あおい月がしずかに沈むのを防ぐために、どれだけの灯
りが必要だろうか。どんな空の下でも、繰り返される息
があり、その色は見えないが、あかでもなく、みどりで
もなく、あお。それに限りなく近い色だろ ....
あやめ草あやに恋しき君なれば
  夢も染むらむ花むらさきは



名にし負はば紫野辺の夕やみや
  見せようつつに千代の面影



ときじくの花にはあらで露の花
  ただ ....
放出された 夏の、
取り扱いをあやまった空から
束ねられた雨が落下する
世界はまだ、はっきりとした輪郭を持っていて
ぼくも きみも それを知らない 


ウィリー、ウィリー、
なぎ倒さ ....
ある日
耳を失った少年は
歩いている道で翼を拾った
少年はその翼を背中につけて
ふわふわと自由に飛んだ
何も聞こえるものはなかったけれど
少年は音を取り戻した

ある日
目を失った少 ....
罪咎の月光が降り注ぐ
身体の冷えた僕には
その暖かさはあまりに残酷で

君がいるはずだった世界を
壊してしまったこの手には
その暖かさはあまりに無慈悲で

テラスの鉢植えも
白を誘う ....
今日は盆の入りなので 
夜家に帰り門を開くと 
家族は敷石の一つに迎え火を焚き 
両手を合わせ
揺れる炎を囲んでいた 

初老の母ちゃんが 
「 お爺ちゃんがいらっしゃるわよ 」 
と ....
汗がそうであるように

涙がそうであるように

この胸の中には海がある。



私は一頭のザトウクジラに恋をした。

優雅に泳ぐ様が

アルペジオによく似ている。

勢いよ ....
I miss you 呟いてみる午後三時アールグレイに満たされてゆく


木苺のタルトをさくりとかじるときグレーテルの声が聴こえた


空白の手帳に記す明日もなくガトーショコラはほ ....
濡れそぼつ手で
旋律を撫ぜるかのやうに
彼は私の
両の乳房に、そつと
指を這わせてゆき
 
それはあたかも
神聖な儀式であるかの如く
誰も目にすることのない
真つ暗な室内で
執り行 ....
一度しか逢えないなら
失くしてしまったって一緒だ


視線を外すと
こんなにもぼやけてしまう世界で

二人で夜を歩くとき
星屑の欠片を拾い集めては
ブリキの缶詰にしまっておいた

 ....
国のためには死ねないけれど
恋人のためなら死ねると思う

そんなことを言う若者が増えてきたので
国は美しい女の振りをして
全国の若い独り身の男たちに
情熱的なラブレターを送りつけた
まん ....
つきを
見上げるための、その装置を
湖底にそっと、
眠らせて

ノスタルジアが、いま、
宝石に
なる、



 王冠は
 燃え盛ろうとする、あの
 いつわりの技巧
 ....


その女の子は
押し入れを
殊の外おそれていたそうです

戸を開けるときの音が
怪物の唸り声に聞こえると
そう言って
決して自分からは
押し入れに近付こうともしませんでした
 ....
夏が、また―――
怖いですか
あのひとの抜け殻だから

まひるの世界はあまりにも眩しく
夜の世界は、私には暗すぎる
いつからか
瞳が捉える色彩は
こんな風にゆるぎはじめて
 ....
こんな夜、
一人浅い夢から目覚めて
窓外を揺れる葉擦れのざわめきに
わずかに明るむ緩やかな月光に
胸に満ちて来る何ものか
心を澄ますと潮騒の響きに似て
耐えきれなくなる 抑えきれなくなる
 ....
「カワイイ」って言っても えぇやん!

「カワイイ」ぐらい!


「愛してる」は おまえにしかって言ってないんだぞ!

 
 妬くな!
獣の息づかいで
きみを
開く

スペアリブを
ナイフとフォークで解体するように
エレガントな野蛮さで

キッチンで
冷蔵庫が身震いする
低空飛行の爆撃機のような音をたてて

そ ....
うちわをあおぐ
私は
縁側で
入道雲を{ルビ見遣=みや}る

庭では生垣が
真っ青な息をしている
深い静けさに みちて
遠くで ひもす鳥が ないている

山の ふもとを流れ ....
 
 
空がオレンジに染まってしまって
お前が生きた一日が終わる
そろそろ
水平線を被りながら
俺の視界の届かぬ場所にて
お前は眠りにでもつくのだろう
 
俺達は未だ
蛍になったか ....
あたしは河だった。
両岸の、
親族と参列者を満たす河だった。
あたしは、
泣いて、
泣いて泣いて泣いた。
やがて涙は両岸に溢れ、
氾濫し、
洗い流した。 ....
そこはかとなく

カオス から はじまる

巣箱の なかで 羽音が する

複数が 単数を 響きあう

羽音が する

とおく 草陰に 一軒の 廃屋...

誰かの ....
雨が降ると いつも
あまだれをじっと見ている
子どものままで
いまも


樋の下でふくらんで
まっすぐ地面に落ちてくる
あまだれ 一ぴき死んだ
あまだれ 二ひき死んだ
あまだれ い ....
何度目かの夏が来て
また僕はさよならをしなきゃならない
こんにちはもしなきゃならない
どこかから来た夏に
どこかへ行ってしまう夏に

僕たちは
誰かの終わりから始まった
ということは続 ....
ホテルのバスタブで
泡の中に沈んでいくシャツやパンツやら
ぐるぐる回して素足で踏みつける
ベッドから彼女が這い出してくる
「プールで潜らない?」
抑揚のないいつもの声
ゴルフで痛めた ....
朝を銀色の風が運ぶ
そっと包まれる静かな時間
繰り返す透明なセンテンス
目に見えないエッセンス

窓越しにすれ違うあの子に
目配せをしながら通り過ぎる
本当は気がついて欲しいんだ
太陽 ....
そうして君は、と
切り出した言葉の奥で
俯いたままの昨日は
指をくわえて
泣き崩れていたりする
 
引き金を引いた僕と
受動態を貫いた君の
どちらが正しいのかさえ
僕には分からなくて ....
そして火は燃えさかり
すべてを焼きつくすだろう
それぞれの
人の生を
それらがあつまったこの
人の世でさえも
焼きつくして
火は遠い天上でわらうだろう
限られた空
その見えない境界で ....
ぬばたまの髪をほどいて君の手に瞳あずけてビトウィーン・ザ・シーツ


うつせみの命のかぎりを惜しむべく両の乳房を愛されている


ひさかたの月夜を飽かず眺めてるブランケットにふたり ....
寝る前に 歯を磨く
 やっぱり「恋」なんてものは 男よりも女のほうが似合うものだと
 鏡の中で 奥歯を磨く自分を見て思った

ふたりいっ ....
いつつゆびさきがきみをみる

やわらかい皮膜の中は
どうしたってみずだから

つたってしまって

一本の
跳ねた
よわい針の先までが

とおくゆびさきの
たてるかぜにも
ふる ....
LEOさんのおすすめリスト(5185)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
The_Blues_Are_Still_Blue- 岡部淳太 ...自由詩11*07-7-14
あやめも知らぬ恋の道_____■古語の宴参加作品■- Rin K短歌16*07-7-14
ウィリー、ウィリー、きみの名は、- 望月 ゆ ...自由詩44*07-7-14
ある日の拾い物- ぽえむ君自由詩11*07-7-14
月下美人- 悠詩自由詩4*07-7-14
盆ノ夜_- 服部 剛自由詩9*07-7-14
青い旋律- 桜井小春自由詩907-7-14
おやつの時間- 落合朱美短歌1507-7-13
自慰- 山中 烏 ...自由詩13*07-7-13
創書日和「星」__万華鏡- 士狼(銀)自由詩1107-7-13
戦場へ- 楢山孝介自由詩12*07-7-13
シークレットブルー- 千波 一 ...自由詩18*07-7-13
いなくなった子供らの話- 吉田ぐん ...自由詩1307-7-13
空蝉の夏が、また- Rin.自由詩2007-7-13
玻璃の海から- 石瀬琳々自由詩20*07-7-13
限定- 北大路京 ...自由詩11*07-7-13
デヴィル- 大覚アキ ...自由詩307-7-13
終日_(ひねもす)- こしごえ自由詩21*07-7-13
夕焼けの終着駅- 黒子 恭自由詩7*07-7-13
「_泣いて、泣いていない。_」- PULL.自由詩18*07-7-13
くちぶえ- モーヌ。自由詩18*07-7-13
あまだれ- yo-yo自由詩12*07-7-13
夏風- 雨宮 之 ...自由詩2*07-7-13
A_wandering_fish- shu自由詩707-7-13
君のえくぼにつまづいたんだ- プル式自由詩4*07-7-13
無題- 山中 烏 ...自由詩8*07-7-13
夏のアニミズム- 岡部淳太 ...自由詩13*07-7-12
ピロートーク- 落合朱美短歌1107-7-12
歯ブラシ- 北大路京 ...自由詩11*07-7-12
_- 水町綜助自由詩1007-7-12

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173