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思いだして
思いだして
思いかえして
思いかえして
憶えているすべてが
ゲシュタルト崩壊してしまうまで
ときめきもきらめきも
苦みも痛みも
何もかもわからなくなってしまうまで

何 ....
君と僕とのあいだに
置きたい言葉があるとして

それはいつも最初の言葉であり
最後の言葉

初めての言葉であり
いくたびも繰り返されてきた言葉

すでに過ぎ去ったこと
あるいはいま ....
濃い青の空に
白い雲の城砦がいくつも立ち
なかぞらを埋めつくす蝉時雨
他のどの季節にもない濃密さで
夏は君臨する

けれどその夏の中に
巨きな空洞がある
夏のあらゆる濃密さが
そこで ....
韻律都市の夏へ
君が吹いたシャボン玉は
まるで水銀球のようで
それでいてふわふわと
街路を漂ってゆくのだった

それは
この都市の名うてのダンサーである
君が踊る姿にも似て

―― ....
闇に
幾人もの私が
ほどけて

緑と水の匂い

翅あるひとの気配が
呼吸にいりまじる

ほどけゆくままに
ひとつ
   ふたつ
ともる
   ほたる


になるかなら ....
きらびやかな空が 剥がれ落ちて

菫の咲くほとりをたどって
指たちの

踊る環
   ひとつ
      ふたつ
         みっつ

やわらかな綻びから
洩れる調べの
 ....
硝子窓のうちそとに
冬が満ちてゆくとき
光の言葉と影の言葉が
中空であえかにもつれあう
壊れたピアノがひとりでに鳴って
夏は残酷にあざやかに夏のままだった
空は記憶のモザイクだった
鳴きしきる蝉の声と
ひとりでに鳴るピアノの不協和が
けれどなぜか心地よかった

記憶のモザイ ....
君はその身体に
神話と寓話とを
ありったけ詰め込んで
旅立つよりほかなかった
君が旅するほどに
君の身体の中でそれらが育つので
君はいつも張り裂けそうだ
君の身体から
抑えきれず放たれ ....
清い流れに沿い
{ルビ鶺鴒=せきれい}が閃くように飛んで

揺れるねむの花
ねむの花はやさしい花 と
誰かが云った

小さな手が生み出す
鍵盤の響きはたどたどしくても
その無邪気さで ....
微睡む窓から
静かな私が飛びたつ
静かさに沿うかぎり
どこまでも遠くまで飛んでゆける

さえずりや
せせらぎや
さざめきや
ざわめきや
を 内包しつつも
静かさは静かさのままで
 ....
月が薫っている
星たちも薫っている
今夜は月と星たちだけでなく
とりどりの薔薇窓が
大きいのや小さいのや
しずかに廻転しながら
いくつも空に浮かんでいるよ
   この夜空のどこかで
  ....
私の中に
さびしい都がある

そこでは多くの人が行き交うけれど
皆どこかさびしい瞳をしている
そこここで交わされる会話にも
どこかしらさびしさがにじんでいる

街角の光景も
どことは ....
りゅうさんさんの塔野夏子さんおすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
エンドロール- 塔野夏子自由詩3*24-9-1
合言葉- 塔野夏子自由詩6*24-1-27
夏の空洞- 塔野夏子自由詩11*23-8-15
韻律都市の夏- 塔野夏子自由詩3*22-6-27
五月の夜- 塔野夏子自由詩7*22-5-27
早春小景- 塔野夏子自由詩10*22-3-15
静寂のエチュード- 塔野夏子自由詩8*21-11-25
壊れたピアノ- 塔野夏子自由詩3*21-8-3
沈黙の語り部- 塔野夏子自由詩8*21-7-11
夏の練習曲- 塔野夏子自由詩7*20-8-5
微睡む窓- 塔野夏子自由詩4*20-6-13
薫る夜空- 塔野夏子自由詩3*20-5-7
さびしい都- 塔野夏子自由詩5*18-7-23

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