書けなかった詩の断片が
ちぎれた草になって

風に舞っている

いのちは永すぎる未完
死してなお
始まりにさえたどりつけない 未完

私の夜はいつもと同じ旋律を
内側の街路にまきち ....
最近
僕らの会話の間には
「確定申告」という言葉が良く出てくる

娘は
そんな僕らの会話を聞いていて
いきなり

「かくていしんこくってなーに?」
なんて聞いてきた

僕は ....
あなたの姿を まぶたの裏側に
赤い 糸 で繋ぎとめ
下の名前を そっと 呟いてみる


あなたへの 気持ちを 確めたところで


  ぬかるむ春の気配に取り残された針金細工
  忘れ ....
?


おやすみなさい
の 一歩手前で
あなたが瞼に口づけするたび
生まれて初めて目にした光
を思い出しました


ツキン、と 氷の欠片が飛び散って
あなたが狩人の鋭さでもって
 ....
春の陽射しに 
紅い花びらが開いてゆく 
美しさはあまりに{ルビ脆=もろ}く 
我がものとして抱き寄せられずに
私は長い間眺めていた

今まで「手に入れたもの」はあったろうか 
遠い真夏 ....
あなたの愛と 私の好きは
いったい
どこが違うのだろう

あなたの
愛 はやわらかい
私の 好きは
とげとげしてる

あなたは
愛 で包み込む
私は
好き で武装する

ふ ....
浜辺に漂いついた瓶のように
ひとり暮らしの郵便受けに
届いた宛名違いの封筒は
丁寧な文字で
差出人の住所

きっと昔、この部屋に住んでいた
誰か宛の誰かの手紙
なにかの縁だろうと
不 ....
ほどけた靴紐を結びながら走った
朝はいつも苦手で
腕組みしている先生の顔を見ないように
校門を駆け抜ける

一時間目から六時間目まで
机に突っ伏して眠り
部活だけはさぼらなかった
そん ....
昨日ひろったきれいな小石

たとえば人は
磨かれる前の宝石の原石のようだということ
未完成なままの美しさを知っているから
そっとしておいてください

そんな 淋しさ



 ....
夜道を散歩しながら
人知れぬ夢を呟くと 
胸に溢れる想いは
目の前の坂道を昇り 
仰いだ頭上には 
只 白い月が
雲間から地上の私を見ていた 

半年前 
オートバイに乗ったお爺さん ....
忘れることも出来ないだろうけど。


歩いていく爪先に、力をこめて息を送る、つ
まりはそれだけのこと。歩き続けるのが世界
で、歌を引き伸ばして道にしてみたい。今日
も一日が優しい、そんな今 ....
その夜 女神が降りてきて 
真実を映す鏡だと言うから、覗き込んでギョッとした
 
これは私ではないと訴えたら 女神は笑う 
皮膚が剥がれているのは 
上っツラだけ善く見せようとしていた所 ....
わたしの肌は
蜜柑のかおりが
少ないせいか
かさかさに
なってしまって

こんなんじゃ
新しい恋なんて
できやしないわ
燃えるような
熱い恋だなんて

わたしは
そう、言った ....
幸せは一杯の紅茶 
飲み込めなかった昨日の苦さに 
{ルビ一=ひと}さじの砂糖を溶かす 

幸せは真昼の入浴 
日常の{ルビ垢=あか}に汚れた{ルビ心身=こころみ}を 
泡立つタオルで浄い ....
七つの短編詩
      平成十七年四月―五月

(KOTOBA)
僕はkotobaをいったことがあるだろうか。
振り返っても、正確には思い出せない。
でも、記憶の片隅にわずかにktob ....
ねえ、ブランシュ、
あのとき
あなたが越えようとしていたものがなんだったか
今のわたしにはもう
それを知る手だてもないけれど
あなたはいつも わたしの
理解の範疇をこえて
日常のただしさ ....
うつくしい まなざしを 胸に秘めていると
 すべてが 花のように 咲きはじめる
青空のように 澄みきって
 世界は いっそう かるくなる 

大地に降り立つと 満ちたりてくる
 空の表情が ....
ちりん、ちりんと
ストラップにかけた
小さな鈴が泣いていて

僕はただとぼとぼと
涙さえ流せずに
現実に草臥れていました

金に囚われた義務と
時に縛られた責任が
いつの日か忘れ去 ....
西日の頃には
空は白く霞んでいたらしくて
滲んだ街の、ビルから生える空の景色を
ふうわりと、抜けたくて
前後左右、サングラスの目線で
せわしなく行き過ぎる人たちからは
あの強い、レモンの匂 ....
ご覧なさい
桜の花が満開じゃないの
ねえ

ご覧なさい
誰もが浮かれて
踊るように笑っているじゃないの
ねえ

花見だか何だか知らないけれど
生きている人って
気楽なものじゃない ....
団地の掲示板に 
吊り下げられたままの 
忘れ物の手袋 

歩道に
転がったままの
棄てられた長靴 

{ルビ棚=たな}に放りこまれたまま
ガラスケースの中に座っている
うす汚れた ....
{ルビ朱=あか}くて小さなさかなの
息のように
そっと触れた
てのひらから
あなたを呼吸する

  ほんの少し
  の温もりが意識を
  わたしに繋ぎ止め
  る、わたしの体温
  ....
生きる意味に悩んでいるなら
悩んで悩んで悩み抜いて
大いに苦しめばいいよ


それでも君は幸せなんだから


今すぐにでも死にたいのなら
遺書のひとつでも書いて
とっとと死ねばいい ....
目覚めのあと 君は ポケットに
物語を入れて 歩き出す

星達がかすれてゆく 
夜明けの波が 
足跡を消す前に

渚でひろった卵の殻を
見つめても
思い出せない家路


 ....
大きな口を開けたワニが
天気の真似をして
すっかり晴れわたってる

魚の数匹は遠ざかり続け
それでもまだ
誰の指にも泳ぎつかない

沢山の羊を乱雑に並べて
さて、どれが正解で ....
涙の屍を越える時
人は何を見るのでしょう

もう
美しくはない涙に問うても
答えはせず

青春を賭けて輝こうにも
この地の青春は
みな死んでいる

踏み越えて
駆け抜けたその先 ....
耳たぶを
どうか
噛みちぎってほしい

此処から出られなくていい

私が誰で何処から来たのか
なんのために生きているのか
なんども問いかけて
なんども見うしなう

歌なんか
 ....
油染みだらけの記憶のわら半紙提出期限をとうに過ぎ去り




透明なグラスの底を目にあててきみの星座を見る白昼夢




あの夏にきみが投じた問いかけのこたえをさがす 波のまにまに ....
春が

     はるが

傘の水滴に溶けて
声も密やに
幼いまるみの春の子に
子守唄を聴かせる


まだ固く木肌の一部の様子で
繚乱、を隠した蕾は
雨にまどろみ
陽射しに背 ....
ねむのきとんとん、
とびらのむこう。

こだまのひびく、
あのむこう。

さやささやく、
えだのおと。

よんでいるのは、
きみのこえ。

とんと ....
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