ラムネのガラス球に己の姿を投影する。
 それは映るか映らないかの刹那の希望であった。
 希望は行為である。
 ガラス球には変形した己の色が映し出されているのみであった。

 私はその色 ...
 
わたしらしいわたしがいるらしい

わたしらしくないわたしもいるらしい

わたしは、どちらも知らないけれど



 
春風は夢
その誘いを断れるはずもなく
季節は巡るのです

望まれず咲く花
冷蔵庫の片隅で
遠くの春に応えながら
小さく咲くのです

はじめましてとか
さようならの代わりに
そっと ...
なぜだか私だけの四季を走っています。
それもたった一回しか無いのです。

春の始まりは夢との区別がつきません。
春の終わりは青く着色などされません。

夏は働き詰めでお盆休みなど無いのです ...
あまりもう
友達と呼べる人はいなかった
私はひとり
同世代の家族連れと すれ違う

無印良品には
いつもと変わらない商品
来るべきではなかったと思わされる
いつものアーケードの人混 ...
  疾うの昔に
  灯りは消されてしまっていたが
  {ルビ空=そら}の部屋に、青さだけ残っている
  それ以外はみな どこかへいってしまった
  わたしは 幾つか咳をこぼす
  そ ...
ひと目をひく
早乙女たちに
風が少しの春と
神の訪れを
知らせてくれて
おりました

群落の息の緒は
へその緒になり
ゆかしい おぼこが
踊りにひねもす
季節風

ぽっかぽっ ...
冬の冷えた室内で
窓辺から入るわずかな
陽差しの温もりになぜだか
懐かしい気持ちになる

思い出と呼ぶのには
あまりに淡い

その柔らかな温かみは
時間という毛布を
かぶせた記憶の ...
手首をこねて
フライパンを揺らす
生地がもたつく
蓋をしてもう少し待つ
タイミングが肝心

そろそろいい音ぱちぱちと
ふわっふわっと生地が浮く
気持ちが踊るこの瞬間
今だ今こそえいっ ...
自由でありたい
重ねている空気層が
体から 心へ触れる

自分を生きる
思い出せ 思い切り

太古の渦に チカリと開く
無遠慮に 絡まり 呑む眼

告げられるのか 否 告げろ
何 ...
――例へば此の世に幽霊が存在し得るのであれば、其処は「現存在」の背である筈だ!
――それは何故かね?
――何故って、それは、唯一、此の世で「現存在」が裸眼で直接見られぬ処だからさ。
――此の宇宙 ...
身を揺られ目を瞑る
錆びれたバス停を目指せ
あの町へ帰ろう

違っていく俺
変わりはしない風景
ただ少しずつ消えていくんだ
はじめから無かったみたいに

廃線のトンネルも
神社の階 ...
もうすぐ学校は終わりになる
十何回目かのチャイムが鳴って
生徒たちは むやみな言葉を散らばして
風が 折れたラケットを転がして
そしてもうすぐ学校は
終わりになる
終わりだよって 誰か 言 ...
一滴の言葉が零れて戯れる水面
幾つもの円が現れて小刻みに揺れている
小さな痛み
やがて拡がっていく苦しみ
透明な水も湖底の泥に掻き混ぜられ
無邪気に太陽を愛したあどけなかった言葉も
汚 ...
タバコを吸って
煙を吐く
煙が霧散する
青空が見える

背中が冷たい
コンクリートの壁から離れる
肩を回す
伸びをする
グーっと

隣で
ベースボールキャップに
スタジャンに ...
オナホール用
ローションに
愛液のにおい付き
というのがあるんだってな❗

今なら
中学生でも
簡単に手に入れて
「わあ、こんなにおいなんだあ」
とか言って興奮してんの ...
会いたい
少数民族に

どんな衣装を着ているだろう
どんな髪飾りしているだろう
どんな夕食を食べるのだろう
どんな子守歌うたうのだろう

どんなけものの背中から
どんな朝日を眺めるだ ...
はき古した靴を空に放って風を聴く

はだかの馬が雲となって駈ける野に花をさがす

ひかりを混ぜ合わせていろをつくる
まだ名前のないいろを

いつももちあるいている心のスケッチブックに
...
あなたがどんな人だったかなんて
忘れたわ
知らぬそぶりで挨拶
できるのよ

都合のいい女でしょ
あなたにとっても
わたしにとっても

ずるいねって
窓の光が笑うわ
(カーテン閉め ...
2014年12月
大義のないと言われた国勢選挙で
集団的自衛権を
閣議決定した政党が圧勝した翌朝
DSで戦闘ゲームばかりしている息子が
「ボク戦争にいかなくちゃいけないの?」
と聞いてきた ...
1km四方のプールの真ん中で
溺れたふりをしている男
水深はせいぜい膝小僧くらい
懸命すぎるバタ足で
足の親指の生爪を剥がしたのは
まったくの誤算だった

プールサイドのデッキチェア ...
たかじんのさくら

すこしだけほんとうの悪意を混ぜておけば

あとはぜんぶ嘘でも善意に見えてしまうのだ


つるりとした少年のような

興福寺の阿修羅像のような顔をしている

た ...
ミルフィーユの中にいる
千の私
ナイフを静かに入れてみる
ほのかに甘い香りがして
作り甲斐があったなと
一応自分を褒めてみる

作るよりも食べるほうが難しい
ミルフィーユ
少しクリー ...
僅かに酒の残った盃が
幾つもの角度から照射されている
すべての目は正午に向かって閉じられ
盃のひびは厳重に黙秘された
この盃にはかつて
動物が開花していた
この盃にはかつて
...
どんなに痛いことだろう

わたしにすらこの街は、こんなにも冷たいのに

ましてやお前は、その土に、身を突き刺しているのだから


身を万力で締め付けられて、どこにも逃げられぬお前に ...
津軽の雪は 太宰の雪だ

無尽にふる、そのひとつ、ひとつに

太宰の言葉が刻まれ

わたしの目の、心の、そのおくに、真っすぐにふり落ちる


「生まれて、すみません」
...
真っ赤な夕焼けに羽虫とぶ春のある日、母が泣いていた。父が昼前に家を出ていってから、ずっと押し入れに顔を突っ伏して声を殺して泣いていたのだ。わたしはそれを幼稚園からひとり帰り、見ていた。

そ ...
この惑星にはもう僕の手に届かないものがたくさん
今は届いているものも
かつて届いていたものと同じように
僕の手のひらから消えていく
夜中、月明かりの下で潮が満ちては引き
多くの微生物が生まれ ...
何度見送ってきたのでしょう
何度乗り遅れてきたのでしょう


恋の普通 ゆったりと
愛の快速  しっとりと
恋の急行   あっさりと
愛の特急    しんみりと
恋と愛の超特急   ...
行ったこともない道を

どんどん進む

時空を超えたんじゃなかろうか

一人きりのワクワクと不安が
混じった感覚の

楽しさったらない

世界を相手に
かくれんぼしているくらい ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
遠吠えヒヤシンス自由詩10*15/3/9 2:09
知らない殿上 童自由詩16*15/3/9 1:03
菜の花mayaco自由詩115/3/9 0:37
エスキス3〜四季宣井龍人自由詩7*15/3/9 0:30
番田 自由詩215/3/8 23:14
青い部屋草野春心自由詩315/3/8 22:52
安波祭(福島県浪江町)〜その瞳をみていたら〜より黒木アン自由詩2*15/3/8 22:46
温度佐倉 潮自由詩015/3/8 22:30
宙返り灰泥軽茶自由詩515/3/8 21:53
燃える杖砂木自由詩8*15/3/8 20:51
宇宙開闢以前の《世界》は《存在》する積 緋露雪自由詩015/3/8 20:18
思い出症候群捨我自由詩115/3/8 20:05
学校が終わるオイタル自由詩2*15/3/8 19:52
アラベスク乱太郎自由詩12*15/3/8 19:42
HONEYopus自由詩015/3/8 19:19
慈善事業花形新次自由詩015/3/8 18:09
会いたいやまうちあつ...自由詩415/3/8 17:07
梅昆布茶自由詩15*15/3/8 16:00
関係中原純乃自由詩2*15/3/8 14:03
手段的自衛権イオン自由詩015/3/8 13:28
呪縛nonya自由詩10*15/3/8 12:02
たかじんのさくら吉岡ペペロ自由詩215/3/8 10:09
私はミルフィーユコトバスキー自由詩4*15/3/8 10:04
宴のあと葉leaf自由詩115/3/8 8:25
春とエレジー月形半分子自由詩6*15/3/8 4:10
津軽の雪自由詩2*15/3/8 3:54
仏様が降らす雪自由詩1*15/3/8 3:31
君に会いたいterada...自由詩015/3/8 2:10
恋の普通 愛の加速 変な超特急komase...自由詩2*15/3/8 1:59
山登り南川きま自由詩3*15/3/8 0:54

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加筆訂正:
ダンス/ただのみきや[15/3/8 5:22]
やっぱり「視えない」から「見えない」にもどしました。
ダンス/ただのみきや[15/3/8 5:20]
「見えない」を「視えない」に変えました。
8.39sec.