埃っぽい倉庫街の一角
赤煉瓦造りの古風な倉庫
その中で熱心に壁の穴を覗く者
それは老人だった
グレーの草臥れたジャケットを着た
老人だった
櫛の通っていない白髪の
老人だった

老人 ...
「かあさん、コンビ二で『レシートいりますか?』って言われたら
なんて答える?」
 と中学生の娘が聞く。
「ふつーに『いりません』というかなあ」
 と私は答えた。

「えっそうなん。私はどう ...
曖昧な答えで僕を遠ざける恋の駆け引き続く毎日

懐かしい路地を曲がれば駄菓子屋が今も眠らず子供を誘う

故郷を描いた画家のプロフィールダムの底へと沈んだ生家

人は皆スポットライトを浴びて ...
こうも囚われにんげんは

ひとの道よりたいせつな

経道なんかを踏みはずす

ごめんよ尊きかたがたよ

なめるなおいらの人生よ


取るに足らないことなどに


こうも囚わ ...
朝の近くで
鳥はそうそう、何ごともなかったように
空の下 奏でている
わやくちゃになった己こころ
沈めたいともがきつつ
ただ座っている
朝が近づく

やっと明ける不安からのかいほう ...
 今週の『サザエさん』は一家で福島に旅行する話だったそうだけれど、具体的にはどんな内容だったのだろう? あいにく私はいま異邦人として暮らしているので日本のテレビを見られない。しかし福島第一原発の原子炉 ... 若手漫画家の登竜門としてCOM並びにガロはぼくらの教科書だった。

その女流の中でも異彩を放っていたのがこのやまだ紫氏と岡田史子氏だったと記憶する。

やまだ紫さんはもともと詩人だった ...
「ねぇ、この本の表紙知らない?」
           
彼女は読み終えた本をわたしに見せる。
その顔にはどうしてないのかわからない、不思議でならないと
いった表情がありありと浮か ...
風も雲もタバコの煙も全て過去にある

はるか後方で私の影にまとわりついている

確かめることはないけれど


過去の恋にときめくは片足立ちのフラミンゴ

檻の外から見ていると老人に肩 ...
ラッキースター

暗闇にまぎれて 人知れず夢を見る
誰にもバレなきゃいいやと
喋らないで終わらせる ひっそり心の奥で
勝手に決着をつけて

後に残るものは空しさだけ それが積み重なって
...
駅前の連絡通路では南米のバンドが花祭りを歌いながら民族楽器

ケーナとかを売っている

大宮は今日もサンセットFMNAC5でグルーブする街並みは

ソフマップのあるアルシェビルから発信され ...
 
混沌とした水が透けるとき

言葉を釣り上げる喜びといったら


あぁ、まだ詩をやめられそうにないよ



 
四月
夜来の雨が軒を叩いて
やんだかと思うと強まって
千の靴音を撒き散らすと
再たふと空のどこかに引っ込んで
猫のように耳を澄まして
南の果てから吹く風の
雄々しい声を聞くようで

...
陸では息継ぎも困難になり
私は海に潜ったのです
息の詰まる人波を泳ぐには
シュノーケルでも心許なくて

長湯に逆上せないようにと
私は冬を選んだのです
ふやけた心臓は張り切って
蹴り出 ...
 
 
吐き出した言葉が
気泡になって
無人のブランコを揺らす
 
目を瞑ると
魚たちが
瞼を触りにやってくる
 
部品を捨てながら
自転車は走る
ただ一つの
点になるために ...
55くらいの女の人がかわいくみえるのは
30年前だったらかわいかっただろうという
がんぼうが主成分である気がするが
ひかえめなところがかわいい
飛車角と香車桂馬も落とすから将棋盤でもう殴らないで

遠距離も親の反対も歳の差もベリーロールで飛び越えていく

海賊もティンカーベルもいないけどユーキャンフライ冒険に出ろ

放課後の女子が ...
気づくとオレンジだった
前に買ったタオルも
その前
の前もオレンジ

幼い頃
オレンジジュースが飲めなかった
みかんはたくさん食べたのに
飲もうとすると必ず吐いた
不可解な体質が産ん ...
ふわふわした組織に包まれて
昨日の涙を食べていた。
しょっぱい。

小さなかけらを
手につまんで
遠くの海の音を聴いていた。

それは昔の話・・

暑い 眠らない 強くて 大きな ...
重大な任を負うときがある  ひだりひらめは

 にらみます

 どうしてこんなぐつぐつと・・・

 しんぱいするな

 くってやるから

 ねっとうをかけたじてんで

 うんめいはきまっていた

  ...
私を置いて幸せになっていく 体力なくて三途の川渡れないでいる 日替わらないランチ 花曇集中力が続かない ワクチンを売るためウイルスばらまいた 密談の海を冷酷にすすんでいた

感情の海に難破船がゆれていた

黒雲がわれ光の束がさしている

嵐のあとの静けさは自由だった


終わりが始まる

裏切りと

切実が連環する ...
 時々、訳もなく泣きたくなる。

 今日がそんな日だった。目に映る何もかもが煩わしくて、それでいて、執拗にそれらに触れたがっている、もう一人の自分がいた。放っておいて欲しいのに、見捨てられたくない ...
窓をあけると風が気持ちいい

晴れてはいないけれど清々しい

鮮やかなコンクリートには

空の模様が映しだされている

どこからか子供の声

くるくる舞っている

駆けだしてい ...
きょうもなんの予定もなく
ぼんやり居間のひとところを
みつめるでもなくながめていると
ターミナルのベンチがうかびあがる

そして・・・こんどは
うすっぺらのまぶたをとじてみると
なぜか・ ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
壁の穴……とある蛙自由詩11*13/4/8 10:09
『あっ』というクッションに似たものそらの珊瑚散文(批評...713/4/8 9:39
駄菓子屋夏川ゆう短歌113/4/8 9:05
取るに足らないことなどに吉岡ペペロ自由詩213/4/8 7:41
朝の近く唐草フウ自由詩14*13/4/8 5:25
漏出する汚染水のなかの『サザエさん』動坂昇散文(批評...313/4/8 3:34
トリビュートやまだ紫 性悪猫梅昆布茶散文(批評...913/4/8 2:37
彼と彼女の本棚石田とわ散文(批評...11*13/4/8 2:16
解離佐々井自由詩113/4/8 0:11
ラッキースターitukam...自由詩1*13/4/8 0:03
大宮サンセット梅昆布茶自由詩713/4/7 23:56
やめられそうにないよ殿上 童自由詩26*13/4/7 23:45
salco自由詩9*13/4/7 23:26
おさかな おいしい中村 くらげ自由詩2*13/4/7 22:54
夕暮れはたもつ自由詩1213/4/7 22:49
6自由詩213/4/7 21:32
うたらば「飛」 8首北大路京介短歌3*13/4/7 21:15
オレンジバスタオル三田九郎自由詩2*13/4/7 19:59
決別がぱ自由詩2*13/4/7 18:36
パシリでもHAL自由詩4*13/4/7 16:45
につけドクダミ五十...自由詩3*13/4/7 15:58
私を置いて幸せになっていく北大路京介自由詩213/4/7 15:27
体力なくて三途の川渡れないでいる自由詩8*13/4/7 15:27
日替わらないランチ自由詩413/4/7 15:26
花曇集中力が続かない俳句213/4/7 15:25
ワクチン川柳013/4/7 15:24
難破船吉岡ペペロ自由詩513/4/7 15:05
やさしい世界まーつん散文(批評...213/4/7 14:02
はるのこえ灰泥軽茶自由詩6*13/4/7 13:35
おしくら 十信天翁自由詩013/4/7 11:34

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加筆訂正:
彼と彼女の無口な食卓/石田とわ[13/4/8 2:19]
題名変更 
4.69sec.