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透き通った世界の境界には、透明な獣がいて、澄んだ夜を吠えている。明け方の明星を夢みて、夜明けの明けない空に遠吠えをする。透明な獣が夜空を嘆く時、そこには無限の連なりと重なりがあって、透明な獣を優しく ....
景色はそれを必要としてる人の前にだけ現れる
それはいつの日か声の上に、言葉の上に
紙の上に落ちてくる
誰も書かなくなった詩を、誰かがまた書き始める
知っていましたか?
世界はもうすぐ微笑む準 ....
いとこの子供が
この春から国立大に行くそうだ
理系らしい
現役でだ
ぼくはといったら先日
知能テストを受けたばかり
結果はそろそろ出ると思う
IQも分かるらしい
曽野綾子さんの本を読ん ....
犬
朝の静けさの中で
犬が吠えている
すべてに届くように
昼のざわめきの中で
犬が吠えている
君だけに届くように
夜のささやきの中で
犬が吠えている
すべてを打ち ....
あの人は日記のような詩を書く
あなたは詩のような会話をする
その人と会話のように目配せる
かの人の目のような月が笑って
あの人たちは笑いながら消えて
私たちは消えるような息遣いで
そうして ....
「耳」
音楽の
靴裏には
かなしみの泥
音楽には
色彩があり
いろはない
雪がまう
いろがほしい
「早計」
この詩は
誰かを嫌な気分にさせることだろう
その事 ....
遠い遠い場所
過去とも未来ともつかない時
銀のロケットは宇宙を渡った
ゆく先々には
驚くべき光景の数々があった
じつに多彩な星の世界が
めくるめくように展開していった
銀のロケットは
....
夕暮れは、いつも隣に座ってた
河川敷の土手に、いつも僕と座ってた
何を話すでもなかった
ただ何となく、二人で座ってた
夕暮れは、いつも時間になると帰ってった
泥だらけ ....
もうすっかり春になりましたね
今日は風が強いです
咲いたばかりの桜の花が
ゆらゆら大きく揺らいでいます
■□
私は街を周回していた
人波物凄い雑踏だった
(流れに乗り遅れたら、 ....
氷上に跳ねるけもの えものを見つけたとして
すれ違う私を知らず 私は呼ぶことはない
自然の中のすれ違いで私はまた今日をいきていく
知っている 夜が明けたことをただつれて
「星くず」
しんだらみんな
星くずさ
だからそんなに
泣かないで
「雨」
いま
雨の音を聴いている
雨を書くとは何だろう
雨のもたらす心象(イメージ)を表現したい ....
静けさ 揺れる
春の雨、
光の空から
降り注ぎ
宇宙を回遊する言ノ葉たち
凝集しては時を刻み
思考の流れをこの界へ
屈曲しながら艶やかに
在る物、在る物、造形する
静けさ 奥 ....
ちいさく溝を掘って
きのうまで咲いていた黄色い花を埋葬する
名前を考えているうちに
いつのまにか旅立ってしまった
知らないうちに
抜け殻みたいに影だけが残った
通り抜けていったものは
....
何かわからないけど
忘れものがあるような
遠い過去に
引っ張られているような
感覚が消えていない
どんな忘れものなのか
よくわからない
何かあるのはわかるけれど
その何かが ....
素直さは美徳だろうか?
ねじれる事は本当に
悪徳か?
ちょっと世界を見てみよう
川はねじれて蛇行しているし
上空の気流も
蛇行して流れているよ
それに
ねじれた螺旋 ....
雨の気配が春を連れてくるから
煙草の味がわからなくなるくらい
泣いてしまいたいのに
涙は出てこない
小さな井戸からかなしみを汲み上げても
ここまでの距離は数えられないのだ
どこかへ向か ....
水平が
輪になって
迫ってくる
目を閉じて
開け方を忘れた
手のひらをかたく
握ったまま
抱かれにいく
目があかないので
誰にかは
わからない
文章の森に
本の生る木があった
こっちの枝には推理もの
あっちの枝には時代もの
てっぺん辺りに専門書
棘の節には官能小説
若芽には児童書
ある日のことである
その木に甘い砂糖のような雷 ....
昨日はある種の
速度を持つ元素としてここに
いた
今日は光の
粒子に貫かれることもなく
膨張する淡い影として徐々に
体積から解放される
シーツの皺の奥に
隠された温度のように
....
血の色を塗り固めたような阪急電車と
薄い水臭いグリーン色の市バスが
....
寒さはもう感じない
生暖かさが
ウキウキ感を連れてくる
何をやっても上手くいくような
何とも言えないポジティブな流れ
新年度が始まり
落ち着かない日々が続いても
嫌な気持ちになら ....
「歳差運動」
鳩時計が深夜の零時を回る
蟋蟀が
地球の内耳で
求愛している
着実に
七百分の一歳年を取る
さて
もう一度約分のおさらいから
(ペンを執る)
....
久々に訪れた病院の園庭は、
十数本の桜の木が
無数の赤い蕾を膨らませていた。
その生命力は、
春の大気に漲り震え
園庭という枠を獰猛に
突き破っていく不穏さを含んでいた。
膨ら ....
忘れじの、なんのその。
今日も、愛すべき君への歌を詠う。
酔っぱらいのほうが、人生の花見坂はあるきやすいのだ。
尊き君に歌を詠う。
欲の渇望と権力への吐き気。
まるでなにかを産みだす ....
あの日地面がおおきく揺れだしたから
工場の高い建物さえしなりだしたんだ
工場内に積み上げられた製品がまたたく間に崩れだして
あっちこっちで悲鳴があがる
逃げなければ
俺は持ち場の非常 ....
シーンを変えろ
問題の周囲は幻で
{ルビ那由多=なゆた}の日々の中心点は
いつも自分自身
いたずらにふり回される前に
指よ、鍵盤の上を踊れ
瞬時を歩む、ジャズマンの手のよう ....
月夜のメダルは天に貼り付き
煌々と照らされた道筋を
飲んだくれ共が泳いで行く
忘却の淵に全てを沈め
麻痺した脳髄
カンカン鳴らし
平手を打って泳いで行く
泥団湿地の現の原に
拘泥す ....
風の音が優しくなると
背中を押されたようで
無理しても歩いて来た
消えないで僕の故郷は
壊れたって空に抜ける
思いを巡らす時はまた
聞こえるよ祈りに似た
胸の声が今日は日本に
小さな灯 ....
高いところから
低いところへ、
広いほうへ
明かるいほうへ
夥しい言葉の群れが
かたまり
解れ、また 縺れ
しまいに
いちまいの 布のようになった
それを拾いあげ
....
冬の終わりに桜が咲くように、ぼくの終わりにもきっと何かがはじまる。
それを見れないことは少し寂しいけれど、未来を見れないから持てた希望や、綺麗と思った世界や、笑えた日があった。
冬が終わって春 ....
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