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1920年代も不安だった。
ハイデガーの哲学に希求した者たちも多くいた。
2020年代、世界は危機である。
でも日本はあいかわらずである。
イスラエルはいち早くワクチン接種している。
日 ....
助けてほしい
誰にも負けない
力があるのに
誰より何も出来ない無力な
力のある無力な僕を
助けてほしい
僕は誰もいない部屋の中にいる
そして上流から流されてきていたいくつもの流木を思い浮かべている
僕は アパートの一室で
昔住んでいた街の風景を見ようとしていた
そして かつて思い描いてい ....
病だれの貴様の苦渋に満ちた顔を
幾分かの罵りと叫び声の木霊する彼方へ押し付け
やんごとなき事情に濡れそぼったフリをする
破れかぶれな心情と堪らない愛撫の誘惑に負け
しどろもどろな自分をカノ ....
机の上に延びる
湯呑みの影が
お地蔵さんの姿に視える、夜
――もしや
目に映る風景の
あちらこちらに宿る
心というものか
気が遠くなる
丸い三角や四角が浮かぶ
この静けさに包まれ
気が遠くなるよ
やがて深く沈んでいくんだ
この静けさに呑み込まれ
静けさの
深淵が奏でる
全て諦めたとき
静けさが
....
{引用=あなたにとってはつまらないものでも
わたしにとっては宝物なのよ}
きるからころから
きるからころころ
キラキラした音が耳の夜に
温かい雨のように
降りしきってくるのを幾らでも 溢れるまで
宝石箱にしまおう
こぎん糸を 祖母とほどいて巻きなおした ....
あなたが深く絶望するとき
世界は絶望するけれど
その世界はぼくの世界とは違うのだけれど
そのことでごめんなさいと思うのは
あなたの絶望の世界のなんだろう
ぼくは
まあこんな人間でやってきた ....
目を瞑ると
さっと広がる
闇のなか
光の気の熱の子が
くらげのように
浮遊する
泡立つ
暗い意識のなか
触手を伸ばしたり
縮めたり
反発したり
共鳴したり
それは忙しい
流動 ....
水面から飛んでいったよ
白鳥一羽
連れはいなくて
さみしさを推進力に
二度ない羽ばたき
空に刻み
一、ニ、三の
呼びかけもなく
その日になったら
後悔もなく
そんな姿を ....
いったいどこに連れてかれるのか
路地という路地
通り続けて何時間
今までになかったことが
起こっているのは確か
とにかく一人では
起きなかった事件
それでも自分の意思が
なかったら ....
日がな一日
謎は謎として取り残され
私は五感の縛りに沈む
思いは鬼火のように揺れ動き
逃れる的を掠めていく
現象する本質を
律動する思考を
掴みかけては取り逃し
夢の底で溺れている
....
人が消えて世界が残った
主人が消えてペットが残った
生徒が消えて消しゴムが残った
教師が消えてチョークが残った
バイトが消えて履歴書が残った
店長が消えてマニュアルが残っ ....
デートの時に
よく行く喫茶店がある
両親も若い頃来ていたらしい
コーヒーが一番人気で美味しい
いつもホットコーヒーを頼む
如何にも喫茶店という感じの外観
コーヒーの香りが染みついた ....
{引用=響きわたる
主語
空砲
フレーズは
野兎となり
雪原を転げてゆく
ナナカマド
直喩への赤い奉仕
雪駄の声に
あごを引く文節
風と橇
イタリック体
お ....
君が生きて、
僕と出会って、
お前が生まれた。
そこに
運命とか、
宿命とか、
必定とか、
そういうものが、
あったにせよ、
なかったにせよ。
君が生きていて、
僕が君と ....
瓦解する、わたしの履歴が
夜の犬たちに喰われていく
まっさらな夜明けを望んだ
傷だらけの朝に、残った両目で空をみて
なくなった口で
あいしてる、と何度もなんども
空想の愛を ....
段々自分、
ひとりきりの自分を思い出している
昔からいつもノートを持ち歩いているので
「何を書くんだ」とよく父に怒られた
詩を書くとは言わなかった
ペンのインクが減っていきます
インク ....
いつもよりも暖かい
元旦の寒いイメージとは違い
過ごしやすかった
親戚が集まって賑やかになる
お節料理を食べながら会話
愚痴のようなこと
全く話すことはなく
新年に相応しい内容ば ....
星屑も、パン屑も、人間の屑である僕も、みんな、いつかは許されて。
屑としての命、その日がくれば白粉となり、神の一吹きで翔んでゆく。
この薄い感覚を泳いでいくのには
もう飽きた。
条件反射的に僕を、
ありきたりな人間にあてはめていく虚しさ。
未来が見えちゃうって悲しい。
劇的な変化なんて計算に入れずに
ずっともやもやして ....
おしゃべりな猫と
沢山の言葉を持っている猫は違うみたいだ
沢山の言葉を持っている猫のなかには
的確なことばを伝え得る猫もいるとおもう
時宜にそって言葉をつかいこなせる
たぶん詩猫って ....
{引用=星々のように
ばらまかれた{ルビ言珠=ことだま}よ
おまえが
浮力を得た意味ならば
水底に沈む摩天楼は
凝固した
アニミズム
ひらがなの手は
さながら{ルビ薇=ぜんまい ....
新年の夜が深まり
姿を持たぬ思考たち
五感の縛りから解き放たれ
星空の下で踊り出す
遠い過去へと遡行する
魂の営みの始まりだ
透明な窓辺で落ち合って
僕ら、それぞれの旅に出よう
肉を携 ....
ふと 命綱を切り離した
白く照らし出された地上に満ちる禍は
無関係のまま皮膚に調和した
昔は幸せでも不幸せでもなかった
路傍の刹那は
ありのままでいられると 凱歌を放った
ふと 命 ....
人ってことが僕というものの一要素に過ぎないように、
雨粒たちも、雨ってだけではないんだろうと思う。
木々を擬人化して考えるとき、
人も同時に木へ近づいて、人から少し離れていく。
人でい ....
人生の半分以上
自宅にいるじぶんにとって
2020年は世界中が
自分と同じ境遇に浸されたようで
人類の同胞として
そのご身分にかかわらず
悲哀を感じざるをえません
私事ではあ ....
毎年様々な
クリスマスケーキが売り出される
見た目に引き寄せられる
家族みんなで食べたり
友達と食べたり様々
似たり寄ったりだけど
見ていると楽しくなってくる
クリスマスを感じる ....
自分もいい年だから、仕方ない。
それは、わかってる。
前は、
お、その服新しいね、似合うじゃん、
とか。
へーそういう帽子も持ってるんだね、似合う、
とか。
何か私に、小さな変化があると ....
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