に潜りながら涙を流す
 あの頃の記憶が蘇ってくる
 僕の膨張した心を絞り出して涙が出てくる
 雨に沈んだ森
 僕は君の作ってくれた様々な布 ....
例えば。
それが三人称で、
神の視点で書かれているとすれば。
神の背格好や学歴、
食べ物の好き嫌いから、
性的嗜好に、
初体験の年齢と相手とその満足度まで。 ....
トントンとドアを叩く
あまがえるが立っていた
雨が降りすぎてねぇ
しばらく雨宿りさせてくれないか

あまがえるは
びしょびしょの体をタオルで拭いて
どっかとソファに座り込んだ ....
暖かな夕焼けを背負って
私は昨日を歩いている

土手の草陰に置き去りのボールと
空に絡まる電線

川の水は流れているようにも
流れていないようにも見える

背中を温める夕焼けが
実 ....
      1

眠れない夜は、
アルコールランプの青白い炎に揺られて、
エリック・サティーのピアノの指に包まれていたい。
卓上時計から零れだす、点線を描く空虚を、
わたしの聴こえる眼差し ....
夜が
更けていくと
ほつほつと
灯る
微熱の痛み

37.2度の
隙間から
零れる昨日
裏返る
あした
だから
つまり
なにもないのさ

首筋に
うっすらと汗
瞼の裏 ....
まとわりついてくる光の粒を
まとわりつくまま歩き出せば
光はしびれをきらしたように
ぽつりぽつりとうたいはじめる


ああもうこんなに沈んでいたのか
足を持ち上げ
足のかたちが ....
その上目遣いのまなざし
裾に纏わりつきながら
思いっきりの
甘え声で
欲しいものをおねだり

あなたの笑顔は。わたしの総てだった

もう少し我慢したらと
皆に言われた
おとこのひと ....
太陽    なのか?

がのぼったまんまだ

もう ずっと

ぐっしょりと潤んで


乾かして

からからに

ぼくらを

見上げない
滅多にぼくは
ちかごろ

 ....
シロイ、

がたくさん

シロイがたくさん

かさなっていて

シロイのむこうに

エイエンがあって

エイエンが

ケハイを

ころしながら

 ....
ゆふぐれ
ふみきり
みずたまり


おむかえの
はは、したがへて
黄いろいぼうし
せおう赤


あたらしいくつ
よごさずに
じょうずに
とべた、よ


はがいっぽん
 ....
小さな夢も
大きく育って
素敵に叶うと
信じてる

小さな希望も
大きな翼となって
はばたけると
信じてる
せなかに
けいさんきをうめたのを
わすれたまま
ひとは
いた

ひふのうえから
るうとのあたりを
おしてあげた

ひとはときどき
ひとであることを
わすれてしまう
らしい
あぁ、マリー
君は覚えているだろうか
あの丘で、あの木の下で、僕は
白い、{ルビ花冠=はなかんむり}を

あぁ、マリー 君は
少し頬を、赤く染めて
そのリンゴを、僕は
優しく、ついばん ....
霧雨で
全部言ったら霧雨で
それは何千日っていう僅かな
俺たちの
永遠で

霧雨に緑は映えて
おまえの瞳の緑は映えて
そんなに静かに
生まれたての春の花々のように ....
机の下の指先が
とても不器用に見えた時
祖父と同じように
草木の汁が染み込めばいい
と思った

へび苺の味は思い出せない


祖父の出畑は
すぐに草やつるが生い茂るので
それをな ....
灰と黒の輪のなかに
ただ無造作にひかれた線が
鳥と魚と人になり
じっと浅瀬の水を見ている


珠の髪飾りをつけた影が
影から影へ走り去り
赤茶の径 銀の腕
角から角へ増え ....
遠く地平線と重なる彼方に
ポツンと浮かぶ島影が見える

いつだったかもう覚えていない
遠い昔
スターターが鳴らした合図に
僕らは一斉に飛び込み 泳ぎ始めた

大人達の作る澱みから澱みへ ....
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