すべてのおすすめ
都会の夜にまたたく星は必要だ
手をのばしても届かない それ
わたしにも、必要だ
ひらり翻す スカートの裾は
真夏に蝉が鳴く焦げた匂いがします
身体に残る 幼い傷跡は
あどけない睫毛が世界を包む優しさに似ています
頭の中を充満する 疑問符は
染色液が空から降り注ぐ ....
古く錆びれたドアの前にはふたつの石が置いてある、ひとつの石にはわたしの名前、もうひとつの石にはあなたの名前が書いてある
ふたつの石は苔生して、きちんと目をとめて見なければきっとそれは土塊 ....
はじめ名刺は刃のように
私を私から切り離した
名刺の上には私の生首が乗っていて
所属や肩書など嘘ばかりべらべらしゃべる
私は生身の人間だ
そんな機関にはまだ身を任せていないし
....
あなたの瞳 異国の鳥よ
陽炎の向こう遥か遠く
倒れた女の首飾り
散らばるビーズ夢の欠片
神なき宇宙の茫漠に
見えない糸で星座を編んで
あなたの声 異国の鳥よ
風の螺旋を辿りながら
....
コンパスは嫌いだ
三角定規も嫌いだ
三〇センチの定規も嫌いだ
でも
雲形定規はどう使うの?
何故四角定規はないの?
何かを描くために必要なものか?
とくと教えて欲しい
....
人間の行為を肯定するために幸せは捏造されました。仕事、ギャンブル、放浪、それが幸せであれば許される、そんな風に幸せでもないことが幸せ扱いされましたが、当の幸せ自体は空っぽの何でもありでしかなか ....
シャンメリーが美味いね
今年飲んだものの中では
これが断然一番美味いね
そう思わないかね、君は
まったく君ときたらだよ
常識を疑わなければとか
裏の裏があるのではとか
色々と考えすぎ ....
テーブルクロスが
一瞬にして失せたけれど
食卓の上に置かれた
皿やグラスは
微動だにしなかったので
私たちは
それについて話すこともせず
もちろん
見つめ合うこともせず
そのまま
....
朝に炊いた玄米メシ
冷たくなった握り飯を
私は食らっていた
父親だった男が死んだと
疎遠過ぎる妹からの電話
皮肉なものだ
あまりに薄い縁を
思い知らされた
玄米は
よく噛 ....
家族は血のつながりであり、歴史のつながりであり、土地のつながりであり、愛情のつながりである。家族を泉として、そこからつながりが徐々に遠くへと流れ着いていく。血のつながりは遠い祖先の瑞々しい表情にまで脈 ....
{引用=
毛細血管のめぐるあおい突端の、
これよりさきはもう冬の海しかひろがっていない、
さみしい風景のなかで、年増の女が、
少女のように手にもったポリエチレンの袋を、
....
あなたとセックスしたい
ベッドでセックスしたい
ソファでセックスしたい
庭でセックスしたい
プールでセックスしたい
近所でセックスしたい
市民会館でセックスしたい
ファミリーマートでセッ ....
昼、何もしたくなくて眠くなる寝る
夜、皆は寝入っているので
静寂は 何かを創ってみたくさせる
脳の先、あらゆるイメージとひらめきが遊び回り
皆の夜の中でポーズをとって ....
世界が沈むことを早くしている
今日を忘れないようにしよう
魚は寒くないの
だいじょうぶよ
鳥は寒くないの
だいじょうぶよ
並木道には自転車と五十代と思われるジャージの夫婦
....
一度止まってしまったはずのあなたの時間が
僕や多くの人の中で発光し続けている
美しい言葉を遺すということは
あなたがいつまでもあなたを証明し続けるということだ
そして僕とあなたの間 ....
幾つもの重い十字架を背負って
衆目の軽蔑のまなざしに怯えながら
私は丘の上へと向かいました
背負う義務などなく
ましてや犯した罪などなく
ただ善良な人たちが幸福であるために
善 ....
灰色の地面に咲く花は、きっと灰色だろう。
オフ・ホワイトの空には、黒い月が昇るのか。
黒ずんだ葉の白百合の園には、黒猫の屍骸がある。
そこに佇む貴方は黒いドレスに、蒼白の顔が映 ....
まぎれもなく私の時代をつくってきた人たちが、
いつの間にか道の途中、押し並べて額縁の中。
わたしは、
ガラス張りの向こうのモナ・リザを肉眼で見ようとしない人たちと一緒に、
一方向に寄せるだ ....
平日午前十一時四十分発の
高速バスに乗る人は
どこか イワクつき
一番初めに声をかけてきた おじさんは
昼間から泥酔していて
小さな透明のペットポトルの中に
日本酒を入れ ....
わたしはわたしの詩の中から
書いているわたしを見つめていた
ある日それは贅肉を削ぎ落とす行為
やがて臓器を切り売りして
かつて愛したものの首を絞め
部屋中に灯油を撒いた
見限ることにしたの ....
焼肉屋へ行き野菜だけ食べている
死ぬ間際にダジャレを言った
ゴルフウェアで葬式に出た
崖で演説している
領収書をヤギに全部あげた
サスペンスだが犯人がいない
泣きな ....
土日は仕事休み
何だか心が軽い
楽しいこと考える
金曜日は仕事が忙しい
明日は休みだと思えば乗り切れる
金曜日は残業になることが多い
家族の顔が思い浮かぶ
早く帰りたいそれば ....
霧が鳴いている
遠くへ存在を送るためでなく
内側にどこまでも響かせるように
霧が水の衝動を鳴いている
霧の中に沈む街並み
の中に沈み込む人々
霧が覆い隠すのは風景ではない
人 ....
ぼーっと ねころんで
夜の つめたい
しんしん光る
ほしをみて
あ あ
そらにとけちゃいたい。
そうおもうのに
枯れたしばふにはりめぐらされた
あした ....
朝礼
フロアの中心に固めた事務机の島を囲むようにして立ち
輪番制の司会者のもとに
一人ひとり何事かを発声することが期待されていた
しかし外線が鳴ると朝礼も一時中断して
近くのだれ ....
夜の人気無い交差点で
暗闇の赤信号の中
ひかりの人が立っている。
ゆるぎない姿勢で
こちらに何か、云いたげな
未知の国から訪れた旅人のように。
かれは
赤い世界に包まれた
情熱 ....
ありがとうを言わない手が僕の頬を斬った
先生のために歴史の敗ける北を食べて貼られています
よく海外の興味の事の募集をしていたのがあった
それは日本人の並べる資格で決裂する不利な条件
まるで責任に長い間続く性を授与していません
両者と ....
黄と橙色は
とてもよく似ていて
それはおそらく
同じ季節を生きているからだ、と
ふと思う
遠い山並みを眺めれば
それは混色されて
日び
上書きされていく
油絵のようだ
厚塗りされた ....
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