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もうここにいたくない
と言う気持ちと裏腹に
もう何処にも行きたくない
と言う気持ちが交錯して
一歩も前に進めなくなる事
それは
誰にでも起こりうる
ゆきずりがいい
ゆきずりに出会い ....
粘ついた舌ですべてを容赦なくなめつくすような雨がようやく上がったあと、機銃掃射のような太陽の子らが跳躍を繰り返した、俺は脳味噌を安い匙で掻き回しては言葉を拾い、左官工のように投げつけては撫でつけた ....
誰かの口から
誰かの口へ
思いがけず飛沫する菌が
感染しやせぬか
警戒セヨ 警戒セヨ
と、怖れるほど
ビニールシートの向こう側へ
あなたの顔は遠のいて
ぼやけて・・みえる
....
引き出しの隅から出てきた
100円ライター
大学生の時に
二箱吸ってやめた
ラークマイルド
高揚もリラックスも得られず
友達と一緒に手放した
十年振り
試しにと
でも
火は ....
人の夜は悲しいね
幸せになるために不幸になって
幸せを求めて不幸になって
不幸にならないように不幸になって
幸せから始まったのに不幸を選んで
どうあがいても不幸で
不幸であることしか認 ....
どうしてみんな
気持ちを伝えに来るのかな
ソフトクリームの
いちばん甘い所みたいに
大切なことを知っているけれど
教えてあげられない
青ざめた顔の周りで
粉々に砕けた愛とか
踏んだら痛 ....
哀しみを風呂敷で包み
胸の穴を塞いでくれる
空はタイムマシン
目も口もないのに
明るくなってまた暗くなるよ
仲間がいるだけで強くなった
月も星もこっそりと顔を舐める
この広い場所が全て
....
やさしいことばで君をえがく
長い髪の、
今は
とても みじかく切ってしまって
君が泣いている
君が笑っている
でも本当は、
ひとり静かに怒っている
縁側でひざを抱いて座ったまま
....
たとえば
対岸に貴方が立っている光景
声をかけても届かない事実と
合いまったわたしの感情
たとえば
左手薬指の傷
日に日に薄くなっていく記憶と
合いまったわたしの痛み
たとえば ....
泪の鏡面には今だけが映り込むから
信じれば底は我が花園で、襤褸の帳を弾き契る旅愁でも
浮いては沈む海月たちに次ぐ、是非に明かりを下さい。
もう遅いでしょうか 君は君だけではない
すでにみえ ....
「る、」
雫の垂れ落ちる音がまとわる
離れないわたしを誘う夜に
踊って、と言う
雨粒が傘に当たってはねる
「る、る、ら」
不定期のリズムに調子を合わせて
あなたと調和する
「る、、 ....
根生姜を購入した
なかなかたくましい少年であるが
根生姜ゆえに 品行方正とは云い難い
連れて帰り早速 全身を湯で洗ってやり
{ルビ笊=ざる}の上にキッチンペーパーを二枚を ....
誰もが一度はあるだろう
口笛で空を天と地に分けたこと
リリィ、お前の名前が落ちないように
今日は晴天の上を行こう
そして誰にも届かない
高気圧の帯で抱きしめるよ
緩やかにたおやかに光が溶け ....
それはそれはしあわせな
夢で逢えたから
月の光で遮られて、
僕らを祝福するように
切っ先で黒く染められ、
満開の徒花の底でも
静粛に執り行う夜の柩
縹色のサークレットを夢に被せて
....
山が二つあり こちらの山に対面するのもう一つの山のふもとの一軒の平屋の屋根の上で独り 舞踏を行っているのがわたしである
それをこちら側で見ているのが一卵性双生児の兄妹である
わたしから ....
天変でも地異でもなかった
なのに
突然変異の如くあらわれて
人間の社会を襲ってきた
闇雲に
人身に侵入して
その組織を壊すから
人心を恐怖と不安に陥れた
テレビをつけたら
感 ....
私は魚ではなく
人だから
海は
陸とつながってる部分が
好きだ
見渡す限り海だけの映像は
空恐ろしい
そこに岸があるからこそ
安心して美しいと思える
そして
岸から ....
夜が壊れていくから
窓に包帯を巻いた
朝は舌なめずりして
地平線の先で出番を窺っていた
幼子の泣声、いや
盛りのついた猫だろうか
街路はあらゆる音を
まっすぐに伝えてはくれない
....
愛は真っすぐ丘を登って行った
蹄の跡を頂に置き去りにして
光は渦巻いている
春の風がむき出しの土を{ルビ弄=まさぐ}っている
あの日太陽を塗りつぶしたのは誰だったか
わたしの心臓を突き刺 ....
今日は
楽しかった
みんな
またね
って言って
僕は
終電に走る
なんとか
間に合って
来ていた
LINEを
返す
みんな
ありがとう
出会えて
よかった
そしてスマホ ....
ギーギーギー
虫が鳴くと船が進むように
生まれたばかりの膜を破る
複雑だった僕等の言葉を
耳元で油を差す時は
シンプルな感情を孵化させて
奥まで届く方が美しい
風が届かない部屋に
散っ ....
腕に時計を巻き付けた事はありません
家が貧乏だったので腕時計買って貰えませんでしたから
その延長線上を歩いて来たら
大人になっていました
もしかしたら
成長するってそんなものじゃないかな
....
唯、傷は塞がっただけで 奥底に植え付けられた 過去たちがわざわざ 視界を滲ませ続ける。
人の惨劇の 常緑の星を頂く 銀翼を奪われた雀蜂が、舞い上がる独り舞台の 空になった香瓶の細口に ひしと偲ば ....
さよならが
身にしみた瞬間
時間が一瞬で溯る
満たされていた心が
風船のように割れ
記憶が一気に流れていく
追いかけても追いつけない
笑い声が風になって
次から次へと消えていく
空っ ....
{引用=夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし (清少納言 「枕草子」)}
君の夜をやわ ....
ブラジル生まれのランバダは
男女がペアで踊るダンスで
1980年代の日本のディスコでは
密閉、密集、密接な場所で
腰をくねらせて股間を密着する
猥雑なランバダは自粛させられた
2020 ....
取り残されたと思った
寂しい町を背中にすると
案山子が笑っているから
僕はひとりじゃない
だけどあそこまで
歩いても行けない
そんな距離を
いつかは終わらせたい
ふざけた顔した
夕陽 ....
歌詞のない歌を歌おう
もはや歌わなくていい
心の中で歌え
誰にも聴かれるな
そして
歌はいつのまにか消えている
薄茶色の光が窓に反射している
それがまるで絵具みたいに窓にこびりついている
よく窓を見つめると水が水色にはりついていて
夜なのか周りは暗い色で暗いような雰囲気の窓である
海に接している坂町
潮の香りが町を覆っている
坂町の一番高い場所から
金輪島や似島がよく見える
海辺から山の上のほうまで住宅がある
隣は広島市
反対側の隣は呉市
ベッドタウンのよ ....
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