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血液型のようなイニシャル
同じ時間を笑ったしあわせ
同じ夕日を 眺めた焼却炉の傍で
一番星を ヴィナスを指さして
雨の廊下を渡る時
図書室の扉を開く時
好きな娘に見られながら
私が部 ....
手のひらに載せたガラス瓶の中は不可思議な水で満たされていて
米粒ほどの数匹のさかなが泳ぐ
ここで生まれてここで死んでいく
生殖も食事も排泄も
すべてのことがその水を介して完璧にめぐっていくのだ ....
あたし、
ほんとは
猫なんだ。
猫の世界は悲しみが
ただの人間さまからみれば
立てない地軸で廻ってる。
そんな感じで、いいのかにゃ〜?
猫の世界は純愛が
こぼれる ....
照り返しの熾烈な光線に
プリズムを当てて
虹
と喜ぶ声を捕まえようと
駆け出すが
蜃気楼に溶ける
その先に本当は水溜りがあるのだろうが
鼓膜は破れている
湿度の高い畳の上で唱える
....
暗い朝に
経を読み
香を焚き
粥を啜り
写経する
日々の修行を守り
仏に祈る姿が美しい
自ら幽閉した世界が心地よかった
ある日の雑踏に赴き
托鉢に出かけた昼下がり
涼し ....
またお前が溌剌として空間を行き来する季節が来るよ
まだ蜜はまばゆい重みを湛えるまで熟してはいないが
やがてあらゆる明雪を終わらせる風の便りに指を開き
柔らかな触角で時が経てる悦びを弛まなく識るだ ....
教会に
犬が
迷いながらやってきた
乾いた骨でも
求めていたのか
空を
みあげていると
鐘の音が
空気を乾燥させる浄さで
鳴り渡るものだから
昨夜の雨に降られ ....
夏の陰の濃さが地面に染み付いて
光だけ眩しくて行方を暗ます
目の瞬きの速度が
飛蚊を同定し
影を居ないものとする
私、生きている
こうやって生活して物を食べて
掃除してみたらし団子食べて ....
此の空漠の地に
影像だけ現れては壊死し続ける、
絶えず垂直に降り注ぐ霊雨
、
人の魂に永劫の眼を刻み込みながら
濡れ見開かれる時節を待ち続けながら
ぽっ ....
冴えわたる月の光をうけて
抱かれた夜の夢をさぐる
朝日に照らされたベッドに
あなたの影はすでになく
夢はいにしえの物語となってしまった
あなたはまた何時か来ると信じても
私の胸は不 ....
雪の結晶が開いたり閉じたりする夜に
瞼の中のもう一つの瞼を眠らせるように
内側から鍵のかかった黒猫の中で
一体どのような犯罪が行われていたのか
雪の結晶が開いたり閉じたりする夜に
鳥籠の中に ....
会話はさ
次第に競技賭博の様相を呈してて
短く
鋭く
チップはみるみる減らされた
BGMの限界は知らない
誘われるがまま去った
色どりの硝子片の街へ告げる
ころりと丸い宵の滴を置き ....
私という存在は
私の責任と努力だけで
できあがっている者ではない
私は私の意志に関係なく産み出された者だ
生まれたのは自分の責任ではないのに
生きていくのは自分の責任になるって
こんなに割 ....
ある日、あなたの背中に
窓があるのを見つけた
開けてみると
普通に外の景色があった
眩しければ鳥になるといいよ
とあなたが言うので
わたしは鳥になって
空へと飛びたつしかなかった ....
南天に座したる青き狼の星よ
我に力を与え給へ
高鳴る心と引き換えに
天を動かす力を
海を裂く力を
大地を砕く力を
愛するものを守らんとする
命の鼓動と引き換えに
我に力を与 ....
高台に古い教会が見える
海辺の街を見下ろしている
結婚式でよく使われている教会
華やかなエネルギーが流れて
街全体が愛で潤う
私もあなたも
生まれ育ったこの街が好き
愛のある ....
君がいないと、
もがくような夢ばかり見て
毎夜、悶々としている
きっと 繋がっている
ずっと、そう信じてきた
いつかボクは声になりたい
君の隣で、囁く声に
永い時が流れ ....
○「歳月」
こうやって独り言を重ねている間に
歳月はどんどん過ぎ去っていく
元旦に大地震があって
今はもう桜の花が咲き始めている
○「中心」
世界の中心は自分の脳の中にある
○「 ....
「自分の熱情を貫徹することと、幸せのどちらが大事かな」
と問うて
「幸せ」と即答する君
寂しい を知った私。
恋は太く短く
愛は細く長い
恋は甘酸っぱいかい
愛は重く苦いかい
それを知りたくて
ぼくたちは生きてきた
わかりたくて
わからなくて
ふたり暮らしたね
何時の日かぼくが息 ....
あめんぼ、
みずたまりから、
いなくなってしまった、
ごくありふれていた、
虫、
ごくありふれていた、
あなたの、
「いってらっしゃい」や、
「おかえり」、
という声も、
けっして ....
そりゃ そんなに
連続していたら
どれか ひとつくらいは
密室殺人じゃない時だってあるわ
「相撲をとって
負けた方が
真犯人な。」
と、言われ
対戦相手が
四股を 踏むか ....
硝子の抜けた窓を透け
川に浮かべた傘いっぱいに
夕ぐれの街が溢れる時間
暮れる光のにおいに
昨日と明日が
すれ違う今が翳りとなってひそみ
貨車が黙って
曳かれてゆく不安で
すぐに下 ....
○「わからないなあ!」
宮沢賢治の童話 わからないなあ!
童話なんだけど わからないなあ!
まあ何十年も一緒にいる女房の心も
わからないんだから
天才の心などわかるはずがないか!
○「 ....
友達が海辺だった。ぼんやりと暗い真昼の部屋で、どこから迷い込んできたのだろう、蟹が蠢いていた。冷たく静かなベッドの上で、蟹の群れが、友達の中へ滑り落ちていく。少しだけ話をすると、友達は用事を思い出して ....
公園の水面に睡蓮が咲いている
ウスバカゲロウがふわりふわりと飛んでいた
ときおり
魚がポチャリと水面を跳ねる
貴婦人が日傘をさして橋の上から
池の睡蓮を眺めていた
ぼくはベンチ ....
さくらの花びらのしわを読もうとしても
他のことばかり考えてしまう
死んだ人の顔とか間違えたこととか
風が強すぎて星が何を言っているのかわからない
唇の開閉に合わせてうなずくだけで眼がうるむ
....
夢の時間も砂嵐のなかに消えてしまうだろう
そんなテレビジョンの懐いでのなかで
光りになれなかったひとたちと
一緒の場所で出遭ったのは
真昼の淡い幻想だった
いまだほんものの喜びが ....
ネット間のむくつけき影が
まるい指きどり、きらりコイン・トス
お気にいりのいち枚を
載せた型をじいっと見つめ
着地するまでどれだけ回ったか
数えてるんだと笑った
投げあげられた淡黄色の ....
「きのうのよる、ミイちゃんがかえってきたみたい。ほら、からっぽになってる」
わたしは妹に話しかけた、からっぽのミイちゃん用の銀色のお皿を持って。
「ほんとだ、ミイちゃん、かえってきてごはんたべたん ....
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