すべてのおすすめ
かぐや姫が月に帰った
日本最古の物語は
語り継がれ
いにしえの人びとは
みな
月に住む人たちを
信じ
その恐ろしいまでの
力を知っていた
今の世は
信じる者は
....
ひかりのうたは
やみのなかで
うたうのがいい
いつも
はにかむようにわらう
あなたのえがおに
かげがない と
きづかれないように
きょう
まんかいのさくらのなか
はれつ ....
音楽を聴く分析学的な時間が好き
きみと過ごす解析学的な時間
深く沈潜してゆく愛情にも似た雪のよう
罵られる騾馬のように時間が過ぎていっても
愛撫する隙もないきみと暮らしているぼくは
....
愛情は
お母さんの微笑みで
叱るのは
お父さんのめっ!と
あっぷ! でと
いつもは楽しい
毎日が
コロナのマスクで
様変わり
お母さんの微笑みが
わからな ....
時間が経てば
価値がでる
どんなものでも
価値がでる
経てば経つほど
価値がでる
時間が黄金に変わる時
もうそこに
所有者はいない
もうそこに
あなたもいない
....
中秋の名月に照らされて
天空の階段が
音もなく
月へと動いている
それが見えるのは
今となっては
限られた者だけ
遺伝子に隠された
遠い過去の記憶が
宇宙に浮かぶ ....
じゅっくりと
溶けていく氷山の
あゆみは
まるで
ひとの
含羞のようで
ヴァギナのようで
ペニスのようで。
こんなときには
コルトレーン
と
アキモトチエミ
の ....
なにか大仰なことを話すつもりはなくて
ただあなたとなら友達になれるかなと思っただけで
あなたが話してくれたことは本当だ
ぼくの周りにはドーナツ型のカラーパレットみたいなものがあって
生きる ....
何も無い荒野から
無いものの無い荒野へと
言葉を言葉に放つ指
言葉を言葉に散らす指
腕の先 拳の先
曲線 放物線
吸い込まれてゆく
泪とともに生まれる花
....
真面目なあの人を笑わせたい
そう思ってたくさんの嘘を用意した
花を摘むよりも簡単
お箸を並べるよりも
宇宙人の話は全然だめで
にこりともしてくれない
幽霊も金縛りもだめ
好きなものを知ら ....
なにもかも
変わってしまった
世界はもう
微笑みをなくして
なにをするにも
命がけの
自分を守ることで
精一杯の日々がつづく
マスクでかくされた微笑みは
いつ戻る ....
少し口角を上げた三日月は心を食い荒らしている
がみがみの大きな口を縫い 星星を抱いた罪深きつけ爪の赤を
初める
熟れた柘榴に切っ先を、ウツボカズラの試験管に漬す
死した君の瞳の奥底に囚われ ....
「草を踏まずに森を抜けられるだろうか?」
靴を脱ぐといい。
「しかし草を踏まずに森を抜けられるのだろうか?」
靴を脱ぐんだ。
「どうなんだ?俺は優しい草を踏まずにこの森を抜けられる ....
本当はね
詩なんてどうでもよかったんだ
だけどね
私は私なりに
どうしても自己表現出来る方法が欲しかったんだ
でもね
私にはこれと言って何も持っていなかった
絵は上手に描けな ....
総理在位最長記録達成記念
たとえば「アベノオムツ」
なんていいんじゃないか
なんてね
最後の最後まで
いいかげんな政治屋でした
....
古くなった器たちに
未練を残しつつ
将棋の神と八人の
タイトルの精霊たちが
選んだのは
初々しい羽織と袴の
さわやかで
やさしい眼差しをした
挑戦者の少年
ビクトリーロー ....
気がつくと
またちんちんをさわっているよ
さみしいからだろうよ
何がさみしいかというと
あらゆる人の記憶から
おのれを消し去ってしまいたいから
あらゆる人の記憶から
消え去ったあ ....
{引用=影法師}
セイタカアワダチソウの囁き
太陽と雲のコラージュ
目隠しする乳房
一瞬で潰れた空き缶の音
湖水に跳ねる金貨 落ちる鳩
鉛筆を齧る数学教師のポケットの
癲癇持ちの日時計
....
夜の泡の音
虫も草も聴こえぬ径
遠く流れる星の瀧
夜の泡の音
欠けた鏡
隠れた鏡
持つ手が映る
夜も映る
発つ光
着く光
手のなかの氷
....
一発上がるたび
メッセージや協賛が
アナウンスされる
辛気臭い
思い出の中の花火大会
大人になり
横並び何連発や
間髪入れず打ち上がる迫力の
爽快感と、興奮
ひとつづつあ ....
滅菌室に芽吹いた
一本の葦
畳、開け放たれた窓、ほほをなでる風
庭に咲くキンモクセイ
高校の制服
ボールを蹴るときの足の反動と
ふくらはぎからふとももの筋肉の
機微
酸素と ....
ミクロの世界に住んでいたと
毎日気づかされる
憂鬱な数字が踊る
決死圏で繰りひろげられる
細胞たちの戦いに
なんの援軍も送れずに
ただ恐れるだけ
世界を覆いつくす
ミク ....
香港の「民主の女神」ちゃんも逮捕されちゃって…
うなぎのぼりに気温も上昇
夜でも30℃だとよ
それでも自粛しろというのかい
それでもカネを落とせというのかい
開戦も
....
今あなたは冷や麥を啜っている
あなたが今、啜っているのは、冷や麥である
今、冷や麥を啜っているのは、あなたである
あなたが冷や麥を啜っているのは、今である
....
熱風が吹く
真夏の昼下がり、
子供は遠く奥へ駆けていき
老人だけが残された
ヘチマがぶら下がる縁側で
眩む空の青、浴びながら
取り残された老人は
揺れる地平に身を委ねる
遥か彼 ....
年の取り方が分からない
落ち着き方を知らない
若者を温かい目で見られない
余裕がない
一体どうすれば
往年の笠智衆のように
なれるのだろう
大坂志郎みたいに
振る舞えるのだろう ....
1)癌と診断された彼女の
ふわふわと帰路に着く足取り
おかあさんにあるがまま言ったらと
想像して
抱えることを選ぶ
2)
親の下の世話をし、食事を食べさせ
洗濯機をまわし
エアコン ....
畦草を揺らして
蛙の声がうねっている
鳴けるのは
今だけ
この青田だけ
頑固者は
喚くだけ喚き
生まれたちに拘り
季節に身を任せ
素潜りする
土の中で考える
肩書も ....
今日も
意識を想像の海に遊ばせて
精神の懐かしい場所に
ゆっくりと降下してゆく
そこに見えるのは
青色の巨大なアステカ蟻の行進
それは僕の意識の辺境まで
延々と続いてゆく
空には金色の ....
痩せっぽっちのロバと
ながらく友達だった僕は
マッチョなイギリスの
粋なボーカリストが好きで
ついにはオペラ座の怪人の
私生活を知ってしまうのだろうか
拘束されない言葉ほど
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208